【シゴトを知ろう】動物調教師(警察犬訓練士) 編

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【シゴトを知ろう】動物調教師(警察犬訓練士) 編

2017.06.09

提供元:マイナビ進学編集部

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【シゴトを知ろう】動物調教師(警察犬訓練士) 編

家庭用のペットをしつけたり、競技会に出場するための訓練を行う動物調教師・訓練士は、動物好きには憧れの職業。「自分の仕事は犬の気持ちの翻訳者」と話す田丸さんは、現在千葉県市原市で訓練所を開き、優秀な警察犬や競技犬を多く排出しています。会話をすることができない相手だからこそ、難しい部分ややりがいもあるという動物の訓練・調教のお仕事。養成学校から修行時代、現状のお仕事のお話まで詳しく伺いました。

この記事をまとめると

  • 訓練・調教師は犬の問題を直すのではなく理解してつき合い方を考える仕事
  • 警察犬の出動は迷子や徘徊者の探索などが多い
  • 求められるのは要領のよさ・器用さではなく、ひたむきに「続ける力」

飼い主と犬が一緒に訓練することで、深い絆が生まれる

Q1. 仕事概要と一日のスケジュールを教えて下さい
 
千葉県市原市で、競技会向けの犬や警察犬の訓練・調教、家庭犬のしつけなどを行う㈱ONLY WANという訓練所を開いています。競技会というのは、例えば飼い主の横をぴったりと付いて歩く脚側行進や障害の飛び越え、物を持ってこさせたり(物品持来)、臭いの嗅ぎ分け(臭気選別)、足跡追及などさまざまな種目があり、その習熟度を競い合う大会のことで、私たちのような訓練の専門家だけでなく一般の人たちも多く参加します。

実は警察犬として必要な訓練もこの競技会の種目に含まれているので、僕が競技会向けに調教したシェパードが今年度は2頭、千葉県警から嘱託(しょくたく)警察犬に任命されています。現在千葉県警では警察官が訓練をしている直轄警察犬と、捜査や捜索で必要になった時に依頼されて出動する嘱託警察犬の2種類がいます。

警察犬の出動依頼は年間約20件程度、夜中でも警察から電話がかかってくれば出動します。案件としては、迷子や家出、認知症の徘徊、遺書を残して行方不明になった人などの捜索などが多いですね。みなさんがテレビなどで見たことがあるように、捜索する人の持ち物を嗅がせてその足跡の臭いを追っていきます。このほか、広報活動の一環でイベントなどに行くこともあります。

競技会では前述のような訓練の習熟度を競うもののほか、フライボール(4つのハードルを飛び越えた後、飛んでくるボールをくわえて戻る競技)のように犬との遊びを楽しむドッグスポーツ競技もあります。一般の飼い主さんたちが競技会に出るための訓練をしたり、犬を調教することを不思議に思う人もいるかもしれませんが、きちんと訓練・調教された犬は日常生活でも飼い主の言うことを聞き、周囲に迷惑がかからないため人間とも共存しやすくなります。また競技会という目標に向かって切磋琢磨して一緒に訓練をするうちに、飼い主と犬との信頼関係が深まり強い絆が生まれます。

<一日のスケジュール>
6:00 犬のトイレと食事
7:00 スタッフの朝食
8:00 雑務処理の後、レッスンや訓練を開始 
11:00 犬のトイレ(散歩を兼ねて)
12:00 スタッフの昼食 
14:00 レッスンや訓練
17:00 犬のトイレと食事
18:00 スタッフの夕食
19:00 残務処理など
21:00 犬のトイレ
23:00 老犬や子犬のトイレ

毛虫を筆箱で飼育!? 虫や動物が大好きだった小学校時代

Q2. 仕事の楽しさ・やりがいは何ですか?

お預かりしてしつけをした犬たちが、帰宅後に飼い主さんたちと良好な関係を築けている時は一番うれしいですね。また自分が訓練した犬が競技会で成果を出したり、苦手な種目を克服して成長した姿を見られたときなどは、やりがいを感じます。


Q3. 仕事で大変なこと・辛いと感じることはありますか?

犬たちのお世話や訓練は、朝早くから夜遅くまで終わりなく続くので1日が長く感じることでしょうか。また土曜も日曜も休みがないことも、時々辛く感じることがあります。

  
Q4. どのようなきっかけ・経緯でその仕事に就きましたか?

小学生の頃から動物や虫が大好きで、できればヘビや毛虫に関する学者になりたいと思っていました。筆箱に毛虫をたくさん集めて飼っていて、担任の先生に見つかって捨てられたこともあります(笑)。とにかく昔から好きなことだけを突き詰めていくタイプでしたね。動物に携わる仕事、しかもただ世話をするだけでなく何かを残せる仕事がいいと考えて、この道を選びました。

養成学校では犬の世話をしながらみっちりと訓練法を学んだ日々

Q5. 今の仕事に就くために学校ではどのようなことを学ばれましたか?

