【シゴトを知ろう】国土地理院で働く人 ~番外編~

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【シゴトを知ろう】国土地理院で働く人 ~番外編~

2017.05.02

提供元:マイナビ進学編集部

【シゴトを知ろう】国土地理院で働く人 ~番外編~

みなさんも小学校のときに使っていた「地図帳」。その大元の地図を作っている機関が国土地理院です。一体どんな人たちが働いているところなのでしょうか。そして地図を作る以外にはどんな仕事があるのでしょうか。国土地理院の早坂寿人さんにお話を伺いました。

この記事をまとめると

  • 国土地理院の地図は正確で更新が早い
  • 地図や測量に関する国際会議や国際協力のため海外出張の機会もある
  • 空中写真撮影などの技術を生かして災害復興や防災に協力することも

物事を深く掘り下げる人が多いかも

――国土地理院で働く人にはどんなタイプの人が多いですか?

旅行、ドライブ、バイク、登山が好きな人が多いかもしれません。また、地理に関わる仕事ですから世間一般に比べて、地図、鉄道、道路、地形等の“地理”だったり、かなり専門的な世界への関心の高い人が比較的多いのかなと思います。個人的には趣味が深くて濃い話は好きなので、楽しませていただいています(笑)。


――独特の用語が飛び交うこともあるのでしょうか

例えば、位置情報を取得するときにみなさんは「GPS」という言葉を使いますよね。でもGPSはアメリカが運用している衛星測位システムの名称で、他の国々も同じように衛星を打ち上げて運用しています。それらをまとめて「GNSS」と言います。国土地理院では「GPS」ではなく「GNSS」と言っています。また、「ドローン」という言葉を聞いたことがあるかと思いますが、国土地理院や測量業界では「UAV(Unmanned Aerial Vehicle)」という名称を主に用いています。また、一般に「地図」の種類を意識することはないと思いますが、地図には縮尺や内容によってさまざまな種類があり、我々の職場では「25000」「都計図」「基盤地図情報」等々の言葉が飛び交っています。


――他にも“国土地理院あるある”のようなお話はありますか?

地図アプリを使うとき、地図が読めない人はスマホをぐるぐる回した方が分かりやすいという人もいるかもしれませんが、国土地理院で話題に上がるのは「回すと逆に分からなくなる」ということ(笑)。地図の上側を北に固定する人も多く、俯瞰(ふかん)して全て捉えたいのかもしれません。
あと小耳にはさんだことがあるのですが、カーナビが出た当初は「そんなものに頼る必要はない!」という声もあったそうで、国土地理院の作業車にカーナビが導入された時期は割と遅かったようです(笑)。

フロアごとに部署が分かれている

――民間の地図会社とはライバル関係にあたるのでしょうか?

そういう見方もあるかもしれませんが、国と民間ではスタンスが異なりますので、勝ち負けということではないのかなと思います。国土地理院が作る地図の良いところは、正確で更新が早いこと。例えば、高速道路は開通日に合わせて地図に反映しています。また、いろいろな付加情報が見られるのもメリットです。例えばその地域の昔の写真や地図を見ることもできておもしろいですよ。災害が起こったときは現場の写真も地図上でチェックできます。


――国土地理院の職場は全国にあるのでしょうか?

茨城県つくば市の本部が本拠地ですが、全国の主要都市に10カ所国土地理院の拠点があり、転勤もあります。海外に拠点はありませんが、JICA(国際協力機構)と一緒に発展途上国の支援を行ったり、国際会議に出席することもあるため、国際的な業務に携わる機会はあります。


――つくばの雰囲気はいかがですか? やはり近くに住む人が多いのでしょうか

つくばは住みやすい街ですよ。車はあったほうが便利ですが、なくても生活できるくらいお店もたくさんあります。この近くに住んで車通勤している人が多いですね。満員電車に乗らなくて済むのは精神的に良いかもしれません。でも、つくばエクスプレスが開通して電車通勤がしやすくなったので、東京に住んでいる人もいます。私も週末につくばエクスプレスに乗ってよく都内に出かけています。

茨城県石岡市にある大きなアンテナ。宇宙からの電波を受信中!?

茨城県石岡市にある大きなアンテナ。宇宙からの電波を受信中!?

