【シゴトを知ろう】フリースクールで働く人 編

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【シゴトを知ろう】フリースクールで働く人 編

2017.04.26

提供元:マイナビ進学編集部

【シゴトを知ろう】フリースクールで働く人 編

人間関係がうまく築けなかったり、団体行動になじめず学校に通うことができない子どもたちに、学習する機会や人と交わるきっかけを提供しているのがフリースクール。2016年12月、学校に通えない子どもたちを支援するための「多様な教育機会確保法」が成立し、今後フリースクールを取り巻く環境に新たな変化が予想されます。
今回は、宮城県仙台市で活動しているユースサポート賛玲(さんれい)で代表を務めている坂井純也さんに、お仕事内容やフリースクールに関わるようになったきっかけについてお話を伺いました。

この記事をまとめると

  • フリースクール職員は子どもの代弁者。発しているサインを両親や学校の先生に伝える
  • 価値観を変える出会いによって、フリースクール立ち上げへと導かれた
  • 子どもたちの声に耳を傾けて居場所をつくる。引っ張るのではなく寄り添う気持ちが必要

親御さんも悩んでいる。子どもではなく家庭を支援する仕事

Q1. 仕事概要と一日のスケジュールを教えて下さい

当フリースクールに通う生徒は、最年少は小学4年生、最年長は37歳で、口コミで来られた人たちばかりです。まず、親御さんと面談し、週5日通ってくる子ども、月1回の面談を行う家庭など、それぞれの要望に合わせて対応しています。

フリースクールとは、「学校や家庭に居場所を見つけられない青少年の居場所」として機能する場所で、子どもの学力を養うことや昼食の提供などを行いますが、それ以外の時間は子どもたちが伸び伸びと過ごせるようにしています。フリースクールを利用する子どもたちはほぼ例外なくこのバランスが偏っているため、それを整えるのが務めです。
ただ、こちらが必要だと思うことを強制するのではなく、子どもたちが自分の意志で選択できるように提案することを心がけています。勉強であればやりたい科目、食事であれば食べたいものを尊重した上で提供しています。また、人間関係を築くことによって生まれる喜びが味わえるように、2人以上で遊ぶためのサポートも欠かせません。

2009年から、発達障害を抱える人たちを支援するために有志で立ち上げたフリースクールで活動していましたが、2012年に独立してフリースクールを立ち上げた後は、連携先を見つけながら1人でサポート体制を整備してきました。賃貸マンションの一室をフリースペースとして利用しているのですが、フリースペースは、日頃から疎外感に苦しむ青少年にとって本来の自分に立ち戻ることができる空間であり、そこで本当の自分と向き合い、よりよい自分の生き方を見つけることができると考えています。

<ある一日のスケジュール>
08:30 児童や生徒を自宅まで迎えにいく
10:00 フリースペース到着、始まりの会(近況報告と今日の見通し)
10:30 学習時間
12:00 ランチ
13:00 フリータイム(ゲーム、動画視聴、歌、絵画工作、睡眠など)
15:00 終わりの会(今日の振り返りと今後の見通し)
16:00 児童や生徒を自宅まで送り届ける
17:00 家庭訪問(登校するようになったAさんの学習サポート)
20:00 家庭訪問(登校するようになったBさんと親御さんと面談)


Q2. 仕事の楽しさ・やりがいは何ですか?

やりがいはたくさんありますが、親御さんが穏やかに変わっていく姿を見ることが一番ですね。
フリースクールが受け入れているのは子どもなので、子どものための組織という印象が強いかもしれませんが、親御さんも子どもの将来について深く悩まれています。フリースクールは、子どもの支援というより家庭の支援といえるかもしれません。


Q3. 仕事で大変なこと・辛いと感じることはありますか?

子どもたちの発しているサインを、親御さんや通っている学校の先生にうまく伝えられない時に仕事の難しさを感じます。
フリースクールで働く職員は、子どもの代弁者という重要な役割を担っています。それを十分に果たせない時は、「辞めたい」と思うほどのふがいなさを感じてしまいます。だからこそ、仕事には常に全力で取り組み、自分たちの諦めない姿が子どもたちにいい影響を与えるよう努めています。

教育学、哲学について学んだ経験が生きている

秋には米の収穫体験をすることも

秋には米の収穫体験をすることも

Q4. どのようなきっかけ・経緯でこの仕事に就きましたか?

