【シゴトを知ろう】盆栽職人 ~番外編~

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【シゴトを知ろう】盆栽職人 ~番外編~

2017.06.12

提供元:マイナビ進学編集部

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【シゴトを知ろう】盆栽職人 ~番外編~

東京五輪に向けて日本文化への注目がより一層高まっている昨今。盆栽も今や国内以上に海外で盛り上がりを見せており、盆栽職人を目指して海外から修行に来る人も多いそうです。英語と中国語のスキルを生かして盆栽園を訪れる外国人観光客の案内も行っている神康文さんに、盆栽職人をおすすめする理由や、盆栽職人としてのキャリアアップ戦略などのお話を伺いました。

この記事をまとめると

  • 盆栽職人を目指すなら弟子入りが一番
  • 盆栽+アルファの「アルファ」を何にするか戦略的に考えるのも良い
  • 職人だが接客業でもあるので社交性は大事

続けることで経験が身になり、信用が増えていく

――盆栽職人になるにはどんな方法がありますか?

盆栽園の親方の内弟子として修行することが一番ですね。修行とは教わることではなく、朝から晩まで親方や兄弟弟子と行動を共にし、今、何をやればいいのか感じ、茶碗があったら箸を準備するように、日常生活のなかで自分から動くことを習慣にするための期間です。まずは業界で有名な盆栽園に菓子折りを持参して伺い、どんな仕事をしているか見学させてもらうのがいいですね。


――盆栽職人としての働き方・活動スタイルにはどんなパターンがありますか?

大きく分けて盆栽素材生産者、オークション専門業者、海外公演デモンストレーター、盆栽作家の4種類です。
生産者は地方の広い土地を生かし腰を据えて素材作りに撤し、オークション専門業者は全国を股にかけて盆栽を流通させ、作家は都市部で素材を改作しお客様に商います。近年では海外公演に招聘(しょうへい)を受け、各国で講演するデモンストレーターもいます。例外を挙げると、「盆栽美術館ガイド」です。僕の半世紀以上年上の先輩は見学に来た人が笑いすぎて痩せてしまうくらいのおもしろい案内をするので負けられないなと思います(笑)。
受け皿が広いのが盆栽業界の特徴です。その中で本物になれるかはその人の努力次第ですね。

強みを何にするかによっていろいろなキャリアがある

――盆栽職人はどのようにキャリアアップしていくのでしょうか

僕はまだまだ修行中の青二才なので、僕の親方である小林國雄の話をします。都立農産園芸高校を卒業後、先代の跡をついで28歳まで園芸農家をしていましたが、展示会で出合った盆栽に衝撃を受け、盆栽の道へ入り独学で勉励。時代の流れを読みながら盆栽、中国古渡鉢、盆栽美術館、水石と未知の分野へ恐れず挑戦してキャリアアップし続け、盆栽プロ同士が腕を競う「日本盆栽作風展」にて内閣総理大臣賞を4回・皐樹展大賞を6回受賞し、東久璽宮文化勲章・江戸川区文化勲章を受け、「国風盆栽展」を16回手がけ、海外講演数18カ国55回とさまざまな仕事を成し遂げ、「小林國雄ブランド」を確立しました。みなさんの中にも正月の「芸能人格付けチェック」といったテレビ番組でその作品を見たことのある方はいらっしゃるのではないでしょうか?

キャリアアップには考え方次第でいろいろな戦略があると思います。技術を磨いて作家になるもよし、地方に住んでいるなら盆栽の素材作りに集中してもいいでしょう。もしも外国語が話せれば世界を舞台に仕事ができます。
はじめは弟子として修行して基礎を勉強するのが大切ですが、年季を重ねるにつれて自分の置かれた環境プラスアルファの部分が必要になってくるように思います。僕の場合は語学ですが、もみじ・柿・オリーブなどのユニークな盆栽を専門に作る人もいます。人の真似できない特徴を持ち、伸ばしていくことが大事ですね。

――盆栽職人にはどんな気質の人が多いですか?

社交的な人が多いですよ。確かに気難しく寡黙にひたすら作業に集中するときもあります。しかし、お客様の好みや、市場で何が流行なのかということを理解した上で盆栽を手入れするので、会話で情報交換するのは大切です。僕は「英語と中国語が分かるのに日本語が分からない」と同僚によくからかわれ、右と左の違いも本当に分からなくなるときがありますが、そんな人間でも6年間続けてこられたのは社交的な人たちに囲まれてきたおかげだと思っています。

――神さんは高価な鉢を割ってしまったこともあるとか……?

200年経つ鉢を割った音は生涯僕の耳から離れません。弟子の中で僕がダントツで誇れることは叱られた回数です。ありとあらゆる失敗をしてきたので、「それをやったら失敗する」ということを人に教えられます。
この仕事は勉強して歳を重ねれば次第に信用が増していきますので、盆栽の成長と共に大きくなれます。


――お仕事にまつわる“あるあるエピソード”があれば教えてください

車を運転しているときに街路樹を見てしまいますね。手入れしたくなります。親方は屋久島の縄文杉を見たときに「ここの枝がなかったら良くなる」と、切ってしまおうかと考えたらしいです(笑)。世界遺産すら完成されていない作品に思えてしまうのはよくある話ですね。

園の手伝いに来ていた盆栽好きの高校生と

園の手伝いに来ていた盆栽好きの高校生と

――盆栽職人というお仕事に興味のある高校生に伝えたいことは?

世の中にはさまざまな職業がありますが、盆栽ほど生涯を通じて向き合える職業はありません。春花園には樹齢1000年を超える盆栽がありますが、逆に今まいた種が、1000年後まで後世に引き継がれていくことだってあるわけです。
みなさんはどんな未来を想像しますか? それを実現できるよう、まずは一歩踏み出してみてください。



盆栽は基本的に悪いところを隠して良いところを伸ばすという発想で作られるそうで、人生のあらゆることに通じる面白さもあるようです。植物や天候というコントロールし切れないものと向き合うことで学べることもたくさんあるのかもしれませんね。


【profile】春花園 神康文
http://kunio-kobayashi.com

この記事のテーマ
動物・植物」を解説

ペットなど動物や観賞用の植物に関わり暮らしに潤いを提供する分野、食の供給や環境保全を担う農業・林業・水産業などの分野があります。動物や植物の生態や生育に関する専門知識を身につけ、飼育や栽培など希望する職種に必要な技術を磨きます。盲導犬や警察犬、競走馬、サーカスの猛獣などの調教・訓練や水族館や動物園で働く選択肢もあります。

「動物・植物」について詳しく見る

この記事で取り上げた
「盆栽職人」
はこんな仕事です

技術と時間をじっくりかけて、自然の風景を木・土・コケ・鉢を使って再現し、その美しさを鑑賞するのが盆栽である。盆栽職人は、針金を用いて枝の伸び方を調節したり、枝や葉を切って葉の付け具合を加減したりするなどの細やかな技術を駆使して盆栽を育てるのが仕事である。通常の植木のように、その植物自体の美しさを引き出すのとは異なる。たとえば、斜幹(しゃかん)という形の盆栽は、強い風で斜め方向に幹を伸ばした木の姿を表現している。盆栽職人になるには、盆栽職人を長くやっている人の下で働き、技術を磨くことが多い。

「盆栽職人」について詳しく見る