【シゴトを知ろう】日本語教師 ~番外編~

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【シゴトを知ろう】日本語教師 ~番外編~

2017.04.07

提供元:マイナビ進学編集部

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【シゴトを知ろう】日本語教師 ~番外編~

企業や大学、日本語学校で日本語を教えている河野礼実(かわのあやみ)さん。日本語教師として忙しい毎日を送る一方で、大学院で日本語学を学ぶという研究者の顔も持っています。日々の仕事が本当に楽しいと笑顔で話す河野さんに、日本語教師に求められる役割や資質などについてお話しいただきました。

この記事をまとめると

  • 授業の出席率が悪いと日本に滞在できなくなる!? 留学生の生活指導に関わることも
  • 話せることと教えることは別物。専門職である日本語教師に求められる能力とは?
  • さまざまな人たちに求められている日本語教師。能力に対して対価が得られる仕組みが必要

語学だけではない! 日本語教師の担う役割

――業界や職務内での、一般人が知らない業界用語はありますか?

日本語学習のテキスト、例えば『みん日(みんなの日本語)』は一般の方は知らないかもしれませんね。『みん日』は、この業界では誰もが知るとても有名なテキストで、メインテキスト以外に、いろいろな言語を用いて日本語の文法を解説するサブテキストもあります。

また、動詞のフォーム名(語尾の言い回し)には「て形」「ない形」など独特な呼び方があります。例えば、「食べる」の「て形」は「食べて」になり、「ない形」は「食べない」となります。他にも「辞書形」「受身形」などがあるんですよ。

教え方に関する用語としては、「チェーンドリル」「オーディオリンガルメソッド」などがありますね。「チェーンドリル」とは、講師がある生徒さんに質問し答えた後、その生徒さんが別の生徒さんに質問をするということを次々に行っていくことで繰り返し学ぶ練習方法です。「オーディオリンガルメソッド」は、頭で考えて話すのではなく文型が自然に口から出てくるように、機械的に反復練習を行う方法です。例えば、講師が言った文をまねしたり、文の中の語彙を入れ替えて言ったりする練習をします。他にもさまざまなメソッドがあるので、状況に応じて活用しています。


――その他、一般の方に言うと驚かれる業界の常識はありますか?

日本語学校の講師の仕事で「クラス担任」になると、授業だけではなく進学指導や生活指導なども講師が行うことがあります。
留学生は学生ビザで来日しているので、授業の出席率が悪くなると日本に滞在できなくなります。ですから、きちんとした生活リズムを保ち、毎回授業に出席するように生活指導をしています。また、アルバイトを行っている方も多いので、学業と両立できるよう無理のないアルバイトを行うようアドバイスしています。

それから、よく驚かれるのは、ベトナムやネパール出身の留学生が急増していること。日本語教育に関わっていない一般の方の多くは彼らの存在に気付いていないかもしれませんが、現在、留学生の出身地として中国の次に多いのは、ベトナム、ネパールなんです。
日本語教師というと、英語を母語とする人に日本語を教えているイメージを持たれているかもしれませんが、英語を話せる人だけが「外国人」ではありません。ベトナムやネパール出身の彼らは、日本の中で「見えない存在」になっているように感じています。

言葉を扱う仕事だからこそ、人とのつながりを大切に

授業で使用しているさまざまな日本語の教材

授業で使用しているさまざまな日本語の教材

――日本語教師に向いている性格はありますか?

人と対話するのが好きな人ですね。人と話すのが苦痛な人、人の話を聞くことができない人は向いていないと思います。自分だけべらべら話すような人も向かないです。
また、チームティーチングが多いので、生徒さんだけではなく他の講師の方ともしっかりコミュニケーションが取れることが大切です。
自己内省を忘れず、自分が教師として成長するためにはどうしたらいいかを考えられる人も向いていますね。自分のイメージや偏見だけで相手や物事を判断してしまう人は、向いていないと思います。

そして、授業中には思いがけない質問を受けたり、授業が計画通りに進まないこともありますので、そんなときに臨機応変に対応できることも必要です。
それから、「日本語が話せるから教えるのは簡単」という安易な考え方だと長続きしないと思います。やはり、話せることと教えることとでは技術の段階が全く違うと感じますし、日本語教師としての専門性はそこにあります。


――業界内の横のつながりは多いですか? また、どのようなお話をされているのでしょうか?

多いです。狭い業界なので横のつながりはとても大切です。時には仕事を紹介していただけることもあります。勉強会や学会に参加して、担当している授業のことをお互いに話すことが多いですね。

日本語教師は体が資本なので体調管理が大切なのですが、「学期末や学期終了後に体調を崩す人が多いね」と日本語教師仲間でよく話しています。緊張の糸が切れた瞬間に体調を崩してしまうのかなと思います。

職業としての日本語教師を確立させるためには……

――業務をされてから一番驚かれたことは何ですか?

日本語を学びたいと考える人たちの多さや多様さです。出身国はもちろん、年齢・母語・来日理由・日本語を学ぶ目的・宗教・経歴・価値観もさまざまで、本当にいろいろな背景を持った方がいらっしゃいます。

一方で、日本語教師に求められるボランティア精神があまりに強すぎるという課題もあります。そういった精神は大切なのですが、職業として日本語教師を確立するには、専門性の高い役割に対してきちんと対価を得られるような仕組みや価値観が大切だと感じています。


日本語を身に付けて活躍したいと考える人たちを語学面からサポートする日本語教師という仕事。言語を教えるためにさまざまな理論や学習方法を理解する必要があるだけではなく、日本語を学ぶ人たちの目的や習熟度に合わせて柔軟に授業を進めることができる対応力やコミュニケーション力が求められるようです。日本語教師に興味のある人は、日本語の文法や言語の教授法などについて学ぶだけではなく、人に何かを教えるという経験をしておくといいかもしれませんね。


【profile】日本語教師 河野礼実(かわの あやみ)

この記事のテーマ
語学・国際」を解説

外国語を自在に使い、コミュニケーションを図る表現力を実践的に学びます。国際情勢などの知識、情報を収集する好奇心、語学力向上の努力が常に求められます。資格取得を目指すカリキュラムもあります。将来の仕事としては、日本語と外国語を翻訳・通訳することで双方の意志疎通の手伝いをするなど、海外との橋渡しをする職業が考えられます。

「語学・国際」について詳しく見る

この記事で取り上げた
「日本語教師」
はこんな仕事です

日本語が母国語ではない外国人に教えるケースが多い。「日本語教育能力検定試験」という検定もあるが、資格そのものは必須ではない。活躍のフィールドは国内外に広がっており、日本に住む外国人や留学生に指導する場合もあれば、海外の日本人学校で教えたり、日本企業の海外工場で現地従業員を指導するようなケースも見られる。日本語の意味や文法、読み書きを正しく身に付けていることが原則で、効率よく学習できるカリキュラムづくりや、相手の国の言語・文化を理解した上での柔軟なコミュニケーション能力も重要になる。

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