【シゴトを知ろう】誘導馬騎手 編

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【シゴトを知ろう】誘導馬騎手 編

2017.05.08

提供元:マイナビ進学編集部

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【シゴトを知ろう】誘導馬騎手 編

競馬場で競走馬たちの先頭に立ち、パドック(*1)からレースが行われる本馬場(*2)まで誘導して歩く誘導馬。その誘導馬に騎乗する騎手は、来場者の注目を集める華やかなお仕事です。騎手になるには乗馬の技術のほか、馬に関する知識なども必要になるのでしょうか。川崎競馬場で誘導馬騎手を務める遠山裕香里さんにお話を伺いました。

*1 パドック:競馬場にある、レース前に出走馬を歩かせて観客に見せる場所
*2 本馬場:競馬のレースが行われるコースのこと

この記事をまとめると

  • 誘導馬とは、競馬場で競走馬をパドックから本馬場まで誘導する馬のこと
  • 運動させたり気分を落ち着かせたりして馬が暴れないよう気を使う
  • 動物を相手にする仕事だからこそ、責任感と気の強さが必要

誘導馬の衣装にはお客さんに楽しんでもらうための工夫も

Q1. 仕事概要と一日のスケジュールを教えてください

誘導馬とは、競馬場でのレースの前に競走馬たちを先導する馬のことです。出走前の競走馬を下見するパドックからレースが行われる本馬場まで競走馬を誘導し、馬たちを落ち着かせるのが誘導馬の役割。私は川崎競馬場で、その誘導馬に騎乗する騎手を務めています。
レースが開催される5日間は、朝から夜までほとんど馬に付きっきりになります。誘導馬騎手は、中央競馬の場合は日本中央競馬会(JRA)の職員が務めますが、川崎競馬場のような地方競馬では地方競馬主催者から委託を受けた乗馬クラブのスタッフが行うことがほとんど。私もレースがない時は乗馬クラブでインストラクターをしています。

<一日のスケジュール> ※ナイター競馬開催日の場合
7:00 誘導馬の餌やり
8:00 誘導馬の運動、馬房(馬の部屋)の掃除
11:30 誘導馬の餌やり
12:00 昼食、身支度など
14:00 誘導業務(12レース)、レースの合間に馬の世話など
21:00 誘導業務終了、夕食
22:30 馬の様子などをチェックして勤務終了


Q2. 仕事の楽しさ・やりがいは何ですか?

今私が騎乗している誘導馬は、ほとんどが元競走馬です。お客さんが誘導馬に会いに来てくれたり、誘導中にその馬の名前を呼んでくれたりすると、「競走馬時代に応援してくれていたんだな。かわいがってもらっていたんだな」と幸せな気持ちになりますね。
また川崎競馬場では、お客さんに楽しんでもらうために、誘導馬の装飾にさまざまな工夫を凝らしています。クリスマスシーズンにはトナカイやサンタクロース、夏には浴衣風衣装など、季節に合わせたコスプレをすることもあるんですよ。誘導馬の衣装を楽しみにしてくださっているお客さんも多く、「かわいい」と喜んでもらえるとうれしいです。


Q3. 仕事で大変なこと・つらいと感じることはありますか?

馬は生き物なので、時には機嫌が悪かったり暴れてしまったりすることもあります。一番避けなければいけないのは、そのレースに出走する競走馬に迷惑をかけてしまうこと。午前中の運動時間にしっかり気分を発散させて、誘導時に落ち着いて歩けるように気をつけています。騎乗した時に馬の気持ちを感じ取ってあげることも大切ですね。驚いてもすぐにおとなしくなる馬や緊張しやすいタイプなど、人間と同じように馬も一頭一頭性格が違います。「今日は馬が少しピリピリしているな」と感じたら、それぞれの性格に合わせて落ち着かせるための配慮が必要です。

子どもの頃から乗馬を続け、馬に対する恐怖心が徐々に愛情へ

Q4. どのようなきっかけ・経緯でその仕事に就きましたか?

