【シゴトを知ろう】海洋工学系研究・技術者 編

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【シゴトを知ろう】海洋工学系研究・技術者 編

2017.04.21

提供元:マイナビ進学編集部

【シゴトを知ろう】海洋工学系研究・技術者 編

海に囲まれた日本では、多種多様な海洋調査・研究が行われており、我々の生活にも大きな貢献をしてくれています。海洋調査によって得られるデータを活用するための技術開発に携わるのが「海洋工学系研究・技術者」の仕事です。

今回は、「JAMSTEC地球深部探査センター技術部」の技術主任として、地球深部探査船「ちきゅう」による深海底科学掘削の技術開発を担当している山崎泰之さんに、そのお仕事内容についてお話を伺いました。

この記事をまとめると

  • 海底下から地層のサンプルやデータを取って来て、地球科学の研究をする「海洋科学掘削」に携わっている
  • 技術者としての仕事を通して、最先端の地球科学研究の話を聞くこともできる
  • 航海ごとの対応すべき課題に応じて問題を一つひとつ解決していくことが大変

地球深部探査船「ちきゅう」の保守・整備や機器開発を担当している

Q1. 仕事の概要と一日のスケジュールを教えて下さい。

私は、海洋研究開発機構(以下、JAMSTEC)で技術職として働いています。JAMSTECで行っている多様な研究開発活動の中で、我々は「海洋科学掘削」といって、海底下から地層のサンプルや海底のデータを取って来て、地球科学の研究をする分野に携わっており、その中で私はそれらの活動に使用する科学掘削船、地球深部探査船「ちきゅう」の保守・整備や機器開発を担当しています。

海の上で船をある一点から動かないようにコントロールした状態で、何千メートルも下にある海底までパイプを下ろして海底下から地層のサンプルを採取してくるというのは、すごく難しいことで、例えば海流の中でも流れが速い黒潮の流れる地域での掘削をするとなると、海中に下ろす機器が黒潮によって壊れてしまわないよう、技術的に克服しなければならないことがあります。そのために「こういうところにセンサーを付けてモニターしておこう」とか、「パイプがうまく下りていくように(海水の流れの影響を減らすための)パーツをつけてみよう」とか、技術的なアイデアを含めて開発に携わっています。

<一日のスケジュール>
・パターン1(オフィスで仕事を行うときの例)
オフィスにいるときは数年先の作業のための開発の計画をすることもありますし、今日、明日でなんとかしなければならない整備作業の話をすることもあります。協力企業さんとの打ち合わせや仕様のやり取り、出来上がってきた機器などの確認をする仕事もしています。

09:00 出社、メールチェックなど連絡確認
10:00 開発計画の検討、メーカーとの調整など
12:15 昼休み
13:00 実験、データの整備など
19:00 帰宅

・パターン2(乗船作業を行うときの標準的な例)
乗船中は船上で一日中作業する場合もあります。船は24時間体制で仕事をしていて、乗組員は2交代制で働きます。通常であれば6:00-18:00の作業になりますが、我々、技術部の職員は自分が担当する機材を試験するときや、それを使う調査のときに乗船し、必要な時に作業を行うことになります。例えば自分が担当する機材が3時間ごとにセッティングが必要となれば、機器をセッティングして寝て、3時間後に起きてきて1時間作業をして仮眠をとり、また3時間後に作業をするということが3日間続いたりすることもあります。

05:00 起床
06:00 勤務開始
06:30 定例ミーティング
07:00 船上での作業
18:00 業務終了


Q2. 仕事の楽しさ・やりがいは何ですか?

JAMSTECは地球科学や生命科学の研究をしているのですが、そもそもやっていることがほかの会社にはない、ここでしかやっていないことなんです。掘削船は一般には海底下の石油やガスなどの資源開発のために使われる船ですが、我々はそれを科学的な研究目的で運用しています。目的が非常に特殊なので、技術者として要求される内容も特殊なことが多く毎回新しい発見があり、技術者としての仕事を通して、最先端の科学研究の話を聞くこともできます。サイエンスの最先端に携わる仕事ができることがおもしろいですね。また、JAMSTECの拠点や船舶の一般公開などで、知的好奇心で瞳をキラキラ輝かせた来場者との会話も楽しみの一つです。


Q3. 仕事で大変なこと・辛いと感じることはありますか?

