【シゴトを知ろう】講談師 編

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【シゴトを知ろう】講談師 編

2017.05.22

提供元:マイナビ進学編集部

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【シゴトを知ろう】講談師 編

皆さんは「講談」を知っていますか? 日本に古くから伝わる芸能の一つで、軍記や怪談など歴史にまつわる物語を読み上げるもの。落語よりも歴史が古く、水戸黄門や大岡越前、忠臣蔵など、おなじみの時代劇は講談を基に作られたものなんです。
今回は、IT企業に就職後28歳で講談と出会い、好きが高じて30歳の時に一龍齋貞心(いちりゅうさいていしん)さんに弟子入りした一龍齋貞寿(ていじゅ)さんに、講談師のお仕事の魅力について伺いました。

この記事をまとめると

  • 脚本作りから演出、語りまで一人で行う講談師。師匠の下で技術を磨く
  • 「本当にやりたいことをやろう」。IT関連企業から講談の世界へ
  • 50歳で入門した先輩も。夢に挑戦するのに年齢制限はないからこそ、今やりたいことに取り組もう

話が変化していく? 講談とは

Q1. 仕事概要と一日のスケジュールを教えてください

お客さまの前で「講談」を読む(*1)のが私たち講談師の仕事です。講談とは日本の伝統話芸の一つで、釈台(しゃくだい)と呼ばれる机の前に座り、張り扇(はりおうぎ)で釈台をたたきながら、実際にあった話や実在の人物などの話をリズミカルに読んでいきます。
落語との違いを分かりやすく言うと、落語はホームドラマ、講談はドキュメンタリーで、江戸時代には瓦版を読み聞かせることもあったりと、講談は現代のニュースやワイドショーの役割も果たしていたようです。

<ある一日のスケジュール>
13:00 楽屋入り(打ち合わせや着替えなど)
14:00 開演
17:00 終演(お客さま送り出し、着替え、片付け)
18:00 打ち上げ
23:30 帰宅(片付け、翌日の準備など)

*1 読む:講談は「話す」「語る」ではなく、「読む」という。


Q2. 仕事の楽しさ・やりがいはなんですか?

講談師は脚本作りから演出、語りまでを全て一人で行います。同じ話であっても、どこにポイントを置くかは人それぞれ。人となりや考え方など、よくも悪くもその人の全てが出てしまうのがおもしろいですね。
また、経験や年齢を重ねることで新しい視点が加わって、伝えたいポイントが変わってくることもあります。だから、同じ話を繰り返し語れば語るほど、どんどん変化していくんです。それこそが講談の魅力だと思っています。


Q3. 仕事で大変なこと・つらいと感じることはありますか?

落語もそうですが、講談は徒弟制度(*2)がある特殊な世界です。弟子入りした師匠の元に通ったり住み込んだりして、身の回りのお世話や雑用などをしながら少しずつ技術を磨いていきます。
初めのうちは収入も少ないですし、上下関係が大変かもしれません。でもその分、同期や先輩に助けていただくこともたくさんあるんですよ。

また、読む話の歴史的背景や当時の風習などの勉強は欠かせませんし、高座(講談の舞台)に上がる際は釈台や衣装など自分のものはもちろん、師匠や先輩の分も全て持ち歩くほか、自由に休憩時間が取れないため、体力が必要ですね。

*2 徒弟制度:優れた技術を持つ人物の下に弟子入りし、マンツーマンで技術を習得する制度。修業期間中は師匠の身の回りの雑用なども行う。

28歳で講談と出会い、その魅力に夢中になった

高座に上がるときや改まった場へは和服で。着付けはもちろん自分で行う

高座に上がるときや改まった場へは和服で。着付けはもちろん自分で行う

Q4. どのようなきっかけ・経緯でこの仕事に就きましたか?

私が初めて講談を知ったのは28歳の時でした。元々民話(*3)が大好きで、朗読グループに所属して、各地の児童館や老人ホームで民話の朗読をしていたのですが、その地方に伝わる話を取り上げようと思うと講談につながることが多かったんです。例えば栃木県だと、那須与一(*4)のことを掘り下げて調べると講談の『源平盛衰記』が基になっていることが分かったり。
そこで、いろんな民話の基になった講談とやらを聴いてみようと出かけたところ、あまりにもおもしろくて恋に落ちました(笑)。

当時、IT関連企業に勤めていたのですが、本当に忙しくて体調を崩して入院してしまったんです。やりがいがあったし、私でなければこの仕事はできないと思っていたのですが、入院してみるとそうではありませんでした。だったら、たった一度の人生、本当にやりたいことをやろうと決心したんです。

ただ、入門すると決めたものの、幼い頃から母子家庭で育ってきたので母が散々苦労をしてきたのを見ているし、将来が見通せない芸人になるとはすぐには言えませんでした。母を安心させるためにホームヘルパー1級(現・介護職員実務者研修)の資格を取得してから、講談を聴きに通っていたころから声をかけてくださっていた師匠の一龍齋貞心に30歳の時に入門しました。

*3 民話:日本各地で、民衆の間で伝承されている物語や伝説のこと。

*4 那須与一(なすのよいち):弓の名手。『源平盛衰記』や『平家物語』に描かれた源平合戦の屋島の戦い(香川県)において、海上で揺れる小船に掲げられた扇の的を弓で射抜いたエピソードで知られている。栃木県で誕生し、子ども時代を過ごしたとされている。


Q5. 大学では何を学びましたか?

