【シゴトを知ろう】美術デザイナー 編

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【シゴトを知ろう】美術デザイナー 編

2017.06.01

提供元:マイナビ進学編集部

【シゴトを知ろう】美術デザイナー 編

演劇やコンサートなどの舞台装置全般(大道具)の企画制作を行う美術デザイナーは「舞台美術家」と呼ばれます。子どもの頃からダンボールでいろいろなものを作ることが好きだったという門馬雄太郎さんですが、今の仕事に就いたのは“成り行き”だったそうです。一体どんな経緯だったのでしょうか。

この記事をまとめると

  • プレゼン方法は手書きの絵・CADデータ・模型などさまざま
  • 小劇場の仕事はスタッフの一体感が強い
  • 相手(演出家や役者など)の立場で考えることが求められる

イメージ画の提案から始まり、製作・設営・撤去までを行う

イメージ画と実際の舞台

イメージ画と実際の舞台

Q1. 仕事概要と一日のスケジュールを教えてください

演出家の演出意図に沿って舞台セットのイメージを提案し、大道具を作っています。企画だけ担当して製作は外注する美術家の方もいらっしゃいますが、僕は自分で作ったほうがラクで楽しいのでそうしています。数千人規模の劇場では難しいですが、僕が主に手がけている小劇場の舞台ならそれができますし、役者さんと近い距離で仕事ができることも自分には合っているなと感じています。

仕事は舞台演出家・作家・プロデューサー・制作会社などから声がかかることが多いです。役者さんや舞台監督、照明スタッフの方から推薦してもらえることも。大体は公演の1~2カ月前くらいに最初の打ち合わせをします。僕の場合は最近だとその場でタブレットに絵を描いてイメージをすり合わせるようにしています。1カ月前には平面図を提出しますが直前変更も多いので、セットの製作を始めるのは1~2週間前くらいからです。大体は公演初日の2日前に劇場入りしてセットを立て、その後役者さんに実際にセットに立ってもらって不具合があればその場で修正もします。舞台が終わったら撤去して終わりです。

図面は「Vectorworks」という汎用CADソフトで描いています。平面図から3Dに変換することもできるのでプレゼンの際にも便利ですが、場合によっては模型を作ったり、鉛筆でイメージ画を描く時もあります。ソフトの使用は必須ではありませんが、使っている人が多く共有もしやすいので、相手のためということもあります。

一日のスケジュールは、設営の日は朝9時頃に劇場に入り、休憩を取りながら夜9時頃まで設営をします。プランニングや打ち合わせだけの日もありますし、借りている倉庫で大道具を製作する日が割合多いです。

Q2. どんなときに仕事の楽しさ・やりがいを感じますか?

セットを見た関係者の人たちに「すごい!」と言ってもらえたときですかね。特に役者さんに「芝居しやすかったです」と喜んでもらえるとうれしいです。それが一番ですが、大変な現場を乗り越えたときの達成感もたまらないですね。大変な現場というのは、舞台演出家の要求レベルが高かったり、前代未聞のリクエストを出されたときです。例えば映画の『エイリアン2』に出てくるエイリアン・クイーンのようなものを作ってくれと言われたことがありました。大変でしたがエイリアンを動かす装置を自主的に作るほどのめり込みました(笑)。僕は飽きっぽい性格なのですが、今の仕事はそうした難題も含め、毎回違うことに取り組める楽しさがあるので飽きることがありません。
また、予算やスケジュールが限られている中でうまくアイデアを出して作れたときの喜びも非常に大きいです。たまに、演出面でも設営の効率面からも良くなるアイデアを、作っている最中に思いつくことがあるのですが、それもすごくうれしいです。


Q3. 仕事の大変さを感じるのはどんなところですか?

予算や納期が厳しいときもありますが承知した上で引き受けるので、それにつらさを感じたとしたら自分の作戦負けということ。悪いのは準備不足だった自分です。それ以外でどうにもならないのは対人面の大変さですね。特に初めて仕事をするクライアント(依頼主)には気を使います。その辺は一般の会社員の方の苦労と同じだと思います。

舞台で一番怖いのは役者さんがセットでケガをしてしまうことです。演出家の方が希望するセットは必ずしも役者さんにとって優しくないこともあるため、役者さん視点で意見をすることもあります。逆に僕が作ったプランが「役者に優しすぎる」と演出家の方に言われたこともあります。確かに役者さんにとって少し不便なほうが芝居がよくなることもあるので、どちらが良いとは一概にはいえませんね。

ドラマの大道具から舞台美術の道へ転向

セットを細かく作るのは朝ドラの大道具操作の経験から

セットを細かく作るのは朝ドラの大道具操作の経験から

Q4. どのようなきっかけでこのお仕事に就きましたか?

