【シゴトを知ろう】料理研究家 ~番外編~

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【シゴトを知ろう】料理研究家 ~番外編~

2017.04.03

提供元:マイナビ進学編集部

【シゴトを知ろう】料理研究家 ~番外編~

料理研究家は、栄養や調理に関することから視覚に訴える盛り付けやテーブルコーディネートまで、さまざまなことに精通している料理のプロフェッショナルです。
料理研究家としてテレビや映画制作の現場で活躍するだけではなく、調理師専門学校の講師も務める住川啓子さん。料理と向き合う姿勢や日本の文化が料理に与えた影響などについてお話いただきました。

この記事をまとめると

  • 情報化時代の現代においては、味だけではなく見た目や発信力も求められている
  • 日本料理やいけばながフランス料理に与えた影響とは?
  • 料理を育んだ風土や歴史を理解することも重要。日本国内だけではなく、ドバイまで行ったことも!

おいしさを発信するにはテクニックも必要!

――学校ではどのようなことを教えているのでしょうか?

お料理の基礎や基本の盛り付け方、カトラリー(*1)の知識などを教えるのと同時に、おいしそうに見せる盛り付け技術や料理写真の撮り方も授業に取り入れています。情報化社会ですから、おいしさを発信するテクニックは今後ますます必要とされていくはずです。自分のお店を開く場合に生かせるだけではなく、会社や取引先からも重宝がられることでしょう。
そして、どんな職業に就いたとしても人としての基本は同じですから、あいさつや気配り、整理整頓や清掃の大切さを指導するようにしています。

*1 カトラリー:食事の際に使用するフォークやナイフ、スプーンのこと。


――食材はどうやって手に入れているのでしょうか?

作るお料理によって仕入れ先は変わります。近所のスーパーで済むときもあれば、高級スーパーにしか取り扱いがない食材もあります。1カ所の仕入れ先で買い物が済むことはまれで、何店舗もはしごすることが多いですね。知り合いの農家の畑に行ってとれたての新鮮野菜を手に入れたり、猟師に狩りをお願いすることもあります。
材料次第でお料理は別物になってしまいますから、食材選びにはかなり神経を使います。自分の目で確かめてから手に入れたいので、配達してもらうことはほぼありません。仕入れに数日間かかるのは当たり前で、数週間かけることもあるんです。


――おいしい料理を作るために、独自に工夫されていることはありますか?

私は、お料理に塩をほとんど入れません。健康のため、塩分は1日の摂取量の目標値以内に収めるべきです。その代わりにだしをしっかりと使いますので、普段塩分の高い食事に慣れている方でもおいしいと驚かれます。その方が素材そのもののおいしさがよく分かるんですよ。

新しいメニューの開発ではアイデアに行き詰まることもありますが、いろいろと調査したり常にそのことを考えていると、突然ひらめくものです。ひらめきは歯を磨いている最中にもやってきますから、メモを取るのが大変です(笑)。

美容と健康のために、バランスのいい食事法を提案

料理の味は食材の質によって左右されるので、自分の目で確かめてから仕入れる。

料理の味は食材の質によって左右されるので、自分の目で確かめてから仕入れる。

――メニューを考える上で重視していることがあればお聞かせください。

どんな食材も全て大切だと思っています。私は「優美食」というお料理を提唱しているのですが、これは、女優さんたちから受けた食事の相談を体系化したものです。美容と健康にいいバランス栄養食なんですよ。

優美食では、えり好みなく多品目の食材を食べることを目標にしています。時々、優美食を楽しんでいただくパーティーを開くのですが、その場合は80〜100品目以上もの野菜を使いますので、とてもデトックス(*2)効果のある食事です。
家庭で100品目もの野菜を使ったお料理をするのは難しいですし、私もさすがにそれほど多くの食材をいつも使うわけではありません。人をお招きするときには、特別に多くの食材でおもてなしをするということです。優美食を学べば、そんなに多くの食材を使わなくても効率よく栄養バランスのよいお料理が作れるようになり、普段の生活に気軽に生かすことができるんですよ。

*2 デトックス:体内にたまった老廃物や有害物質を排出すること。


――一般の方は知らないような業界の常識はありますか?