小学生の時おばと一緒に乗馬を始めました。当時は楽しさよりも、馬の大きさや落馬に対する恐怖心の方が大きかったように思います。子どもの力では馬を上手にコントロールすることができず、馬が暴れてしまうと止まるまでしがみつくか落馬するしかないんです。でも「途中でやめるのはイヤだ」という気持ちで乗馬を続けていました。その後進学した中学校には珍しく馬術部があり、先輩に誘われて入部。その頃から徐々に落馬も少なくなり、「怖い」という感情もなくなりました。部活の後に馬の世話をするのが楽しくて、馬をかわいいと思うようになってきたんです。高校生になっても乗馬クラブで毎日のように馬に乗り、「馬と一緒にいられる仕事に就きたい」と考えるようになりました。


Q5. 専門学校では何を学びましたか?

進路について考えていた高校生の時、専門学校の情報誌をパラパラとめくっていたら、馬の写真が載っているページに目が止まったんです。直感で「ここに進学しよう」と決め、動物の専門学校の乗馬インストラクターコースに進みました。馬について全般的に勉強し、週に数回乗馬クラブで馬の世話をする実習などもありました。


Q6. 高校生のとき抱いていた夢が、現在の仕事につながっていると感じることはありますか?

高校時代には、通っていた乗馬クラブで、子ども向けポニーの引き馬体験などのお手伝いもさせてもらっていました。そのような経験の中で、自然と「将来は乗馬のインストラクターか馬の世話をする仕事に就きたい」と考えるようになりましたね。子どもの頃からずっと馬に関することばかりやってきたので、他にイメージがわかなかったんです。乗馬クラブ以外では、「動物園や観光牧場で働くのもいいな」などと考えていました。

馬は人をよく見ている。時には毅然とした態度も必要

Q7. どういう人が誘導馬騎手の仕事に向いていると思いますか?

馬は言葉を話すことができません。でも「何も言わないから手を抜いてもいいや」と考えてしまうと、それは全て馬たちに悪い結果として現れてしまいます。話せない動物相手だからこそきちんと馬の気持ちを考えられる、責任感の強い人が向いていると思います。
また馬はとても賢い動物で、騎手のことをよく見ています。「この人の言うことを聞こう」と思わなければ、相手によって態度を変えることもあるんです。馬は体が大きく力も強いので、立場関係をはっきりさせておかないと危険なこともあります。馬をかわいいと思うだけでなく、叱らなければいけない時は本気で叱る気の強さも必要ですね。


Q8. 高校生に向けたメッセージをお願いします

私は子どもの頃に始めた乗馬がきっかけで、他の職業について考えないまま現在の仕事に就きました。今好きなことや熱中していることがあって、それを将来の仕事にしたいと考えるなら、ぜひ挑戦してみてほしいと思います。もし今は夢中になれることがない場合は、少しでも興味があることをいろいろやってみてください。経験の中で好きなことが見つかり、その道を突き進むことができれば、きっと楽しみながら仕事ができるのではないかと思います。


地方競馬の場合、ほとんどが地方競馬主催者から委託を受けた乗馬クラブのスタッフが務めるという誘導馬騎手。遠山さんも、競馬場でのレースが行われない時は、乗馬クラブでインストラクターとしてレッスンを担当しているそうです。きっと普段から馬に接しているから、馬の気持ちを思いやることができるのですね。テレビなどで競馬のレースを見る機会があったら、競走馬たちの前を歩く誘導馬の存在にも注目してみてはいかがでしょうか。


【profile】川崎競馬場 誘導馬騎手 遠山裕香里

この記事のテーマ
動物・植物」を解説

ペットなど動物や観賞用の植物に関わり暮らしに潤いを提供する分野、食の供給や環境保全を担う農業・林業・水産業などの分野があります。動物や植物の生態や生育に関する専門知識を身につけ、飼育や栽培など希望する職種に必要な技術を磨きます。盲導犬や警察犬、競走馬、サーカスの猛獣などの調教・訓練や水族館や動物園で働く選択肢もあります。

「動物・植物」について詳しく見る

この記事で取り上げた
「誘導馬騎手」
はこんな仕事です

競馬場において、出走前の競走馬を下見する場所であるパドックから、実際にレースが行われる馬場までの間、先頭に立って競走馬たちを誘導する馬を誘導馬と呼ぶ。その誘導馬に騎乗するのが誘導馬騎手である。基本的には競馬場の職員、もしくは乗馬クラブのインストラクターなどが騎乗する。誘導馬は元競走馬がなることが多く、まずは競走馬時代のクセや自分から走り出そうとする習慣を変え、何事にも動じることなく基本的な動作を手順通りに行えるように訓練することも重要な仕事である。

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