【シゴトを知ろう】精神科医 ~番外編~

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【シゴトを知ろう】精神科医 ~番外編~

2017.05.18

提供元:マイナビ進学編集部

【シゴトを知ろう】精神科医 ~番外編~

高校生の時に見た映画の影響で精神科医を目指した新井慎一さん。大学病院などでの勤務を経て、現在は東京・世田谷にある子どもを対象にしたクリニックの院長として、心の病に悩んでいる患者さんと向き合っています。
番外編では、新井さんが実際の診療を通じて感じていることや精神科で行われている意外な治療方法についてご紹介します。

この記事をまとめると

  • 複雑化する現代の子どもが抱える問題。同業者との情報交換や最新情報の収集が必要
  • サッカーや遠足など、「楽しみ」が心の薬になることも
  • 仕事中はセルフコントロールしている精神科医。でもプライベートは一般の人と変わらない?

患者さん本人だけではなく、家族との対話も欠かせない

――どんな患者さんがいらっしゃるか、差し障りのない範囲で教えていただけますか?

赤ちゃんから高校生までを診ています。小さい子どもの場合は、言葉が遅れていたり、かんしゃくがひどいなどの症状があります。小学生以上だと、不登校や不安が強い、学校で暴れてしまう、手洗いがやめられない、気持ちが落ち込んで死にたくなってしまうといった患者さんの相談に乗っています。

子どもを対象にした精神科では、患者であるお子さん本人だけではなく、親御さんともしっかり話をする必要があるのが特徴です。普段の子どもへの接し方はもちろん、学校の先生に子どもへの配慮や対応をお願いするときの伝え方などの相談にも乗っています。


――仕事を続けるにあたって気をつけていることはありますか?

体力の衰えを感じてきたので、ストレッチと剣道で体調を維持しています。
あとは勉強ですね。最近は子どもが抱える問題が複雑化していて、患者さんの不調に不登校やいじめ、学級崩壊といった問題が絡んでいることも珍しくありません。例えば「子どもが落ち着かない」という相談一つとっても、その原因が、クラスが荒れているからなのか、家庭の事情なのか、発達障害(*)で落ち着かないのかという判断が難しいので、日々勉強が必要です。

また、全ての科でいえることですが、最近では患者さん本人やご家族がインターネットで調べてきて、自分や家族の病気に関してだけは医者より詳しいことがよくあります。医師には医学の全般的な知識の基礎があるので、総合的に判断できるという強みがありますが、私も親御さんの知識の多さに驚くこともありますね。
時間が許す限り、子どもを専門にしている精神科医や臨床心理士たちと情報交換したり学会に参加したりして、最新の情報を仕入れるようにしています。

*発達障害:コミュニケーションや対人関係を苦手とする生まれつきの障害で、脳機能の発達が関わっているとされる。自閉症、アスペルガー症候群、広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害など。

患者さんとのサッカーも仕事のうち!?

受付には新井さんの著書も置いてある

受付には新井さんの著書も置いてある

――精神科医になってイメージと違ったのはどんなことですか?

精神科医になって一番びっくりしたのは、意外と肉体労働だということです。患者さんの中には幻覚や妄想の症状が現れる方もいるんですが、そのような患者さんを入院させなくてはいけないときに暴れることがあり、私が押さえなくてはならない場合があるんです。患者さんにけがをさせるわけにはいかないので気を使います。

意外な仕事としては、大学病院にいた時代、患者さんのチームと医局のチームでサッカーの試合をしたことですかね。「仕事なのに、こんなに楽しんでいいんだろうか」と思った記憶があります。
また、以前勤めていた都立病院の小児精神科では、よく入院患者さんの遠足の引率もしました。病気だからといってずっと病棟にいると、患者さんも気がめいりますよね。楽しみがある方が治療をがんばろうと思えるんです。


――他に診察以外の仕事はありますか?

子どもへの接し方や子どもの心の発達について知識を広める活動をしています。具体的には、幼稚園や保育園、小中学校に行って講演をしたり、学校の先生向けの研修で講師をしたり、本を書いたりしています。

冷静な精神科医でも自分の子どもに接するときは普通の親

――一般の方が聞くと驚くような、精神科医の日常のエピソードはありますか?

私には未就学児から中学生まで4人の子どもがいます。患者さんの親御さんから「子どもにどう対応したらいいでしょうか?」と質問されると、「私は家でこうしています」とアドバイスをすることがあるんですが、私も人間なので、疲れていたりするとイライラして、家で子どもに怒鳴ってしまうこともあります。
その話をすると、「先生でもあるんですか、そんなこと!」と驚かれますね。診療中はいつも冷静さを装っているので、私が感情的になるところは想像できないようです。
精神科医だからといって、いつも冷静というわけにはいかないですね。やっぱり真剣に向き合おうとすると感情的になってしまうのかもしれません……。というのは半分言い訳ですが(笑)。


精神科医の中でも子どもを対象とした精神科医は、一人の人間の心の成長に寄り添うことができるやりがいのある仕事ですが、患者さん本人だけではなく、親や学校などとも関わる必要があり、大人を対象とした精神科医に比べると医師が足りない状況が続いているそうです。
病院や福祉施設では、心の病を持つ人たちを支援するためのボランティアを募集しているところがありますので、専門知識をもって患者さんの心の病を治療し、日常生活を送れるようにする手助けをする仕事に興味のある人は、活動に参加してみるといいかもしれませんね。


【profile】尾山台すくすくクリニック 院長・児童青年精神科医 新井慎一

尾山台すくすくクリニック http://www.oya-suku.com/

この記事のテーマ
医療・歯科・看護・リハビリ」を解説

医師とともにチーム医療の一員として、高度な知識と技術をもって患者に医療技術を施すスペシャリストを育成します。医療の高度化に伴い、呼吸器、透析装置、放射線治療などの医療・検査機器の技師が現場で不可欠になってきました。専門的な技術や資格を要する職業のため、授業では基礎知識から医療現場での実践能力にいたるまで、段階的に学びます。

「医療・歯科・看護・リハビリ」について詳しく見る

この記事で取り上げた
「精神科医」
はこんな仕事です

心の病を診察して治療する仕事。うつ病、依存症(アルコール・薬物など)、パニック症、自閉症など、ストレスなどを原因として起こる精神疾患と、アルツハイマー型認知症のような脳の疾患に対して、薬の処方だけでなく心のケアを含めた診療・治療を行う。患者の悩みや苦しみの原因がどこにあるのかを診察で探り出し、一人ひとりに適した治療法や治療薬を処方する。仕事に就くためには、大学医学部で6年間学んだ後、医師国家試験に合格して、さらに2年以上臨床研修医として勤務する必要がある。

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