今や普通になってきてる!? 男性メイクの今昔
メイン
テーマ

「男が外見にかまけるなんて情けない」という時代は過去のもの。むしろ現代では、男性の身だしなみは重要になっています。そこで男性のメイクの歴史を、エピソードとともにのぞいてみましょう。
この記事をまとめると
- 男性にとってのメイクは、身分の高さをアピールするものだった
- 「男らしさ」が重視され始め、男性のメイクはヒゲ中心に変わった
- 現代では、ミュージシャンが男性メイクの復権を果たそうとしている
身分の高さを表すため、古代の男性はメイクにご執心だった
現代の男性は、メイクには熱心だとはいえないですよね。美容の観点からスキンケアをする男性は増えていますが、メイクとなると、せいぜい眉やヒゲを整えるくらいが一般的です。男性の中では、ヒゲと眉だけがメイクだ、と考えている方も少なくないかもしれません。
ところが古代では、呪術的意味合いと社会的地位のアピールのため、むしろ男性のほうが積極的にメイクを行っていたのです。これは世界中どこでもそうでした。むしろ女性はメイクを許されない時代でもあったのです。身分の高さを表すものがメイクであり、選ばれた身分であるからこそ、男性はメイクを行っていたといえます。もはや“美容”というより“武装”です。
また王侯貴族が権力を握っていた17世紀のフランスでは、女性以上に男性もおしろいを濃く使い、さらにつけぼくろで肌の白さをアピールしていました。このエピソードは、貴族が外で労働をしなくていい身分であったことの象徴でもあります。この時代は美容的な意味で美しさも重視されており、男性の身だしなみとしてメイクは欠かせなかったのです。
「男らしさ」が重視されると男性のメイクはヒゲに変わっていく
時代に変化とともに、男性のメイクはヒゲにとってかわられます。立派なヒゲをたくわえ、ダンディな容姿でいることが男性の価値を高めました。つまり「男らしさ」のアピールが重要になっていったというわけです。美容よりも振る舞いが重視されるようになり、この時代になると女性のメイクのほうがバリエーションも増え、一般女性においても身だしなみとして定着します。
日本に目を向けても、貴族の世から戦国時代に変わった段階で、男性のメイクはおしろいではなくヒゲにとってかわられました。ヒゲも一種のメイクとしての意味合いを持ち、男性はこぞってヒゲをたくわえたのです。ヒゲがないことは恥とされ、「ヒゲなし」と罵られるほどでした。
また当時、ヒゲと同じように男性の魅力を表すとされていたものが「刀傷」です。当時は美男の条件は「男らしさ」であり、刀傷も勇敢さをアピールできるものとして考えられていました。
特に戦国武将・北条氏康の刀傷は有名で、当時の人々から憧れの対象として見られていました。戦の中で受けた刀傷は恥ではなく、勇敢さや強さを感じさせる勲章だったのです。この「氏康傷」は、勇猛な武将として知られた北条氏康の武勇をさらに高めるものでした。
現代ではミュージシャンが「男性のメイク」をリードしている
古代の貴族を除けば、現代まで男性がメイクを行うことはなくなっていきます。ところがアメリカでロック音楽が生まれ、そこからグラムロックが生まれると、この流れが一転します。
グラムロックのミュージシャンたちは、きらびやかな衣装とメイクを行い、男性のメイクを「新しい魅力」としてアピールし始めました。このジャンルの代表的なミュージシャンであるデヴィッド・ボウイも、派手なメイクと衣装でファンの女性たちを魅了していた一人です。現代の男性のメイクは、グラムロックのミュージシャンが元祖だといえるでしょう。
ミュージシャンにとって、奇抜で派手なメイクも音楽をアピールする手段の一つですが、一般男性にとってもその眉やヘアスタイルは憧れの対象として評価されているのです。
最近では、薬局の男性用化粧品の売り場面積も充実し、男性の美容に対する意識も上がっています。ビジュアル系メイクを専門に行うヘアメイクアーティストのお仕事もあるように、今後は男性に対するメイクのお仕事も増えてくるかもしれません。
この記事のテーマ
「美容・理容・メイクアップ」を解説
理容師や美容師、メイクアップアーティストなど、美のスペシャリストとして技術と感性を磨き、人や社会に貢献する仕事です。理容師や美容師の国家資格取得をめざす他、それぞれの職種に応じた技術力や表現力の習得、接客能力を身につけます。また、高齢者や不自由のある人のもとへ出張するニーズも高まっています。
この記事で取り上げた
「メイクアップアーティスト」
はこんな仕事です
雑誌やテレビで見るモデルやタレントのほとんどが美しいメイクをしているが、それを施しているのが高い技術を持つメイクアップアーティストである。塗ったり描いたりする技術だけではなく、モデルやタレントの骨格に合わせて、依頼者に適したメイクを施す。撮影現場やスタジオの専属というイメージもあるが、ブライダルサロンや化粧品メーカー専属のメイクアップアーティストも数多く活躍している。メイクアップアーティストは実力次第で特定の企業に属さずフリーランスとなり、独立して事務所を開くこともできる。
-
PICK UP! 「メイクアップアーティスト」について学べる学校
-
美容・理容・メイクアップについて学べる学校

