【シゴトを知ろう】逐次通訳者 ~番外編~

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【シゴトを知ろう】逐次通訳者 ~番外編~

2017.04.06

提供元:マイナビ進学編集部

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【シゴトを知ろう】逐次通訳者 ~番外編~

言語は、地域や性別、年代によってその使い方が変わってくることがあり、また、日々新しい用語や言い回しが生まれてきています。日本に住む通訳者は、どうやって言語の勉強をしているのでしょうか?
エンターテインメント関連会社で通訳者として働いている平田志緒さんに、言語の勉強方法や通訳者に女性が多いわけなどについて教えていただきました。

この記事をまとめると

  • 新しい言葉、変化する言葉に対応するため、常にスキルアップが必要
  • 女性、フリーランスで働く人が多い。求められるのは通訳技術と集中力
  • 一生現役で働ける仕事。さまざまな分野や職業に関わることによって、路線変更する通訳者も

誰でも名乗れる「通訳者」。資格ではなく実力で勝負

――通訳者になるのに国家資格は必要でしょうか?

逐次通訳者になるための国家資格はありません。自分で「通訳者」と名乗れば、通訳者といえるのかもしれませんね(笑)。
ただ、外国人に日本の観光地を案内する通訳ガイドには、「通訳案内士」という国家資格が必要になります。これは、日本を訪れた外国人に日本のことを正しく理解していただくために設けられた資格です。私も取得しましたが、日本の地理や歴史、産業といったいろいろな知識を問う試験にパスしなければなりません。
正しい情報を伝えるためには、その情報の背景にある知識が求められます。たとえ国家資格が必要では無いとしても、通訳者はそういった勉強を常にしないといけません。


――普段はどのような勉強をしてスキルアップしているのですか?

情報収集はとても重要です。会社ではチームで仕事をしているので、同じチームの通訳者とは、世間では今どんなことがニュースになっているのか、前の会議ではどんな話題が出たのかということについて常に情報交換しています。
他には、英字新聞を読んでいわゆる時事英語の知識を収集しています。新しい言葉が次々と出てくるので、それらをしっかり把握しておかないと、いざというときに言葉が出てこなくなってしまうからです。
ニュース番組を二重音声にして聞くのも訓練になりますね。同時通訳をすることもあるのですが、英語を聞きながら日本語を話す、あるいはその逆を行うには高い集中力が必要です。他の方がどのように通訳しているのかを聞いて、参考にしています。

脳みそフル回転!! 集中力が必要なため交代で通訳することも

――通訳者にはどんな方が多いのでしょうか?

女性がとても多いですね。男性の通訳者ももちろんいますが、女性にとって働きやすいのが理由だと思います。
ほとんどの通訳者はフリーランスとして通訳の派遣会社に登録をしていて、私のように企業に正社員として雇われているケースはまれです。出産や育児といったライフイベントがあると、正社員として働き続けることが大変なときもありますが、フリーの通訳者であれば時間のやりくりがしやすいため、女性にとっては働きやすい職種といえるかもしれません。

ちなみに、通訳者になる人の年齢は20代後半から30代が多いです。簡単な通訳の仕事を経験したことをきっかけに、本格的に目指す人が多いみたいです。


――普段の仕事はどのように進めているのでしょうか?

通訳は非常に集中力が必要とされます。ですから、長時間にわたって1人で通訳を行うケースはあまりありません。1人で通訳するときは、逐次通訳であれば2時間が限度ですね。常に相手の発言を聞くことに集中し、それをすぐに翻訳して話すということを繰り返さなければいけないので、一瞬たりとも気を緩めることができません。

同時通訳になるとさらに大変です。1時間の会議でも2人の通訳者が入り、15~20分ほどで交代します。常に脳みそをフル回転させているので、仕事が終わるとグッタリします(笑)。通訳の質を保つためには、そういった通訳者同士の助け合いも欠かせません。


――通訳者の横のつながりは強いのでしょうか?

