【シゴトを知ろう】整形くつ技術者 編

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【シゴトを知ろう】整形くつ技術者 編

2017.06.06

提供元:マイナビ進学編集部

【シゴトを知ろう】整形くつ技術者 編

皆さんは靴が足に合わなくて痛い思いをしたことはありませんか? その症状が重くなると日常生活もままならなくなります。整形くつ技術者はそうした足の悩みを抱える人のためにオーダーメイドの整形くつを作ったり、既成の靴に合わせたインソールを作ることで歩きやすくするお手伝いをする仕事です。単身ドイツに乗り込んで技術を学んだ整形くつ技術者の大関悠人さんにお話を伺いました。

この記事をまとめると

  • 整形くつ作りの技術はドイツで発達している
  • オーダーメイド以外にも既成の靴の調整やインソール作りの仕事も含まれる
  • 勉強でも部活でも一生懸命取り組んだことが将来につながる

足に悩みを抱える人のための靴やインソールを作る仕事

Q1. 仕事概要と一日のスケジュールを教えてください

東京の御茶ノ水にあるエルゴフットという義肢装具店で整形くつ技術者として働いています。「整形くつ」というのは足に悩みを抱える人のために、その人の足の形に合わせて歩きやすく作られた靴です。日本には整形くつ技術者の資格はなく、義肢装具士という義足やコルセットなどの医療装具を作ることができる資格がその分類に入りますが、靴も自社で手掛けている所はあまり多くないようです。僕は整形くつ作りが発達しているドイツで技術を学びました。

医療用のインソールや整形くつは保険が適用されるため、お客様にはまずクリニックを受診していただき、僕たちはクリニックからオーダーを受けて作っています。お客様の足の違和感や痛みを確認して、採型(足の型取り)をして作ります。既成の靴を足の骨格に合わせて修正する「靴型装具」を作ることもあります。足が変形して既成の靴が履けない方には「整形くつ」を作りますが、日本ではそこまでのオーダーが入ることは珍しく、靴の形に合わせたインソール作りの仕事が多いです。お客様のお悩みで多いのは外反母趾で、扁平足(へんぺいそく/縦のアーチが崩れている)や開張足(かいちょうそく/横のアーチが崩れている)という方もいらっしゃいます。

<一日のスケジュール>
9:30 出勤
9:45 朝礼
10:00 採型、完成品のチェック・お渡し
13:00 昼休み
14:00 制作
16:00 採型、完成品のチェック・お渡し
19:00 終業(または制作の続き)


Q2. 仕事の楽しさ・やりがいを感じるのはどんなところですか?

痛くて辛い思いをしてここに来られた患者さんから、装具を使うことで痛みが改善されたり、歩くのが楽になって楽しくなったという声をいただいたときはうれしいです。僕が勤務している装具会社では同じビル内にあるクリニックと連携しており患者さんと直接お話できるので、そこにやりがいを感じます。


Q3. 仕事の大変さを感じるのはどんなところですか?

一人ひとり顔が違うように、足も全く同じ形をしている人はいません。「快適な履きごごち」の感覚というのも様々ですが、身体に負担の少ない履き方を理解してもらい、それを続けてもらえるようお伝えしていくのはなかなか根気がいるかもしれません。

高校生の頃の「靴屋になりたい」という夢がきっかけに

Q4. どのようなきっかけでこの仕事に就きましたか?

中高生の頃から靴が好きで、靴屋になりたいと思っていました。地元のお気に入りの靴屋さんがなくなり、ほしい靴が買えなくなって困っている人が僕以外にもいたので、自分が靴屋になればいいんじゃないかという単純な理由でした。しかし大学に入って関東に出てきたときに靴屋さんがたくさんあることに気づいたんです(笑)。じゃあ作り手になろうと思ったのですが、日本には靴職人さんもたくさんいることにも気づいてしまって……。そこで初めて「整形くつ」という道を意識しました。

都内にドイツ人が教えてくれる1年制の学校があることを知り、大学4年生のときにダブルスクールで通ったのですが、日本では足の不自由の方の靴を作る技術がそこまで進んでいないことを知り、本場のドイツに行って学びたいと考えました。大学と学校を同時に卒業した後、1年間アルバイトをして貯めたお金でドイツに渡りました。ドイツには日本のような専門学校はなく、会社に訓練生として入るシステムが取られています。そのため整形くつメーカーで3年間訓練をしてドイツの整形くつ職人の資格を取り、さらに3年半ほど同じ会社で働いて経験を積みました。

もともと30歳になったら日本に戻ろうと決めていて、日本に帰省する度に義肢装具の会社や健康靴の会社に話を聞きに行っていたのですが、そのときに今の会社のことを知りました。ここならドイツで身につけた技術を生かせると思い面接を受け、採用してもらいました。


Q5. ドイツではどんなことを学びましたか?