科学的な研究のための海洋掘削をしていますが、さまざまな研究目的があるため、掘削する海域の条件も多様です。浅い海での掘削、海流の中でも流速が早い黒潮の流れの中での掘削、水深7,000メートルという非常に深い海域での掘削、海底下に200℃を超える熱水があるような掘削など、研究毎に対応すべき課題が異なり、それに応じて問題を一つひとつ解決していかなくてはならないのが大変なところですね。

昔からサイエンス系の番組や雑誌が好きだった

海洋科学掘削の活動で使用される科学掘削船(画像提供:JAMSTEC)

海洋科学掘削の活動で使用される科学掘削船(画像提供:JAMSTEC)

Q4. どのようなきっかけ・経緯で海洋工学系研究・技術者の仕事に就きましたか?

私はもともと、機械部品メーカーに勤務していたのですが、メーカーより研究機関で働いてみたいと思い、中途採用でJAMSTECに入社してから海洋工学関係に携わることになりました。海洋掘削に携わったのもJAMSTECに入社してからです。


Q5. 大学では何を学びましたか?

機械工学を専攻していましたが、大学では“海洋工学“ではなく自動車関連の研究テーマを学びました。海洋工学の海洋というのは目的というよりはエリアをさしており、もちろん海独特の考え方をしなければいけないところはあるのですが、機械工学として使っている材料や技術は共通しているところも多いです。そういう意味では大学で学んだことが生かされています。


Q6. 高校生の時に抱いていた夢が、現在の仕事につながっていると感じることはあります

海洋工学という分野でいえば、高校生のころに意識したことはなかったのですが、もともと昔からサイエンス系の番組や雑誌は好きでした。といっても、研究結果そのものより手段・過程の方が好きだったので、そういう意味ではそのときの興味対象の延長が今の仕事かもしれません。

好奇心があり「どうすればこれが実現できるんだろう」と考えられる人が向いている

「海洋掘削という分野もあることを知ってもらえたらうれしい」と山﨑さんは話す。(画像提供:JAMSTEC)

「海洋掘削という分野もあることを知ってもらえたらうれしい」と山﨑さんは話す。(画像提供:JAMSTEC)

Q7. どういう人が海洋工学系研究・技術者の仕事に向いていると思いますか?

工学系全般にいえることだと思いますが、好奇心があることですね。特にJAMSTECは世界でも前例がない研究機関で、新しくて独特なことが多く「どうすればこれが実現できるんだろう」などと考えられる人が向いているかなと思います。


Q8. 高校生に向けてメッセージをお願いします

海洋工学といってもとても範囲は広いですが、その中に海洋掘削という分野もあることを知ってもらえたらうれしいです。高校生のみなさんは、今後どのような分野、進路を選ぶことにしても好奇心を大切にしてほしいと思います。



地球深部探査船「ちきゅう」のように海底を掘削して科学研究する探査船は日本ではほかにはないそうです。現在の日本でこうした探査船が活躍していることや、山崎さんのように海洋調査・研究に携わっている人たちが身近にいるということを知らなかった人も多いのではないでしょうか。JAMSTECでは研究施設の公開やセミナーなどを行っており、地球深部探査船「ちきゅう」の一般公開も年に何回か各地の港で行うこともあるそうです。山﨑さんのお話を通じて「海洋工学系研究・技術者」に興味が湧いた人は、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。


【profile】山崎 泰之 (ヤマザキ ヤスユキ)
JAMSTEC(海洋研究開発機構)地球深部探査センター技術部
地球深部探査船「ちきゅう」による深海底科学掘削の技術開発を担当
http://www.jamstec.go.jp/cdex/j/developtec/
取材協力 / 写真提供:JAMSTEC
http://www.jamstec.go.jp

この記事のテーマ
環境・自然・バイオ」を解説

エネルギーの安定供給や環境問題の解決など、自然や環境を調査・研究し、人の未来や暮らしをサポートする仕事につながります。また、自然ガイドなど、海や山の素晴らしさと安全なレジャーを多くの人に伝える仕事もあります。それぞれ高い専門性が求められる職業に応じて、専門知識や技術を学び、カリキュラムによっては資格取得や検定も目指します。

「環境・自然・バイオ」について詳しく見る

この記事で取り上げた
「海洋工学系研究・技術者」
はこんな仕事です

海という場所・資源を調査研究して、これを活用するための技術を開発する仕事。分野は多岐にわたり、鉱物資源に関する分野、気象・環境に関する分野、海上空間の利用に関する分野などがある。具体的な工学技術の例としては、深海の生態系を調査する際に使われる深海探査艇や、海洋資源を掘削するボーリング機などが挙げられる。また、将来のために、海上生活を送る施設を研究開発したり、波の力を利用したエネルギー開発技術を研究したりするのも海洋工学の一つ。

「海洋工学系研究・技術者」について詳しく見る