【シゴトを知ろう】国会職員 〜番外編〜

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【シゴトを知ろう】国会職員 〜番外編〜

2017.02.17

提供元:マイナビ進学編集部

【シゴトを知ろう】国会職員 〜番外編〜

国会の審議に当たって、議員の参考となる調査や資料作成を行う調査員。幅広い知識と洞察力、議員が本当に知りたい情報を調査し届ける、重要な裏方業務です。今回は衆議院調査局 経済産業調査室 調査員の知られざる毎日について伺いました。

この記事をまとめると

  • 「調査員」の仕事内容
  • 国家公務員の日常
  • 衆議院事務局のキャリアパス

吊るしやお経 独特な業界用語

―― 業界や職務内での、一般人が知らない業界用語はありますか?
 
国会は歴史が古いので、業界用語はたくさんあります。例えば、よく聞くのが「吊るし」です。法案が提出されると、関係する委員会に付託される、つまり審査の対象となるのですが、付託されない法案のことを、ぶら下がっていることにたとえて「吊るし」といいます。そして、「吊るし」になっている法案を付託することを「吊るしを下ろす」といいます。さらに、法案が委員会で可決して本会議に上程されることを、法案が「上がる」といいます。

また、「お経を読む」というのもあります。法案を審議する時、まず担当の大臣が法案の趣旨説明を行うのですが、法案の趣旨説明の内容は紙に書いてあって、その紙を読み上げるので、そのように呼ばれているといわれます。

これらをつなげると、「法案の吊るしが下りて、委員会でお経を読んで、審議された後、上がった」(法案が付託されて、委員会で趣旨説明が行われ、審議された後、可決して本会議に上程された)となります。

―― 一般の方に言うと驚かれたことはありますか?

国会の本会議の10分前と開会時に、開会を知らせる非常ベルのような「電鈴」が鳴ります。これは初め自分も驚きました。新人の頃、初めて開会のベルを聞いた時に、先輩から冗談で「火事かな」と言われ、一瞬信じかけたことがあります(笑)。


―― 衆議院事務局に入局して、一番驚いたことは何ですか?

ある法案が提出されてから付託されるまでに何カ月もかかることがあり、議論に入るまでにこれほどの時間がかかるのかと驚いたことがあります。しかし、それは、その法案をめぐる与野党の激しい駆け引きの結果であり、国会で何かを決めるというのはそれだけ重いことなのだと思います。一つのことが動くのにこれだけの時間が必要なのかということが印象深く感じました。

普段の情報収集から、広い視野と向上心を持って

―― 調査室で働いている方はどんな方が多いですか?

様々な調査依頼に対応するため、所管事項について幅広い知識を持っている方が多いように感じます。どのようなテーマでも、そのベースとなる知識、いわば「80%」は知っているというイメージです。調査の依頼を受けたときは、そのテーマについて可能な限り100%理解するよう努めますが、予備知識がゼロの状態からそこまで行くのは相当大変なことです。普段の情報収集の中で基本的なところを押さえておき、いざ必要になったら詳細を調べる、というやり方が効率的なのだと思います。


―― 休日の過ごし方や勉強など、特に意識したり、制限されたりすることはありますか?

休日は普通の生活です。買い物や遊びに行ったりします。意識的に仕事のことは考えないようにして、リフレッシュするように心がけています。委員会の運営部門にいたときは、当日の状況によって短時間で多くの事務を処理しなければならないことがあり、徹夜もあり得たので、いつ何があってもいいように健康管理に気を使っていました。

省庁によって違う雰囲気 民間とのつながりによってこんなに違う?

―― 他業種の方とのつながりはありますか?

調査室では議員に提供するため法案の参考資料を作成するのですが、そのときに、省庁の担当者、今の部署では経済産業省の担当者からヒアリングすることがあります。また、エネルギー関係の有識者の方にお越しいただき、最近のエネルギー情勢などについてお話を伺うこともあります。


―― 霞ヶ関にはたくさんの省庁がありますが、特徴や違いはありますか?

衆議院事務局職員のキャリアパスとして、他省庁へ2年ほど出向する機会があります。私の場合は経済産業省に行きました。霞ヶ関の職員は真面目な人が多い印象ですが、省庁によってその程度はかなり違います。経済産業省は民間企業との関わりが多いせいか、国会とは雰囲気が違いました。服装などもカジュアルで、「こういうフレンドリーな雰囲気の人たちもいるんだ」という印象でしたね。仕事で接した別の省庁の方は堅い雰囲気がありました。民間の方にも「経済産業省はおしゃれな方が多いですね」と言われたことがあります。民間の方でも省庁ごとの違いを感じられるようです。


――これからの目標を教えてください。

衆議院事務局の事務職の仕事は、管理部門のほか、大きく分けて会議運営部門と調査部門があります。それぞれの部門を超えた異動もあります。一般的に、入局後10年ほどで各部署を一周します。大切なのは、必要とされている場所で、自分ができることを精一杯していくことだと思います。私たちの仕事は裏方で補佐することであり、直接の成果を出す仕事ではありません。しかし、国会の活動を円滑に進めるためにも私たちの仕事は必要不可欠なものです。今は調査員として知識を深めて、議員へ参考となる情報を迅速に届けられるように努力しています。
 
 

国の課題を審議するための資料を作成する調査員。ひたむきな知識の習得する姿勢や、調査員の調査によって、答弁や質疑が繰り広げられていると思うと、国会中継の見方も変わりますね。
 

【profile】 衆議院調査局 経済産業調査室 調査員  別府 辰彦

この記事のテーマ
公務員・政治・法律」を解説

公務員採用試験などの対策や司法書士など法律関係の資格取得のための学びが中心で、官公庁や行政機関の採用試験科目を段階的に学び、各種試験の合格を目指します。将来は公務員として行政に携わるほか、政治活動を支える政党職員などの仕事が考えられます。弁護士や検察官など法曹の道へ進みたい場合は、大学や法科大学院への進学が必須です。

「公務員・政治・法律」について詳しく見る

この記事で取り上げた
「国会職員」
はこんな仕事です

国会職員とは、国会に属する機関に勤務する国家公務員の総称である。国家公務員には一般職と特別職があり、待遇は一般の国家公務員と同じレベルだが、身分は特別職の国家公務員となる。衆議院事務局職員、参議院事務局職員、裁判所職員、国立国会図書館職員などが該当し、それぞれの機関で専門的な仕事を行う。業務内容は勤務先によってさまざまだが、いずれも国を動かす重要な役割を担う。政党や思想に偏ることなく、中立の立場で業務に取り組まなければならない。

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