訓練期間は約3年間でした。1年目は会社の工房で靴作りの訓練を週3日行い、週2日は学校で理論の授業を受けました。2年目からは週4日工房で、週1日学校という割合になりました。学校の授業では各症状に対してどういう靴やインソールが良いのか、どういう調整・加工をするとよいのかということを学びました。解剖学や靴の知識、足に関する病理学、数学、経済学なども学びました。

僕が入った会社はたまたま大きなメーカーで注文が多く、整形くつ作りだけでなく、既成の靴の調整やインソール作りも経験しました。糖尿病で足がむくんでいたり壊死して切断してしまったお客様の靴を作ることが多かったです。外反母趾や足の左右の長さが違う人のための靴を作ることもありました。


Q6. 高校生のときに抱いていた夢や体験したことが、現在の仕事につながっていると感じることはありますか?

高校生の頃はサッカー部に入っていて、高校2年生の途中まではサッカー選手になりたいと思っていました。その夢が現実的でないと思い始めたときに、靴屋になりたいという新たな夢ができました。ファッションへの興味はそこまであったわけではありませんが、靴には興味がありました。勉強はあまり得意ではありませんでしたが、部活を一生懸命取り組んだことは今につながっていると思います。この時期に自分の好きなことを頑張っていた経験があったから、ドイツでの修行時代を乗り越えられたと思います。

向き不向きよりも本当にやりたいかどうかが大事

Q7. どういう人がこの仕事に向いていると思いますか?

ものづくりが好きな人には楽しい仕事だと思います。僕は手先が不器用で、この仕事に向いていないと思うことが何度もありました。しかし向いていないと決めてしまったらそれで終わりです。向き不向きよりもそれを本当にやりたいかどうか、やりたいと自分が信じられるかどうかが大事だと思います。


Q8. 高校生に向けたメッセージをお願いします

夢中になって取り組めることを見つけることが大事だと思います。部活でも勉強でも、何か持続してやれるもの、途中で諦めないで取り組めるものが一つでもあれば、楽しい高校生活を送れるのではないかと思います。



「靴屋になりたい」という夢からライバルの少ない「整形くつ技術者」に注目し、日本で学べないならと本場のドイツに言葉も分からない状態で乗り込んだ大関さん。将来は地元で店を開いて足に悩みを抱える人のサポートをしていきたいそうです。気になるドイツでの滞在記については番外編でお聞きしました。そちらも必見です!


【profile】ergofoot!(株式会社御茶ノ水義肢装具) 大関悠人
https://www.ochasogu.com

この記事のテーマ
医療・歯科・看護・リハビリ」を解説

医師とともにチーム医療の一員として、高度な知識と技術をもって患者に医療技術を施すスペシャリストを育成します。医療の高度化に伴い、呼吸器、透析装置、放射線治療などの医療・検査機器の技師が現場で不可欠になってきました。専門的な技術や資格を要する職業のため、授業では基礎知識から医療現場での実践能力にいたるまで、段階的に学びます。

「医療・歯科・看護・リハビリ」について詳しく見る

この記事で取り上げた
「整形くつ技術者」
はこんな仕事です

足が不自由な人や変形などの悩みを抱える人のために、医学的観点から歩行補助・変形矯正のための靴をつくる仕事。シューズメーカーなどに勤務して業務にあたる。製作するのは、一人ひとりの状態に適合させたオーダーメイドの靴で、これらを「整形くつ」と呼ぶ。必須資格はないが、足の構造、疾患、歩行機能の仕組みといった人体に関わる専門知識・技術と、ファッションとしてのデザイン性に関わる専門知識・技術を兼ね備えている必要があり、医療福祉系の学校などで体系的に学ぶことが必要だろう。

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