高校卒業後に、オールドッグセンターという訓練所の付属養成学校に入って訓練士の基礎を学びました。この学校では2年間の寮生活でシェパード2頭の世話をしながら訓練士としてのトレーニングを積むという、なかなか密度の濃い生活でしたね。朝6時半から散歩、餌やり、トイレといった犬の世話をしてから授業や実地訓練を受け、夕方以降も同じように犬の世話をしてから就寝という、まさに犬との共同生活にどっぷり浸かりました。

卒業後は付属の訓練所で先生に弟子入りをして修行をしました。ここでは噛み癖や吠え癖がある犬などを実践形式で訓練するのですが、ここで学んだことが今の訓練・調教に非常に役に立っています。訓練士や調教師が犬をお預かりするのは、犬の悪い癖を直すためではなく、何が理由でそうなっているかを理解して、そのつき合い方を探るためなんです。一頭たりとも同じ個性を持つ犬はおらず、問題行動がある場合でもそれぞれの犬がそれぞれの理由を抱えているので、各自に合ったアプローチが必要です。例えば噛み癖や吠え癖といった人間から見たら困った癖も、実際は恐怖心から起こっていることが多いもの。その恐怖心を感じさせないように工夫し、精神的に落ち着かせてあげることができれば、かなり改善します。

犬は1年で大人になってしまう生き物で、人間とは成長の度合いが大きく異なります。テリトリー意識など人間とは違った面で尊重してあげなければいけない部分も多い訳です。その習性や特徴をよく理解しないまま、ズカズカと犬の世界に踏み込んで「言うことを聞かない」と考えるのは、的が外れています。私たちの仕事は、犬が考えていることを翻訳して飼い主さんたちに伝える通訳者の使命もあります。犬の気持ちを想像する、寄り添うという意味では、この学校で学んだことが今に生きていると感じています。


Q6. 高校生の時に抱いていた夢が、現在の仕事につながっていると感じることはありますか?

高校生になって将来を考えた時に、動物が好きだったことから獣医師になろうかとか、昆虫や爬虫類の学者になろうかとか、いろいろな道を模索しました。でもそのためにはもっと包括的でアカデミックな勉強が必要で、その時の僕にとってはそれが回り道のように感じたんです。犬の訓練士であれば犬のことだけを学んで、犬のことだけを考えればいい。つまりもっと集中して短期的にその仕事に就けると思ったので、この仕事を選びました。犬の訓練士になろうと決めてからは、器用なタイプではないことも幸いして、迷うことなくこの道にまい進できましたね。

要領の良さや器用さよりも、「愚直に続ける力」が大切

Q7. どういう人がこの仕事に向いていると思いますか?

ほどよく“鈍感な人”が向いていると思います。動物が相手ですし、修行期間は徒弟制度なので、いわゆる常識が通用しない部分が多い仕事です。あまり隅々まで気が回る人や常識的な感覚が強いと、理不尽さばかりを感じてつぶれてしまうかもしれません。

これは個人的に感じているのですが、要領のよい器用な人ほどこの仕事を続けていないということ。僕は養成学校に同期で入った30人中成績も実績も20位くらいで、特別優秀な方ではありませんでした。逆に出される課題を要領よくこなしていた器用な人たちは、他の仕事の選択肢があるせいなのか、皆辞めていきましたね。不器用さや鈍感さは、ともするとマイナスに取られることも多いですが、背水の陣というか「自分にはこれしかない」と思うことができるので、一つのことを突き詰める仕事には向いているのかもしれません。職業体験で来る中学生にも「どんなに自分に向いていないように思えることでも10年続ければ必ず芽が出る」といつも伝えるのですが、逆に途中で止めてしまってはどんなにピッタリ合う仕事でもモノにはなりません。とにかく石にかじりついてでも続けること、これがどんな仕事でもプロになるための秘訣だと思います。


Q8. 高校生に向けたメッセージをお願いします

犬の訓練、調教、しつけの仕事をしていると、お客さまとして実にさまざまな人たちと接する機会が多く、獣医師さんたちとの連携も取ることもあります。その際の基本的コミュニケーションに必要な、常識として知っておくべきことは高校の頃に勉強した知識が多く含まれています。なりたい職業がある人でも無い人でも、学校で習う基本的な知識は一通り頭に入れておくことが大切だと思います。

もし動物が好きで動物に携わる仕事がしたいと考えている人がいれば、動物の訓練・調教をする仕事は動物が好きじゃなければできませんが、好きというだけでもできない仕事です。ぜひ諦めずに頑張ってください。



「それぞれの犬種の特徴を理解し、問題行動を“直す”のではなく上手な付き合い方を習得することが第一歩」と話す田丸さん。犬との接し方のコツを聞いていると、人間同士のコミュニケーションの基本にも共通する部分が多いことが分かりました。動物との適切な関係を築くには、温かさや優しさに加えて、飼い主と飼い犬という立場を理解させる厳しさも大切です。優しさと厳しさが共存した訓練・調教が犬を大きく成長させるのですね。


【profile】動物調教師(警察犬訓練士) 田丸大路
株式会社ONLY WAN http://i-onlywan.com

この記事のテーマ
動物・植物」を解説

ペットなど動物や観賞用の植物に関わり暮らしに潤いを提供する分野、食の供給や環境保全を担う農業・林業・水産業などの分野があります。動物や植物の生態や生育に関する専門知識を身につけ、飼育や栽培など希望する職種に必要な技術を磨きます。盲導犬や警察犬、競走馬、サーカスの猛獣などの調教・訓練や水族館や動物園で働く選択肢もあります。

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この記事で取り上げた
「動物調教師」
はこんな仕事です

動物調教師は、動物をそれぞれの目的に応じて訓練するのが仕事である。たとえば、競走馬の調教師であれば、馬の持ち主からの依頼で競走馬を訓練して、ベストの状態でレースに出場させることが目的となる。盲導犬の訓練士なら、目の不自由な人を誘導するために、目の不自由な人の目の代わりになって動けるように犬を訓練することが目的である。それぞれの動物の特性によって訓練方法は異なるが、動物の気持ちをくみ取り、不安を抱かせないように安心させてから必要な訓練を行うことが大切である。

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