【シゴトを知ろう】照明 ~番外編~

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【シゴトを知ろう】照明 ~番外編~

2017.04.05

提供元:マイナビ進学編集部

【シゴトを知ろう】照明 ~番外編~

フリーランスで照明の仕事をしている柏倉誠さん。映像の印象を左右したり、演出やカメラの構図にまで影響を与えるのが照明の仕事だというお話を「【シゴトを知ろう】照明 編」で伺いました。
番外編では、業界用語や照明テクニック、撮影現場のエピソードについてご紹介します。

この記事をまとめると

  • 影を操って緊迫感を演出! 映像に膨らみを持たせることができる照明の力
  • 美人度5割増し!? 柔らかな肌やキラキラした目は照明でつくれる!
  • 技術が加速度的に進歩する映像の世界。求められる技術も変化している

あの名作映画にも照明のテクニックが使われている!

――撮影現場ならではの業界用語はありますか?

撮影現場で使う業界用語の一つは「ワラウ」ですね。これはカメラの画角から邪魔なものを移動する際に使います。カメラに照明機材が映ってしまうと「そのライトをわらって!」と言われます。慣れたスタッフだとその言葉を聞いて手際よくライトを移動しますが、たまに「笑う」と勘違いする新人スタッフがいますね(笑)。

「バラシ」という用語もあります。これはセッティングした機材を解体する用語で、本来であれば、この言葉が出るとそのシーンの撮影が終了したことを意味します。照明としては精神的に安堵する言葉なのですが、時には演出意図が変更となり、セッティングを何度もやり直すというつらい意味にもなります。撮影現場で何度も「バラシ」という言葉が出る時は、間違いなく後者の意味です(笑)。


――誰でも分かるような照明テクニックの一例を教えてください。

入門的なテクニックとして、影を使った照明方法があります。「光あるところに影ありき」という言葉があるように、影を操作することで映像ストーリーに緊迫した世界感が広がるんです。サスペンス映画の傑作といわれる『第三の男』(1949年/イギリス)のワンシーンで、地下水路の壁に映り込んだ迫る人の影はその一例です。
私の経験では、女性の頬に草木の影を映したことがあります。そのちょっとしたテクニックで映像のニュアンスがより情緒的になりました。みなさんも機会があれば影に注目してみてください。結構楽しめますよ。

一番難しいのは人間! 微妙な色艶には繊細さが求められる

合成映像のスタジオ撮影に臨む柏倉さん

合成映像のスタジオ撮影に臨む柏倉さん

――撮影現場で大変だったエピソードを教えてください。

どの撮影現場も大変ですが、そんな中でも記憶に残っているくらい難しかったのは、某タレントさんの目の照明ですね。
人間の目の照明は、絵画でよく見る手法と同じように、最後の仕上げで命の輝きをともすような白点をその瞳に映し込みます。映し込む白点は、ライトや反射用のカポックと呼ばれる発泡スチロール板、時には白い衣装などさまざまです。しかし、この時はタレントさんの目が細すぎてなかなか映り込まず、現場の監督はいら立つしタレントさんの表情は曇り出すしと、本当に四苦八苦しましたね。


――一番気を使う照明は人間の瞳ということでしょうか?

確かに瞳を輝かす映り込みの照明には気を使いますが、一番繊細なのは人肌の照明ですね。特に頬の色艶は表情のニュアンスに影響するので、ライトが暑くないかまぶしくないかなど、細心の注意を持って臨みます。
ちなみに、映像で表現するいい肌色とは柔らかい印象を与える肌色です。この柔らかさをつくるには微妙な影のタッチが重要で、すごく繊細な照明作業が求められます。


――撮影現場で起きたおもしろいエピソードを教えてください。

撮影が深夜まで続きみんな非常に疲れていたとき、次のライトセッティングに向けて照明機材を移動するとなぜかスタッフが少ないのです。これはおかしいと思い周囲を見渡すと、どこからかイビキの音が! 何と照明スタッフがスタジオの隅でカポック(*)を簡易ベッドにして寝ていたんです(笑)。
その時は怒るに怒れなくて本当に笑っちゃいました。カポックは発泡スチロールで作られているので、寝るのにちょうどいい硬さなんですよね。

* カポック:発泡スチロール製の簡易レフ板。間接的に照明を当てるときに使われる。

光を当てるだけじゃない! 必要な技術は撮影現場によって異なる

――全く照明を使わない撮影はあるのでしょうか?

ありますね。監督の好みだと思いますが、照明を使わないノーライトというスタイルで行う撮影もあります。特にロケーション撮影と呼ばれる野外撮影では太陽が照明となるので、基本的に照明は使わずにレフ板という反射板を使用します。
とはいえ、雲の影響で突然暗くなることもあるので、その時は出演者に向けて照明を使いますよ。また、影をあえて強調するために完全ノーライトで撮影した映像作品もあります。


――映像分野における今後の照明の役割について、一言お願いします。

近年、映像世界では合成技術が進化し、美術セットのないスタジオ空間での撮影が多くなってきています。何もない空間で役者が演技をするため、照明スタッフには合成イメージを想像する力がより必要とされています。
ひと昔前の撮影現場には美術セットがあり大掛かりな照明を作り込めましたが、今は映像の合成がしやすいシンプルな照明が求められる時代です。これからも映像制作における合成技術は進化するでしょう。当然、照明という技術もデジタル化していきます。それでも照明という仕事は、映像表現に命を吹き込み続けます。


映像制作には欠かすことができない照明のお仕事。職場である撮影現場について、まるで楽しい遊び場のように語る柏倉さんの笑顔が印象的でした。しかしその一方で、照明機材や照明テクニックの話をする時に垣間見せた真剣な表情は、まさに職人。自分の追い求めるものを追求し続けている様子がうかがえました。
今、映像業界は合成技術のデジタル化が進んでいるそうです。SNSやアプリゲームが得意なデジタル好きの人は、照明の仕事にも肌が合うかもしれませんよ。


【profile】照明 柏倉誠

この記事のテーマ
マスコミ・芸能・アニメ・声優・漫画」を解説

若い感性やアイデアが常に求められる世界です。番組や作品の企画や脚本づくり、照明や音響などの技術スタッフ、宣伝企画など、職種に応じた専門知識や技術を学び、実習を通して企画力や表現力を磨きます。声優やタレントは在学しながらオーディションを受けるなど、仕事のチャンスを得る努力が必要。学校にはその情報が集められています。

「マスコミ・芸能・アニメ・声優・漫画」について詳しく見る

この記事で取り上げた
「照明」
はこんな仕事です

映画やテレビの撮影で照明を担当する仕事。質の高い映像を撮影するには、人間の目で感じるよりも強い光が必要となるため、照明専用の機材が数多くある。照明を担当するスタッフはこうした機材を駆使し、どのような環境にも対応できる技術を習得している。たとえば、映画やドラマなどでは、照明スタッフが監督やカメラマンの意図を理解し、ライトの種類や当て方を変えて、イメージ通りの撮影環境をつくり上げているのだ。職業にするには、専門学校で知識を学んだ後、映像制作会社などに就職するのが第一歩となる。

「照明」について詳しく見る