【シゴトを知ろう】講談師 ~番外編~

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【シゴトを知ろう】講談師 ~番外編~

2017.05.22

提供元:マイナビ進学編集部

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【シゴトを知ろう】講談師 ~番外編~

30歳で講談と出会い、IT業界から日本の伝統芸能である講談の世界に飛び込んだ一龍齋貞寿(いちりゅうさいていじゅ)さん。「たった一度の人生、本当にやりたいことをやろう」と決心しての転身だったそうです。
講談師における師匠との関係や知られざる業界の裏側などを番外編としてご紹介します。

この記事をまとめると

  • 講談師は階級制。見習い、前座、二ツ目、真打になると一人前
  • 若手講談師には女性が多い!? 根性と気配りで夢をかなえている
  • 真打になってからが本当の勝負! 伝統芸能の継承のため熱い想いを持って技術を磨く

修行を積む中で、師匠や兄弟弟子と家族のような関係が築かれる

――一般の方が知らない業界用語や制度はありますか?

業界用語はたくさんあります。例えば、舞台に上がることを「高座に上がる」と言います。他にも、食べることを「のせる」、扇子は「かぜ」、てぬぐいは「まんだら」などと言いますね。数の数え方も独特で、1、2、3、4を「へい、びき、やま、ささき」と符丁(隠語)を使うんです。

落語と同じように階級があるのも特徴ですね。私が所属している講談協会では、入門後に届けを出すと「見習い」として3カ月間、それから「前座」となって3~6年間修業して、「二ツ目」になります。入門から12~15年くらい経つと「真打」に昇進します。
昇進する基準は、基本的に入門順ですね。まれに実力や人気がずば抜けている場合、抜てきされることもありますが、私が所属している協会では何十年も抜てきは無いと聞いています。
師匠はもちろん、協会の承認を得られなければ昇進はできませんが、真打ちになると一人前。以後、弟子が取れるようになり、寄席でトリを務められるようになります。
入門から13年目になる2017年4月、私も真打に昇進させていただくことになりました。


――講談師の業界における徒弟制度とはどんなものですか?

年齢は関係なく、入門した順に「香盤(こうばん)」と呼ばれる序列が決められます。入門したからには、師匠や先輩の言うことには逆らえないし、口応えもできません。もちろん、言い訳も許されません。

前座のうちは決まった休みがなく、私は週に3~5日のペースで師匠のお宅に通っていました。二ツ目に昇進してからは月に2回くらいですね。
どこへ行くにも師匠や先輩の荷物を持っていき、基本的に楽屋にいる間は動き回ります。食事もいつ取れるか分からず、自由な時間はほとんど無いと言っていいでしょう。その代わり、何か失敗をした場合は師匠や先輩方が全ての責任を取ります。いわば、親のような存在ですね。
決して楽ではありませんが、修業期間は長い間受け継がれている芸をただで教えていただいているようなもの。それに、ネタはもろんのこと、言葉遣いやマナー、観察眼など、修業生活の間で身に付いたものが、今の自分を作り上げていることを実感しています。

前職はIT企業やナレーター。講談の魅力に引かれ転身してくる人も多い

――講談師にはどのような方が多いですか?

さまざまですが、この時代に講談師になろうと思う人は、どこか偏屈だったり変わり者だったりすると思います(笑)。
親の後を継いで講談師になった人もいれば、私のように別の仕事から転身してきた人もたくさんいますよ。私の妹弟子は、元ナレーターです。
若手は女性が増えてきています。入門してくる数は男女ほぼ変わらないのですが、男性はなぜか長続きしないんです。女性には根性があって気配りができる子が多いかもしれませんね。


――仕事をする上で制限されていることはありますか?

師匠の家に頻繁に通うので、特に入門したばかりのころは師匠の家の近くに住んだ方がいいと思います。私は今も、師匠の家から電車で1本、30分以内の場所に住んでいますよ。
また、一般のお客さまと同じように料金を支払って同業者(講談、落語、浪曲など)の高座を見にいくことが制限されているため、講談師になってからの方が講談や落語を聞く時間が減りました。それがちょっと寂しいですね。

次の世代に講談を受け継ぐ橋渡しがしたい

――今後の目標を教えてください。

現在、講談師は100名もいないんです。若い世代はほんの一握りで、このままでは講談が廃れてしまうかもしれません。長い間受け継がれてきた伝統芸能を次の世代につなぐことが、私の使命だと思っています。
講談や落語には、それぞれの一門に代々伝わる「お家芸」と呼ばれるネタがあるのですが、その中には、今では私の師匠しかやらないネタもあります。現在、師匠の一番弟子は私なんです。もっと勉強が必要ですが、いずれはこの何百年と継承されてきた師匠のお家芸を受け継ぎたいという思いを持っています。

私は講談が大好きなので、高座に上がれるだけで本当にうれしいんです。私が死んでも、私が伝えた話は残る――そう考えると、すごくすてきな仕事ですよね。
真打に昇進することで形の上では一人前になりますが、むしろここからが本当の勝負だと思っています。来ていただいたお客さまの心に残る話ができるように、もっともっと腕を磨いていきます!


初めて講談を聴いた時に「恋に落ちた」一龍齋貞寿さん。入門してから13年たった今なお、その思いは変わらないとおっしゃっていました。
インタビュー中に印象的だったのは、「講談は生涯勉強。今日高座に上がれることは決して当たり前ではなく、日々全てのことに感謝です」という言葉。このような謙虚な姿勢を持ち続けられる方だからこそ、真摯に修業に取り組み、夢を一つずつ実現してこられたといえるでしょう。
一般企業に就職した場合、師匠の下で技術を磨く修業制度はありませんが、仕事をするために必要な事務能力や電話・メール対応能力、コミュニケーション力、専門技術などを身に付けるため、先輩や上司に教えを請う場面がたくさん出てきます。そのようなときには、謙虚な態度で話を聞き、素直に感謝する気持ちを忘れないようにしたいですね。


【profile】講談師 一龍齋貞寿(いちりゅうさい ていじゅ)

一龍齋貞寿オフィシャルブログ「じゅじゅぶろぐ」 http://ameblo.jp/teijyu/

この記事のテーマ
音楽・イベント」を解説

エンターテイメントを作り出すため、職種に応じた専門知識や技術を学び、作品制作や企画立案のスキル、表現力を磨きます。音楽制作では、作詞・作曲・編曲などの楽曲づくりのほか、レコーディングやライブでの音響機器の操作を学びます。舞台制作では、演劇やダンスなどの演出のほか、舞台装置の使い方を学びます。楽器の製作・修理もこの分野です。

「音楽・イベント」について詳しく見る

この記事で取り上げた
「講談師」
はこんな仕事です

寄席などで釈台と呼ばれる机の前に座り、張り扇で釈台をたたいて調子を取りながら、武芸ものや恋物語、怪談などを朗々と語る仕事。話者がそれぞれの登場人物になりきる落語と異なり、ストーリーテラーに徹するのが特徴だ。講談師になるには、落語家と同様、師匠に付いて修業を重ねる。「前座」「二つ目」を経て「真打」に昇進したところで一人前となり、修業期間に決まりはない。伝統話芸ではあるが、近年は時事問題や社会風俗などを題材にした新作に取り組む若手も増え、女性の活躍も目立っている。

「講談師」について詳しく見る