大学卒業後は進学塾の講師や家庭教師をしていました。ある時、講師研修で、自閉症や発達障害支援の分野で活躍されているNPO法人自閉症ピアリンクセンターここねっと理事長である佐藤秀明さんのセミナーを受ける機会があったんです。
その内容に私は頭をガツンとたたかれたような衝撃を受けました。中でも、「先生とは、成長過程の中にいる子どもが間違っても失敗しても、ただ認める存在である」という概念はそれまでの私の価値観とは180度違うもので、その後の教育観に大きな影響を与えました。

セミナー終了後、不登校で悩んでいる中学3年生たちの受験の手伝いを佐藤さんから頼まれ、今まで培ってきたものを生かせるチャンスだと思い引き受けました。支援がうまくいって志望の高校に合格できたのですが、その時、親御さんが涙を浮かべて喜んでいる姿を見て、言葉にできない充実感を得られたんです。
同時に、「この子たちともっと早く出会えていれば」という思いや「もっとつらい状況の家庭もあるだろう」という問題意識が湧いたことが、フリースクールの仕事を始めるきっかけとなりました。有志でフリースクールを立ち上げた後、2011年の東日本大震災を機に独立を考え、翌年独立して現在に至ります。


Q5. 大学では何を学びましたか?

教育大学に通っていましたが3年生の時に退学し、別の大学の哲学科に編入しました。高校の倫理の授業で思想や社会の在り方について考えたことがきっかけで教育学を志したのですが、本当に学びたいことは教育学ではないと気づいたからです。編入後は哲学的な教養を深め、通信教育課程でしたがなんとか卒業することができました。


Q6. 高校生のとき抱いていた夢が、現在の仕事につながっていると感じることはありますか?

夢ではありませんが、高校の時に実践していた学習方法が今、子どもたちを指導する上で生きていると思います。塾や家庭教師を利用せずに大学へ進学できたことは、確かな自信となっています。

今しかできない経験を楽しむことが、豊かな人生につながる

Q7. どういう人がフリースクールで働く仕事に向いていると思いますか?

フリースクールでは、通ってくる人たちの居場所をつくることが一番の仕事です。そのため、学校の先生のように人を引っ張る人よりも、自主性を尊重する聞き上手な人が向いています。一般的な学校のような具体的なカリキュラムや目標はなく、それぞれの個性や要望に合わせてサポートしていくことが求められるので、子どもたちの声に真剣に耳を傾けられる人が深く信頼されるでしょう。


Q8. 高校生に向けたメッセージをお願いします

「よく遊び、よく学び、よく食べる」、これをしっかりと実践してほしいです。この3つのバランスを整えることが、感性の豊かな人になるための下地になります。その上で、今しかできない経験をたくさんしてください。長い人生の中では、どんな経験も誰かを助ける資産となります。


フリースクールは、学校や家庭で居場所をなくした子どもたちにとって、希望の場ともいえるかもしれません。子どもの心の問題を解決する方法に正解はなく、親御さんや学校との連携が必要になってきます。フリースクールで働くことに興味のある人は、教育について学ぶだけではなく、人間の行動や心理についての知識も深めておく必要がありそうですね。


【profile】一般社団法人 ユースサポート賛玲(さんれい) 代表 坂井純也

この記事のテーマ
教育」を解説

教育機関や子ども向けの施設で、教育指導に関わる仕事を目指します。小・中学校や高等学校の教員を目指す場合、大学や短期大学の教職課程で学ぶ必要がありますが、専門学校の中にも、提携する大学や短期大学の通信教育を受けて、教員免許状を取得できる学校もあります。語学教師や臨床心理士など希望する職種により、必要な資格や免許が異なります。

「教育」について詳しく見る

この記事で取り上げた
「フリースクールで働く人」
はこんな仕事です

フリースクールとは、国によって概念は異なるが、日本では不登校や登校拒否の児童や生徒を対象に、学習や交流活動をサポートする施設を指す。2001年にNPO法人フリースクール全国ネットワークが結成され、全国各地のスクールが加盟。これらの学校で教員として働くためには、学習指導能力に加えて、軽度の発達障害児なども含めたあらゆる個性を持った子どもや、その親とコミュニケーションする力が求められる。教育の多様化に応えるという社会貢献ができる職場ではあるが、そこで働く人はボランティアが多いのが現状だ。

「フリースクールで働く人」について詳しく見る