高校卒業後に映画の仕事がしたいと思い、何の当てもありませんでしたが福島から上京しました。映画の仕事は見つかりませんでしたが、大道具の会社の求人情報を見つけて興味を惹かれました。NHKの朝ドラの大道具操作などをしている会社で、きっと勉強になるだろうと思い、面接を受けて入社しました。もともと日曜大工が好きだったこともあり、同じ気質の人に囲まれて居心地が良く、仕事も楽しかったです。

その会社の先輩に舞台美術の仕事もしている人がいて、僕も手伝いに行くようになったのですが、自分が作ったものを役者さんに喜んでもらえることがうれしくて。それまではただ作るだけで楽しかったのですが、何のためにやるのかと考えるようになると、お客さんの顔が見えてスタッフとの一体感を感じられる小劇場の舞台美術の仕事をしていきたいと思うようになりました。もともと映画の仕事に就きたかったのも、映画館に観に来るお客さんの顔を一望できることに魅力を感じていたからでした。その後舞台の仕事の依頼が増え、独立して今に至ります。


Q5. この仕事に就くために学んだことはありますか?

大道具の会社に入る前に1年ほど居酒屋で働いていたことがあります。厨房もホールも経験し、苦手だった対人スキルはこのときに身につきました。そのときにためたお金でパソコンやソフトを買い、独学で使い方を覚えましたが、今の仕事の基礎は現場で覚えたことばかりです。この仕事は学校で教わって身につくことは少ないかもしれません。でも学校に行くと、その後の仕事に生きる人脈を作れるという利点があります。実際に多くの美術家や演出家は大学時代の劇団のつながりで仕事をしています。仲間もできるし最初の取っ掛かりという意味では良いのかもしれませんね。


Q6. 高校生のとき抱いていた夢や経験したことが、現在のお仕事につながっていると感じることはありますか?

高校生の頃は3日に1回くらい部屋の模様替えをしていました(笑)。ペンキを買ってきて壁の色を塗り替えたこともありますが、それが今につながっているかもしれませんね。祖父自慢の床柱(とこばしら)を勝手に塗り替えたときはさすがに怒られましたが……(笑)。

成り行きも大事

Q7. どういう人がこの仕事に向いていると思いますか?

僕のようなスタイルで仕事をするなら、作るのが好きな人ですね。表側のきれいな部分だけを見てこの世界に入ってくる人は多いですが、作ることが苦手で辞めていく人も多いです。僕の場合は作る過程が好きで、その結果が今の仕事でした。お芝居をする空間ですから、ただかっこいいものを作ればいいというわけではありません。演出家の意図をくみつつ、役者の使い勝手も考えないといけないので、相手の立場で考えることも大切です。


Q8. 高校生に向けたメッセージをお願いします

ちょっと違うなと思ったことでも、何でもやってみるといいと思います。向いているからそこに至ったのでしょうから、成り行きも大事だと思います。それと高校生の頃に経験したことは部活でも何でも、全てが糧になります。僕も無駄になったことは一つもありませんでした。自分もそうでしたが、高校生の頃に人見知りだったとしても大人になって変わる人はたくさんいますから、人とのつながりを大切にしてください。



高校生の頃は映画の仕事に憧れていた門馬さんですが、たまたま求人サイトで見つけた大道具や舞台美術の仕事は、子どもの頃から好きで得意だったことを生かせる仕事でした。そこから人のつながりで舞台美術の仕事に巡り合い、まさに「成り行きも大事」ということが伝わるお話でしたね。


【profile】舞台美術 門馬雄太郎

この記事のテーマ
音楽・イベント」を解説

エンターテイメントを作り出すため、職種に応じた専門知識や技術を学び、作品制作や企画立案のスキル、表現力を磨きます。音楽制作では、作詞・作曲・編曲などの楽曲づくりのほか、レコーディングやライブでの音響機器の操作を学びます。舞台制作では、演劇やダンスなどの演出のほか、舞台装置の使い方を学びます。楽器の製作・修理もこの分野です。

「音楽・イベント」について詳しく見る

この記事で取り上げた
「美術デザイナー」
はこんな仕事です

芝居の脚本、アーティストや曲のイメージ、歌詞の世界観、イベントなどの演出プランを生かす舞台装置全般(大道具・小道具)を創造する仕事。演劇、舞踏、コンサート、テレビ番組、ミュージックビデオ、スポーツイベントや展示会と、カバーする範囲は広い。デザイン力はもちろん安全性・耐久性、衣装とのバランスや照明効果、予算への配慮が求められる。舞台装飾科やインテリアデザイン科を卒業後、舞台制作会社に就職するケースが多く、とくに資格は無いが、コンピュータで3D(CADデザイン)図を描けると有利。

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