【シゴトを知ろう】管理栄養士 ~番外編~

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【シゴトを知ろう】管理栄養士 ~番外編~

2017.05.19

提供元:マイナビ進学編集部

【シゴトを知ろう】管理栄養士 ~番外編~

年齢を重ねると、老化や病気によってかむ力や飲み込む機能が弱ってきます。ワタミ株式会社で管理栄養士として働く麻植有希子(おえゆきこ)さんは、高齢者に食べやすくて栄養のあるおいしい料理について研究する一方で、患者さんや高齢者のご自宅を訪問し、食事を通した健康管理や調理指導も行っています。そんな管理栄養士のネットワークや休日の過ごし方などについてお話を伺ったので、番外編としてご紹介します。

この記事をまとめると

  • 女優になったつもりで!? 時と場合に応じて2つの顔を使い分ける!
  • 職場に管理栄養士は1人きり!? ネットワークを作って仕事の悩みを相談し合う
  • 趣味は食と旅行。国内外の料理と食環境を満喫する

「噛みきれないよ……」。お年寄りに泣かれて、自分の使命に気づいた

――管理栄養士として仕事をしてきて、衝撃を受けたことは何ですか?
 
私は、介護老人保健施設(*)と当社で高齢者の食事を担当する前、児童養護施設に6年間勤務していました。そのため、介護老人保健施設に転職したばかりのころ、子どもたちに出すようなスパゲッティやとんかつのような献立を立ててしまったんです。
かむ機能や飲み込む機能が弱っている高齢者の方たちから、涙ながらに「これはかみきれないよ……」と言われて初めて、体の筋肉や機能が衰える老化現象が口の中にも起きていることを知りました。
そこから、高齢者の方たちにも食べやすい食事「介護食」に力を入れるようになりました。食事を通して、患者さんや高齢者の方たちの長い人生の最後までお付き合いさせていただきたいと思っています。

*介護老人保健施設:介護保険で要介護1以上を認定された人が利用できる施設。入院治療の必要がない人が、自宅での介護が可能となるように、医療的なケアやリハビリを受けることができる。


――管理栄養士に求められる能力は何ですか?

コミュニケーション力だと思います。管理栄養士としての技術は、仕事をしていれば着実に身に付いていきます。技術を高める経験を増やすとともに、先輩や他の専門職の方に分からないことを恥ずかしがらずに質問したり、患者さんや高齢者の方と会話をしてみたりして、コミュニケーションそのものを楽しめることが大切ですね。

私は、患者さんや高齢者の方と接するとき、女優の中村玉緒さんのように話をしようと決めているんです。「お体どうですか~」と玉緒さんに聞かれたら、誰でもにこやかになりますよね(笑)。
反対に、管理栄養士として医師や看護師など他の専門職の方と話すときは、自信を持ってはっきりと話をするように心がけています。

横のつながりで精神的にも技術的にも成長を図る

高齢者の訪問栄養指導をした後は、すぐに報告書にまとめて病院の医師に提出する

高齢者の訪問栄養指導をした後は、すぐに報告書にまとめて病院の医師に提出する

――管理栄養士として働くにあたって勉強はどうしていますか?

医学や栄養学は日々進歩していますので、最新の研究成果や新たに開発された食品について、情報を得る努力をしています。【職業編】でもお話しましたが、管理栄養士は病院や学校、高齢者施設に1人ずつしか配置されないことが多いので、職場で先輩から教わるという機会がなかなかありません。なので、仕事が休みの日に学会や研修会に参加して、他の病院や高齢者施設の管理栄養士の発表を聞き、学びを深めて、自分の仕事に生かすようにしなければなりません。
研修会や学会に行くと、発表している管理栄養士さんがすてきだなと思うことがあります。その方のスキルに追いつけるように私も勉強しよう、知識を増やそうと思うのが日々の仕事の原動力にもなります。


――業界内の横のつながりは多いですか?