短大の秘書科に進学しました。秘書として必要なビジネスマナーをはじめ、ワードやエクセルなどの基本的なパソコンスキルなどを学びました。当時は歴史が本当に苦手で……。講談師になると分かっていたら、歴史をもっと勉強したのにと悔やまれてなりません(笑)。
でも、ホームページ作成の知識やパソコンスキルはチラシ作りなどに生かせていますし、講談は上下関係がはっきりしている世界なので、ビジネスマナーを学んでおいてよかったと思います。


Q6. 高校生のとき抱いていた夢が、現在の仕事につながっていると感じることはありますか?

高校生の時は何も夢がありませんでしたが、本を読むことが大好きでした。映画やテレビのような映像を見るよりも、本を読んで、自分の頭の中で物語を空想するのが好きだったんです。
最近ではCGなど最先端技術によってどんな世界でも映像にできるようになりましたが、自分の頭の中以上に自由自在に映像を作り上げることはできないと思います。
今は私が話を読んで、お客さまに物語を思い描いていただいています。高校時代に本を読みながらさまざまな空想をしていたことが、講談師の仕事にたどり着いた理由の一つかもしれません。

想定外の未来だって訪れる! 未来につながる今を大切に過ごそう

Q7. どういう人が講談師に向いていると思いますか?

体力のある人、へこたれない人、文章を読むことや書くことが好きな人、歴史が好きな人、人前で話すのが好きな人といろいろとありますが、何よりも講談が好きであることが一番大事だと思います。


Q8. 高校生に向けたメッセージをお願いします

高校生の時、講談について全く知りませんでした。当時の私は、進学して、会社に入って、いつかは結婚して……というごく普通の未来を思い描いていたので、自分がこのような仕事に就くとは想像もしていませんでした。

だから、現時点で将来なりたいものが見えていないとしても、焦る必要はありません。でも今、やりたいと思っていることがあるのなら、人に迷惑をかけたりしない限りなんでもやってみたらいいと思います。
やりたいことが特にないのであれば、勉強したり、友達と遊んだり、恋をしたり、毎日をありのままに過ごしてください。今あなたが生きている毎日が未来につながります。今の毎日の延長線上に未来のあなたがいるのです。

私は30歳で生き方を変えましたが、先輩の中には50歳で入門した方もいます。やりたいことに挑戦するには、いくつになっても遅すぎることはないし、全ての経験が後に生かされるはずですよ。


落語と違って、日頃テレビで目にする機会が少ない講談。徒弟制度が厳しそうに感じられますが、修行があるからこそ師匠や先輩方との絆が強くなるそうです。
講談は演芸ホールなどで定期的に開催されているほか、いろいろな講談師の独演会も開催されています。落語は好きだけど講談は見たことがない人や伝統芸能の世界に興味がある人は、足を運んで講談の魅力にふれてみてはいかがでしょうか。


【profile】講談師 一龍齋貞寿(いちりゅうさい ていじゅ)

一龍齋貞寿オフィシャルブログ「じゅじゅぶろぐ」 http://ameblo.jp/teijyu/

この記事のテーマ
音楽・イベント」を解説

エンターテイメントを作り出すため、職種に応じた専門知識や技術を学び、作品制作や企画立案のスキル、表現力を磨きます。音楽制作では、作詞・作曲・編曲などの楽曲づくりのほか、レコーディングやライブでの音響機器の操作を学びます。舞台制作では、演劇やダンスなどの演出のほか、舞台装置の使い方を学びます。楽器の製作・修理もこの分野です。

「音楽・イベント」について詳しく見る

この記事で取り上げた
「講談師」
はこんな仕事です

寄席などで釈台と呼ばれる机の前に座り、張り扇で釈台をたたいて調子を取りながら、武芸ものや恋物語、怪談などを朗々と語る仕事。話者がそれぞれの登場人物になりきる落語と異なり、ストーリーテラーに徹するのが特徴だ。講談師になるには、落語家と同様、師匠に付いて修業を重ねる。「前座」「二つ目」を経て「真打」に昇進したところで一人前となり、修業期間に決まりはない。伝統話芸ではあるが、近年は時事問題や社会風俗などを題材にした新作に取り組む若手も増え、女性の活躍も目立っている。

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