フランス料理は盛り付けがおしゃれですよね。目で楽しみつつ、ナイフとフォークで少しずつ取り分けて口に運ぶのはいい心持ちです。実は、フランス料理は、日本料理やいけばなの影響で現在のような盛り付けになったことをご存知ですか? 日本文化は世界に影響を与え続け、尊敬を集めています。むしろ外国人のほうが日本文化の良さに気づいていたりするんです。

また、お料理の世界に新しい流れをつくる世界の超一流料理人は自然からヒントを得ていますが、これも日本文化と同じです。日本人は、おもてなしの心など自分の国に伝わる誇れる文化にもっと目を向けるべきだと思います。

自分の作品集を出し、良い人材を育てることが夢

料理番組の収録風景。タレントや女優に料理を教えることもある。

料理番組の収録風景。タレントや女優に料理を教えることもある。

――料理を作る上で心掛けていることはありますか?

世界の各地域のお料理は、気の遠くなるような長い時間をかけて影響を受け合い、発展してきたものです。人類の共通財産といえるものですので、土足で上がりこむような無礼なことはできるだけしたくありません。忙しくても、できる限り調査に時間を割いています。

郷土料理を作るのならその地方に足を運び、空気を吸い、食材を見て、風土の中に身を置いて初めて分かることがあります。旅行先で食べたおいしいものを購入し、帰ってきて食べたら「なんか違う……」と思った経験はありませんか? これが風土や文化の成せる技なんです。
極端な例ですが、以前、アラビア料理を作るお仕事をいただいた際、ちょうど時間が空いたので、「行っちゃえ!」という感じでUAE(アラブ首長国連邦)のドバイまで行ったことがあります。ドバイが今のように高層ビルだらけになる前の時代のことです。そのお仕事の担当者にドバイに行ってきたことを話したら、すごくびっくりしてましたね(笑)。


――最後に、今後の夢をお教えください。

お料理の作品集を出したいですね。本は何冊も出しましたがもっとたくさん作りたいですし、キャリアも長くなりましたから、今までの集大成的な本を出したいと思っています。
また、私が関わる学校をもっと大きくして、人として素晴らしい生徒や学生をもっと育てていきたいです。生徒や学生が愛校心を持ち、親御さんは安心して子どもを預けられる、そんな学校にするのが夢です。それが私にとっての社会貢献なのです。


お話を伺って、栄養やおいしさ、調理技術、食材の特性だけではなく、歴史や風土、空間づくり、美意識、探求する力など多面的な経験と知識、行動力が、住川さんにしかできない料理を生んでいるのだと確信しました。見た目だけではなく本当においしいんですよ!
2017年4月スタートのNHK連続テレビ小説「ひよっこ」では、住川さんが料理を監修されています。東京五輪が開催された高度経済成長期を背景に洋食屋が舞台となった作品ですので、どんな料理が登場するのか楽しみですね。
料理研究家の仕事に興味のある人は、食材や調理の知識だけではなく、その料理が持つ歴史的背景や文化にまで意識を向けてみると、料理の新たな魅力を発見できるのではないでしょうか。


【profile】ラブニール 代表 住川啓子

ラブニール 食のトータルコーディネート http://www.lavenir.tv/

この記事のテーマ
食・栄養・調理・製菓」を解説

料理や菓子などの調理技術や、栄養や衛生などに関する基礎知識を身につけます。職種に応じた実技を段階的に学ぶほか、栄養士などの職種を希望する場合は、資格取得のための学習も必須です。飲食サービスに関わる仕事を目指す場合は、メニュー開発や盛りつけ、店のコーディネートに関するアイデアやセンス、酒や食材に関する幅広い知識も求められます。

「食・栄養・調理・製菓」について詳しく見る

この記事で取り上げた
「料理研究家」
はこんな仕事です

料理のつくり方を研究し、世の中に伝えていく仕事。基本的にはフリーランスとして活動する場合が多い。雑誌・テレビなどのメディアや独自に運営する料理教室で、オリジナルのレシピや効率的な料理法を紹介することが主な活躍の場。著名な存在になれば、食の商品プロデュースやレストランのメニュー開発なども視野に入ってくる。また、最近はインターネット上での情報発信から口コミで評判が広がり、注目を集めるケースもある。企業などに勤務する一般的な職業ではないため、いかに自分自身の特徴を出していけるかが成功の鍵となる。

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