【シゴトを知ろう】雑誌記者 ~番外編~

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【シゴトを知ろう】雑誌記者 ~番外編~

2017.04.11

提供元:マイナビ進学編集部

【シゴトを知ろう】雑誌記者 ~番外編~

女性誌の記者として活躍する山下謙介さん。女性をターゲットとする仕事には、男性ならではの苦労もあるようです。どんな方法で雑誌の読者である主婦の方々の日常を感じ取っているのかに始まり、理想の雑誌記者像、そして出版業界の現状についてお話を伺いました。

この記事をまとめると

  • 読者の心に届く雑誌を作るために、心に留めておかなければならないこと
  • 主婦の生の声を聞く! お母さんネットワークに入る作戦とは?
  • デジタル化が進む出版業界。実のある魅力的な企画で売れる雑誌を作る!

誰に何を伝えるか、仕事の核をしっかりと持つことが重要

――記者の仕事を行う上で大事にされていることはありますか?

記者というのは「人とモノと思いを結び付ける」仕事だと思っています。なので、誰に何を伝えたいのかというイメージをしっかりと持っていなければなりません。
私が関わっている雑誌『婦人之友』のターゲットは、家庭を持った主婦の方々です。ですから、そのような方々の日々の心の動きに対して常にアンテナを張って、情報収集に努めることが大事です。


――一般の主婦の方々に接する機会は少ないと思うのですが、どうやって情報収集しているのでしょうか?

主婦の方々に直接話を聞くことも一つの方法ですが、それだけではありません。例えば、テレビや映画を見て世の中の流行を知ったり、他社が出版している雑誌に目を通したりすることも大事です。
特に女性誌では、どういうテーマを扱っていて、どんな誌面作りをしているのかについてのリサーチは欠かせません。表紙の見せ方、どんな写真を使っていてどうやって配置しているのか、使っている紙質など、情報は山のようにあります。そういうことを拾い集め続けることが、雑誌作りには求められています。


――情報収集のため書店の女性誌コーナーで立ち読みをすることもあるそうですが、周りの人から変な目で見られることはありませんか?

最初はやっぱり他の人の視線が気になりましたが、もう慣れてしまいましたね。他人からの見た目を気にするよりも、本当に必要な情報を手にする方が大事ですから。

料理、子育に関わっているからこそ、読者の気持ちが分かる

「女性の視点に立つのは大変です」と山下さん

「女性の視点に立つのは大変です」と山下さん

――女性誌の仕事を男性がする上で大変なことはありますか?

記事の執筆や編集作業そのものに男女差はありませんが、女性よりもアンテナを敏感にしないとついていけない面はありますね。例えば、弊誌では料理や子育て、手芸といったテーマを取り上げることがありますので、読者と同じ視点に立つため、料理や子育ては積極的にやっています。手芸はなかなか難しいですが……(笑)。まずは、自分自身が"暮らし"を実践することが必要になってきます。

あと難しいのは、いわゆる「お母さんネットワーク」に入りづらいということです。ネットワークに入れないと、主婦の方々の生の声が拾いにくいということはありますね。
子どもが通っている小学校では、毎朝8時半から父兄が参加できる読み聞かせの時間があるので、「お母さんネットワーク」とつながりを持つためにも月2回ほど参加しています。他のお母さん方とコミュニケーションが取れるので、そういう機会は大事にしています。


――出版業界に入って驚いたことはありますか?

弊社だけかもしれませんが、なぜか「お父さん」の姿を表紙に加えると売り上げが落ちるというジンクスがあります(笑)。女性誌においては、ファミリーを対象にしたテーマであったとしても男性的な印象は違和感を与えてしまうようです。表紙はまさにショーウィンドウと同じなんだと思いましたね。

また、言葉の使い方にも驚きました。学生のころは、論文調に専門用語を用いて文章を書くのがいいと思い込んでいましたが、雑誌ではなるべくシンプルに、分かりやすく書く必要があります。記者の主観はなるべく入れずに素直な文章を書く、これが意外と大変です。
女性誌の場合はなおのこと柔らかい表現を使うケースが多いので、ともすると男性的な文章になりがちな自分にとっては、そうした表現を求められる文章を書くことにだいぶ苦労しました。

いい記事を書くのは好奇心旺盛で遊び上手な人

――雑誌記者にはどんな人が多いのでしょうか?