管理栄養士は病院や高齢者施設に1人ずつしか配置されないことが多いので、管理栄養士同士の横のつながりがないと、仕事を改善していくことが難しいんです。
横のつながりがあれば困ったときに相談し合える仲間ができて心強くなるので、介護老人保健施設で働いていた10年ほど前に、「横浜川崎地域栄養フォーラム」と「高齢者栄養ケア連絡会」という会を立ち上げて、近隣の病院や高齢者施設などで働く管理栄養士たちに声をかけました。定期的に集まって、メンバーがそれぞれの施設の取り組みを発表し合ったり、医療や介護の制度が変更された時は新しい制度についてみんなで勉強したりしています。
今はこの2つの会を1つに統合し、40人程度の管理栄養士が登録してくれています。みんなで定期的に集まって相談し合うだけではなく、学術交流会を1年半に1回開催して、日頃の業務の研究発表をする場も設けていますよ。

仕事もプライベートも行動派! 思い立ったらすぐ動く

――管理栄養士しか使わない言葉はありますか?

「のりつく」って分かりますか? ある研修会で、高齢者施設で働く管理栄養士が「Aさんにのりつくを毎食1パック出したら、喫食量(食べる量)が上がりました」と発表したところ、言語聴覚士さんから「のりつくって何ですか?」との質問がありました。
「のりつく」とは、のりのつくだ煮の略なんです。唾液の量は加齢によって減ってくるので、高齢者の方はご飯がなかなか進まないことがあります。そのため、Aさんに特別に「のりつく」をプラスして出したらご飯を多く食べられるようになり、健康状態が改善されたという発表だったのです。
個包装になっているのりのつくだ煮や練り梅は、高齢者の方がご飯をしっかり食べて体力を維持できるようにするために、管理栄養士にはなくてはならないアイテムなんですよ。


――休日はどのような過ごし方をしていますか?

休日は学会や研修会に参加することもありますが、旅行が好きなので、「来週末のスケジュールが空いているな」と思ったらすぐに飛行機を予約して、金曜日の夜から近場の海外に出かけることもあります。先日は石川県の輪島に日帰りで行ってきました。

旅行先でも楽しみは「食」ですね。食べるだけではなく、東京都内では珍しい食材や料理法、お店の雰囲気や食器など、お店の方から話を聞くことも楽しんでいます。
友達と一緒に行こうとするとなかなか日程が合わないので、思い立ったときに一人で旅に出ることが多いです。休日は一日中家にいることはほとんどありませんね。


休みの日の旅行先でも「食」に関心をもち、「食」を楽しんでいる麻植さん。麻植さんの好奇心と知識の豊かさが、新しい料理の研究や訪問先の高齢者の方のお宅での栄養指導などにも生かされているようです。
自分が食べた料理について、高齢者の方や子どもが食べやすいかどうかを想像して、どのようにしたらもっと食べやすくなるのかを考えてみると、管理栄養士の仕事の奥深さにふれることができそうですね。


【Profile】ワタミ株式会社 健康長寿科学栄養研究所 所長 麻植有希子(おえ ゆきこ)

ワタミ株式会社 https://www.watami.co.jp/

写真提供:(1枚目)麻植有希子さん

この記事のテーマ
食・栄養・調理・製菓」を解説

料理や菓子などの調理技術や、栄養や衛生などに関する基礎知識を身につけます。職種に応じた実技を段階的に学ぶほか、栄養士などの職種を希望する場合は、資格取得のための学習も必須です。飲食サービスに関わる仕事を目指す場合は、メニュー開発や盛りつけ、店のコーディネートに関するアイデアやセンス、酒や食材に関する幅広い知識も求められます。

「食・栄養・調理・製菓」について詳しく見る

この記事で取り上げた
「管理栄養士」
はこんな仕事です

管理栄養士の仕事は、特定の給食施設で栄養指導を行う栄養士の管理・指導をすること。栄養士の上級資格となる国家資格で、定められた数を超える食事が提供される施設には管理栄養士を置くことが法律で定められている。栄養士は健康な人の栄養指導をするのに対し、管理栄養士は一人ひとりの健康状況や体質に合わせた栄養指導を行う。そのため病気を患った人の食事指導のほか、フィットネスクラブでダイエットに取り組む人へのアドバイスや、アスリートの食事面のサポートなど活躍の場は多岐にわたる。

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