会社の中でチームで仕事をしている場合は強いつながりがありますが、一般的にはフリーランスの方が多いので、普通はそこまで強いつながりがあるわけではありません。ただ、知り合いの通訳者を通じて仕事を依頼されることもありますし、つながりが全く無いわけではありませんね。

怖いのは失敗したときです。大事なところで誤った通訳をしてしまい問題が起きてしまうと、通訳者のネットワークであっという間に情報が広がるんです。そうなるとその後の仕事に支障が出るので、通訳者はみんな必死に勉強しています。

ジョークや駄じゃれの通訳は難易度高!

――通訳者のレベルはどうやって判断されるのでしょうか?

不思議なことに、長く続けているからといって通訳が上手になるわけではありません。ちょっとした言葉選びで受け取る側の印象が大きく変わってくるため、言葉のセンスが必要ですね。また、難しい専門用語に対応できるか、もし用語を知らなくても適切な説明ができるかという技術も求められます。

通訳の派遣会社によっては通訳者をランク分けしていることがありますが、これはその会社に登録して受けた仕事の難易度に応じて評価されるものなので、十分な客観的指標とはいえません。もちろん、国際会議や首脳会談などで通訳をしている人のレベルは非常に高いものです。

先日、ピコ太郎さんが日本外国特派員協会で会見した際の通訳者は素晴らしいと思いました。通訳をしていてよく困るのが、ジョークや駄じゃれを言われたときです。すぐに適切な通訳ができないことがよくあるのですが、話し手のテンションに合わせた通訳をパッとしていて、これはすごく勉強になるなぁと思って見ていました。


――通訳者はずっと通訳の仕事を続けていけるのでしょうか?

脳と耳がしっかりしていれば、70歳を過ぎてもできるのが通訳の仕事です。実際、高齢の通訳者の方もいらっしゃいます。
ただ、通訳者を通過点として別のキャリアを選択する方もいます。あるプロジェクトに関わって通訳をしていた時に、プロジェクト管理に興味をもったことがきっかけで、より実務的な職業を選択した知り合いもいます。

通訳は人の発言を翻訳して伝える仕事なので、自分から意見を発信するということはありません。自分の意見を言いたい人は、途中で路線変更していると思います。通訳が入り口だとさまざまな仕事に関わることができるので、そういう意味では職業選択の幅が広がるかもしれませんね。


通訳業界の細かいところまでいろいろとお話しくださった平田さん。英字新聞を読んだり二重音声のニュースを聞いたりと、日々英語のスキルアップに努めていらっしゃるそうです。努力の積み重ねが、高い集中力を可能にするんですね。
自分の意見は発信せず、中立の立場に徹して企業や個人の円滑なコミュニケーションをサポートする通訳者の仕事。語学力や情報収集能力だけではなく、バランス感覚も必要とされる仕事のようです。日本とは異なる文化や生活習慣を持つ方と接することが多い仕事ですので、柔軟性のある人や多様な価値観を楽しめる人が向いているかもしれませんね。


【profile】逐次通訳者 平田志緒

この記事のテーマ
語学・国際」を解説

外国語を自在に使い、コミュニケーションを図る表現力を実践的に学びます。国際情勢などの知識、情報を収集する好奇心、語学力向上の努力が常に求められます。資格取得を目指すカリキュラムもあります。将来の仕事としては、日本語と外国語を翻訳・通訳することで双方の意志疎通の手伝いをするなど、海外との橋渡しをする職業が考えられます。

「語学・国際」について詳しく見る

この記事で取り上げた
「逐次通訳者」
はこんな仕事です

逐次(ちくじ)通訳は、発言者の話が一段落したタイミングで通訳する。発言者が話している間はメモを取り、数十秒から数分単位で話題を区切って、正確に翻訳内容を伝える。発言者本人にその場で細かな意図を確認することはできるが、ネイティブの発音、早口な言葉を聞き逃すわけにはいかない。高いヒアリング能力、スピーディーな翻訳能力が必須だ。事前に通訳する話題の下調べを行うことが現場で役立つ。海外と取引のある企業での需要は高く、採用試験には「TOEIC」や「英検」「ビジネス通訳検定」などが高く評価される。

「逐次通訳者」について詳しく見る