――国土地理院にはどんな部署があるのでしょうか

主にフロアごとに部署が分かれているので1階から順に説明しますね。

1階「総務部」
:事務・契約手続き・給与計算などを行う部署。

2階「企画部」
:地理院の方向性を決める経営企画部のような部署。測量の基準を取りまとめることも。

3階「基本図情報部」
:日本全国の陸地をカバーする地図(=基本図)を作る部署。飛行機に乗って測量することも。

4階「測地部」
:山の上や街中で見かける基準点(地球上での位置を定めた点。測量の基礎となる)を管理している部署。また、アンテナで宇宙からの電波を観測し、日本が世界の中でどこに位置するかを測っています。プレート運動により国土は少しずつ動き、国と国の間の距離も変わるのですが、その正確な位置を測るために、数十億光年離れた星から発生した電波を世界中のアンテナが一斉に受け取り、その電波が届く時間の差によって位置を割り出しています。

5階「応用地理部」
:3階で作った基本図をベースにいろいろな目的に沿った地図(=主題図)を作成する部署。主に防災関係の主題図を作成しています。その土地の歴史が分かる地図を作ったり、火山周辺の地図を作り地質を調査することも。

6階「地理空間情報部」
:各部署の成果物を公に発表する部署。いわゆる「地理院地図」はここが管理しています。

宇宙測地館「測地観測センター」
:全国に約1,300点ある「電子基準点」を管理し、それを用いて国土の動きを見ています。海岸の潮位を監視することもあります。

研究棟「地理地殻活動研究センター」
:地震や火山で起こる地殻変動の分析など、国土地理院に関するさまざまな研究を行っています。


――部署異動もあるのでしょうか?

一般的に公務員は民間企業と比べて異動の頻度が多く、2年に1回くらいは部署異動があります。国土地理院は国土交通省の機関ですが、職員は国土地理院に採用されるため、この中での異動がメインとなり、キャリアを積み重ねていきます。国土交通省や他の省庁に出向することもあります。

地理好きにはたまらない飛行機搭乗体験も

熊本地震の災害現場でのドローン操縦の様子

熊本地震の災害現場でのドローン操縦の様子

――これまでに一番印象的だったお仕事とは?

私は転職してまだ日が浅いのですが、昨年熊本で起きた地震のときに、災害現場の写真を撮るためにドローンを飛ばしたことは印象に残っています。まだ飛ばす技術を持った人間が地理院内に少なく、自分も初めての体験だったので緊張しました。ドローンの操縦は簡単に見えるかもしれませんが、しっかりと訓練が必要です。その頃に比べると今はラクに扱えるようになりました。

また、地上の様子を把握する手段の一つに“SAR(サー)”というセンサーがあるのですが、そのセンサーの研究のために飛行機で自ら観測を行ったことがあります。桜島の上空を飛んだのですが、観測しながら思わず景色に見とれてしまいました。飛行機は普通の旅客機よりも低いところを飛ぶので、地理に興味があれば、たまらない体験だと思います。


――これからやってみたいことはありますか?

他の部署も経験して視野を広げ、より物事を有機的に結び付けられるようになりたいです。一方で今取り組んでいる“リモートセンシング”という、人工衛星や飛行機などを使って地表を観測する技術の分野を深めていきたいという思いもあります。他部署でも経験を積むことでまた違うアプローチができて、さらに知見を深められるのではないかと思っています。



国土地理院の仕事は“地図を作ること”だけではなく、災害対応や環境変動への対応など広い範囲に渡ります。地理への興味や探究心を生かして「スケールの大きな仕事をしたい」「社会貢献をしたい」という人にはぴったりの職場のようですね。


【profile】国土交通省 国土地理院 早坂寿人
http://www.gsi.go.jp

この記事のテーマ
公務員・政治・法律」を解説

公務員採用試験などの対策や司法書士など法律関係の資格取得のための学びが中心で、官公庁や行政機関の採用試験科目を段階的に学び、各種試験の合格を目指します。将来は公務員として行政に携わるほか、政治活動を支える政党職員などの仕事が考えられます。弁護士や検察官など法曹の道へ進みたい場合は、大学や法科大学院への進学が必須です。

「公務員・政治・法律」について詳しく見る

この記事で取り上げた
「国土地理院で働く人」
はこんな仕事です

国土交通省が設置する機関。日本の土地や海の緻密な測量を行って地形図を発行。全国各地で測量をするスタッフ以外に、その情報を集約して地図を作成するスタッフがいる。各国間での測量地形図作成の基準統一、南極観測、さらに宇宙測地や重力測定などを実施する国際事業参画も担っている。継続的に数値データを収集する能力は、地震発生、火山噴火予測にも役立てられているが、今日では測量だけでなく、航空撮影やGPSの技術も持ち合わせている。大学で土木、理工などを学んだ後に「国家公務員採用試験」を経て採用される。

「国土地理院で働く人」について詳しく見る