情報をまとめる能力に長けた人が多いです。あとは、いろいろなことに関心を持って追求する人が多いので、一風変わった人が多いように思います。優等生タイプよりも、遊び上手な人が多い印象ですね。そういう人の方が引き出しも多く、深く突っ込んだ記事が書けるのだと思います。特に素晴らしい雑誌記者にはそういう人が多いと思います。

いい記者というのは、ちょっと先に対する先見の明があってそれを明確に伝えられる人や、目に見えないけれども皆が大事にしていることを言葉やイメージで形にして、読者からの共感を得られる人です。
面白いと思ったことを執筆し、それが読者に伝われば雑誌は売れるものです。売れたということは、読者にきちんと思いが伝わったという意味で、いい記事、いい企画だったといえます。いい記者はいい記事をたくさん書くことで、”思い”を発信できる力を持っています。


――急速にデジタル化が進んでいますが、出版業界にも影響が出ていますか?

もちろん影響はあります。出版業界は斜陽産業(生産や売上が低迷している産業)といわれ、デジタルコミックなども増えてきています。でも実際には、生産年齢人口(15歳~64歳)が今と同程度の1975年(*1)と比べてみると、販売部数はほぼ同じくらいないんです。一方で、出版点数は当時より増えています(*2)。出版物の過当競争が続いていて、売れない本を一生懸命に作っている状況なんです。
小さな書店がつぶれるのは、地方都市の過疎化やネット通販など、本の販売形態の変化によるものと考えるのが妥当だと思います。いい本がきちんと売れてくれるように、実のある企画を出せるように、これからも頑張っていきます。

*1:総務省統計局・人口推計資料
http://www.stat.go.jp/data/jinsui/pdf/201702.pdf

*2:参考文献
『「本が売れない」というけれど』(ポプラ社/永江朗/2014年)
『2014年版出版指標年報』(全国出版協会・出版科学研究所)


男性が多い業界もあれば、女性が多い業界もあります。多様性が求められる時代になったとはいえ、自分がマイノリティー(少数派)であるときに大切なのは、「自分の役割を確立すること」とおっしゃる山下さん。男性として女性誌作りに関わる上で、女性ではなかなか気づけない男性の視点を大切にしながら、女性の視点を理解するための努力も欠かさないように気を付けているそうです。
「本当に読者に共感される雑誌を作ることができれば、紙の雑誌でもちゃんと売れる。そのために、世の中の多くの家庭に思いを届ける」という山下さんのような雑誌記者一人ひとりの信念が、出版業界を支える力となっています。

ブログやTwitter、Instagramなど、個人が簡単に情報を発信できる手段が増えてきている現代では、不特定多数の人の目にふれる文章を書くということにおける責任や自覚が薄れてきている面があります。しかし、文章を書くプロである雑誌記者を目指すのであれば、 自分が発信する情報が本当に正確なものなのか、独りよがりになっていないかなどについて常に意識し、情報収集し続ける必要がありそうですね。


【profile】株式会社婦人之友社 婦人之友編集部 山下謙介

婦人之友社 http://www.fujinnotomo.co.jp/

この記事のテーマ
マスコミ・芸能・アニメ・声優・漫画」を解説

若い感性やアイデアが常に求められる世界です。番組や作品の企画や脚本づくり、照明や音響などの技術スタッフ、宣伝企画など、職種に応じた専門知識や技術を学び、実習を通して企画力や表現力を磨きます。声優やタレントは在学しながらオーディションを受けるなど、仕事のチャンスを得る努力が必要。学校にはその情報が集められています。

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この記事で取り上げた
「雑誌記者」
はこんな仕事です

雑誌に掲載する企画によって原稿を書く仕事。担当するページ・コーナーは編集者と二人三脚でつくり上げる。編集会議で企画の趣旨が決まったら、取材対象の人物やスポットをセレクトし、アポイントを取り付ける。カメラマンやイラストレーターを伴って取材を実施し、持ち帰って記事を作成。誌面には写真など文章以外の要素も盛り込まれるため、そのバランスを見て原稿を作成することになる。エンタテインメント、スポーツ、政治など得意分野を持って活動している人が多い。

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