【シゴトを知ろう】厩務員(きゅうむいん) ~番外編~

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【シゴトを知ろう】厩務員(きゅうむいん) ~番外編~

2017.05.08

提供元:マイナビ進学編集部

【シゴトを知ろう】厩務員(きゅうむいん) ~番外編~

体も心も繊細な競走馬の世話や調教を担当する厩務員(きゅうむいん)のお仕事。「馬が好き」という気持ちだけでは続けられない大変な仕事ですが、突き抜けて「馬が好き」という気持ちがモチベーションになる仕事でもあります。川崎競馬の山崎裕也厩舎で働く厩務員の松本美寿さんに、厩務員のなり方や厩舎での裏話を伺いました。

この記事をまとめると

  • 厩務員になるには馬の生体についての知識も必要
  • 気の強い競走馬を扱うため危険も伴う
  • 調教師を目指す人もいれば、馬と距離の近い厩務員の仕事を続ける人もいる

競走馬と一般の馬では気性が全く違う

――厩舎での業界用語のようなものはありますか?

調教師のことを「テキ」と呼びます。レースで馬に乗る人のことをジョッキー(騎手)と言いますが、調教師は「騎手」を逆にして「手騎(テキ)」なんです。内部の人にしか分からない言葉ですね。

普段の会話で競馬用語を使うこともよくあります。例えばレースでスタートに失敗して遅れをとった馬のことを「出遅れ」と言うのですが、遅刻してきた人のことを「あいつ出遅れてきたな」などと言います。また「最初から」を「テンから」と言うのですが、「あいつ今日はテンから張り切っているな!」のような使い方をします。


――厩務員さんならではの職業病のようなものはありますか?

私だけかもしれませんが雑貨屋さんで馬柄の小物を見るとつい買ってしまいます(笑)。あとは仕事がない日でも夜は早くに寝てしまいます。ドラマなども見ないので世間からは取り残されていますね……。


――厩務員になるにはどうしたらよいのでしょうか

私は大学の獣医学部を出て今の厩舎に入りましたが、それは稀なケースです。一般的には生産牧場や育成牧場で働いて、たくさんの競走馬に触れる経験が必要です。そのため牧場で2〜3年の経験を積んでから厩舎に来る人が多いですね。また厩務員になるには馬の体の仕組みについての知識も必要です。私は大学でそれを学びました。


――松本さんは大学の授業や、高校・大学時代に所属していた馬術部でも馬に触れてきたそうですが、競走馬の世話の仕方はそれとは違うものなのでしょうか

全く違います。競走馬は気性が荒くて危険なんです。いきなりカッとなって何をするか分からない馬もいます。乗用馬は100%安心して世話ができましたが、競走馬は危険があるという前提で接しないといけません。私も一度救急車で運ばれたことがあります。馬がいきなり覆いかぶさってきて圧迫されて気絶してしまったんです。厩舎で働き始めたばかりの頃で、常に危険と隣り合わせの仕事であることを身をもって学んだ出来事でした。

エサも全く違い、競走馬にはすぐにエネルギーになるものを食べさせないといけません。毎日200メートルを18秒で走るようなトレーニングをしているので、レーザーやマイクロ波を当てて筋肉をほぐすといった陸上の短距離選手のような治療も行っています。

女性厩務員で集まって女子会を開くことも

――厩務員のキャリアの積み方にはどのようなパターンがありますか?

より上の立場で管理をしたい人は調教師を目指しますが、ずっと馬と近い距離にいたくて厩務員を続ける人もいます。私はまだ2年目ですが、馬とコミュニケーションを取りながらレースという目標に向かっていくことが好きなので、今後も厩務員として働いていきたいなと考えています。


――女性の厩務員さんというのは珍しいのでしょうか

珍しいですね。川崎競馬では約200人の厩務員が働いていますが女性は6人くらいしかいません。所属している厩舎は異なりますが、人数が少ないため結束が強いです。休みの日に女子会をしてガス抜きすることもあります(笑)。女性同士分かり合えることが多いのでみんな仲が良いです。


――厩務員さんにはどんな性格の人が多いですか?

基本的には変わり者が多いですね(笑)。でもしっかりしていますよ。あとは馬に限らず動物が好きな人が多いですね。厩舎のある敷地内にはみんなで飼っている猫がたくさんいます。見た目は怖そうな人もいますが気の優しい人たちばかりです。
厩舎に就職することを決めたときに「男性ばかりのところへ行くのは危ないんじゃないか」「勝負の世界だから気が短い人もいるのではないか」と周りに心配されることもあったのですが、入ってみると全くそんなことはありませんでした。


――女子会のお話もありましたが、他の厩舎の厩務員さんとも交流があるのでしょうか

厩舎が立ち並ぶトレーニングセンターは一つの町のようなもので、みんな顔見知りです。ただレースとなるとライバルですから、競馬場で会っても目を合わせなかったり普段と雰囲気は変わります。でも厩舎に戻ってきたらいつもの調子で「すごかったじゃん!」「負けちゃったよー」と言葉を交わしたりしています。

――勝負の世界にはやはり厳しさもあるものでしょうか

そうですね。特にレースに向けて馬を最高の状態に持っていくことに気を使います。レースの前に最高の状態が来てしまうと必ず後で調子を落としてしまうので、レース直前にピークが来るよう調整しないといけません。それ以外の時期はあえて調子を落とすまではいかなくても、そこそこに留めて徐々に上げていくのですがこれが難しいんですね。でもやはりレースがあってこその仕事ですから、目標に向かって取り組めることにやりがいを感じています。


大学卒業後に動物病院への内定を断ってまで大好きな馬といられる仕事を選んだ松本さん。馬の魅力を尋ねたところ「体は大きいけれど心は優しいところ」だそうです。その癒やしがあるから大変な仕事でも頑張れるようです。動物に関わるお仕事はハードな面も多いですが、それを超えるほど動物が与えてくれる癒やしの力というのは大きいのでしょうね。


【profile】川崎競馬 山崎裕也厩舎 厩務員 松本美寿(まつもと みこと)
山崎裕也厩舎HP:http://yamazaki-stable.wixsite.com/kawasaki

この記事のテーマ
動物・植物」を解説

ペットなど動物や観賞用の植物に関わり暮らしに潤いを提供する分野、食の供給や環境保全を担う農業・林業・水産業などの分野があります。動物や植物の生態や生育に関する専門知識を身につけ、飼育や栽培など希望する職種に必要な技術を磨きます。盲導犬や警察犬、競走馬、サーカスの猛獣などの調教・訓練や水族館や動物園で働く選択肢もあります。

「動物・植物」について詳しく見る

この記事で取り上げた
「厩務員(きゅうむいん)」
はこんな仕事です

調教師の指導の下、競走馬の生活する厩舎で馬の世話をする仕事である。具体的には、エサを与えたり、馬の寝起きする場所である馬房(ばぼう)を掃除したり、寝床のわらを取り替えたり、身体を洗ってブラッシングを行ったりする。また、馬がベストコンディションでレースに出場できるように、調教師のつくったメニューに基づいて、毎日の健康管理からレース直前の競馬場での付き添いまでを担当する。馬の最も近くで面倒を見る大切な役割である。将来的には調教師をめざすこともできる。

「厩務員(きゅうむいん)」について詳しく見る