【シゴトを知ろう】和紙職人 編

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【シゴトを知ろう】和紙職人 編

2017.05.10

提供元:マイナビ進学編集部

【シゴトを知ろう】和紙職人 編

日本古来の手法でつくられる「和紙」。書道の半紙や手紙を書く際の便せんなど、皆さんも和紙を使った経験はあると思います。今回お話を伺ったのは、和紙職人の谷野裕子さん。「紙すき」のイメージが強い和紙づくりのあまり知られることのない裏側や、職人を目指すようになったきっかけなど、お仕事についてさまざまなことを聞かせていただきました。

この記事をまとめると

  • 和紙職人の「紙をすく」作業は、作業全体の10分の1にも満たない
  • 和紙を使う人が喜んでくれたとき・イメージに合う提案ができたときがうれしい
  • 好奇心旺盛で工夫ができる、頭が柔らかい人が職人に向いている

和紙づくりは自然が相手・きちんと取り組んだらそれに応えてくれる

Q1. 最初に、和紙職人のお仕事についてと、一日のスケジュールを教えてください。

和紙職人というと、*紙すきをしているイメージが一番に浮かぶ人もいるかもしれませんが、紙すきは全体の作業の10分の1にも満たないのです。加えて紙すきは冬場の仕事なので、その他の季節は農家のようなものです。和紙の材料の収穫や、そのための畑の管理も行っています。私は通常9時から仕事をしていますが、夏の草刈りや冬の刈り取りなど、畑作業は早朝に行う場合もあります。

<一日のスケジュール>(紙すきを主に行う冬場の場合)
9:00 打ち合わせ後、紙すき・和紙の加工作業の開始
12:00 休憩・昼食
13:00 作業再開
17:00 終業
(※お客様との打ち合わせ、学校などでの指導を行う日もある)

*紙すき……紙の材料を薄く平らに成形すること。


Q2. お仕事をされる中で、やりがいや楽しさを感じるのはどんなときですか?

和紙づくりは自然が相手なので繊細な作業も多いのですが、きちんと取り組めばそれに応えてくれるので、やりがいを感じます。
作った和紙をお客様が喜んでくれたり、書画の作家さんからステキな作品に仕上がった・使いやすかったと言われたりするとうれしいですね。
また、インテリア素材としての和紙も手掛けていますので、ご注文いただいた方からイメージが実現できたと言われた時などは、制作の疲れが喜びに変わります。


Q3. お仕事の中で大変さや苦労を感じるのはどんなときでしょうか?

大変なことも結構あるはずなのですが、結果良ければ全て良し、お客さんが喜んでくれたらつらさは忘れてしまいます。ただ冬場の作業が多いので、寒さに耐えることと体力は必要ですね。

紙の産地に出合ったことが、和紙職人を目指すきっかけに

Q4. 和紙職人を志すようになったきっかけを教えてください。

以前勤めていた会社が埼玉県にあったのですが、仕事の気分転換にドライブをしているときに和紙の産地に出合いました。和紙は以前から使っていたのですが、本当に作っている人がいることや、産地があることに驚きました。作る人がいるのは当たり前なのに、なぜだか衝撃を受けたんです。
また、すきあげられた和紙のあまりの美しさに魅了され、弟子入りを希望しましたが、そのときは受け入れていただけませんでした。
その後も諦められずにアンテナを張っていたところ、県の「後継者育成事業」を見つけ応募しました。そちらで和紙について学び、今に至ります。


Q5.今のお仕事に就くため、どのようなことを学びましたか?

まず、研修生として5年間、紙づくりの基礎から学び、途中からは「細川紙技術者協会」(国重要無形文化財・ユネスコ無形文化遺産)に所属しました。現在でも日々、研究と勉強を続けながら仕事をしています。


Q6. 高校生のとき抱いていた夢が、現在の仕事につながっていると感じることはありますか?

高校生の時は伝統工芸についてほとんど知りませんでしたが、ものを作ることは好きだったように思います。その点では、好きなことが今につながっているかもしれません。

時間がかかっても、一つひとつ取り組んだほうが確実

Q7. どういう人が和紙職人に向いていると思いますか?

和紙職人に限らず、職人は好奇心旺盛で工夫ができる、頭が柔らかい人が向いていると思います。道具の使い方や作り方を早く覚えるには、素直さも大事ですね。


Q8. 高校生に向けたメッセージをお願いします

高校生のうちから将来を決めるのは難しいと思いますが、多くの活動や人との出会いを通じて、自分の引き出しが多く作れるといいですね。
また、これは私自身の経験から実感していることですが、思い描いたことがダメでも、だからこそ必ず出会えるものがあります。
焦って一気にいろいろと手を広げたくなることもあると思いますが、時間がかかっても、一つひとつ取り組んだほうが確実に成長できますよ。

和紙づくりにおいて紙すきを行うのは冬場が主、そして全体の作業から見ればそれは10分の1にも満たないという事実には、驚いた人も多いのではないでしょうか。
社会人になってから和紙職人の道を目指し、現在は高校生への指導もされている谷野さん。偶然の和紙との出合いが今のお仕事のきっかけとなった谷野さんの言葉どおり、いろいろな経験を通して自分の引き出しを多く作っていくことが、将来の可能性も広げてくれそうですね。


【profile】和紙職人 谷野裕子
谷野さんのWebサイトはこちら

この記事のテーマ
デザイン・芸術・写真」を解説

デザインは、本や雑誌、広告など印刷物のデザイン、雑貨、玩具、パッケージなどの商品デザイン、伝統工芸や日用品などの装飾デザインといった分野があり、学校では専門知識や道具、機器を使いこなす技術を学びます。アートや写真を仕事にする場合、学校で基礎的な知識や技術を身につけ、学外での実践を通して経験やセンスを磨きます。

「デザイン・芸術・写真」について詳しく見る

この記事で取り上げた
「和紙職人」
はこんな仕事です

2014年、ユネスコ無形文化遺産に登録され、世界から注目を集める和紙。和紙職人は、日本古来の技法にのっとって和紙づくりを行う。楮(こうぞ)、三椏(みつまた)などの植物を原料とし、一枚ずつ伝統的な手漉きの技法でつくり出している。優美さと強靭さを備えた紙質は吸湿性にも優れており、障子や襖、書家用紙、封筒やランプシェードなど、幅広い用途に用いられている。この仕事に就くには、島根の「石州和紙」、岐阜の「美濃和紙」、ほかに全国各地に分布している産地で活動する職人に弟子入りし、技術を学ぶのが一般的だ。

「和紙職人」について詳しく見る