【シゴトを知ろう】木工芸家 編

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【シゴトを知ろう】木工芸家 編

2017.02.16

提供元:マイナビ進学編集部

【シゴトを知ろう】木工芸家 編

皆さんは、木の家具や木製食器を見て何となく心地よく思ったり、木の素材ならではの美しさを感じたことはありませんか?そんな“木”を使って家具や食器をつくっているのが、「木工芸家」という方々です。今回お話を伺ったのは、現在鎌倉を拠点に作品制作を行い、さまざまなお店に作品を卸しているほか、個展の開催にも精力的な木工芸家の堀宏治さん。普段のお仕事についてや高校時代のことなど、貴重なお話をお聞きしました。

この記事をまとめると

  • 木工とは、木という素材を生まれ変わらせ、木と人を結びつける仕事
  • 物を作ることに価値を置き、諦めることなく没頭できる人が向いている
  • 一生懸命に向き合えるものを見つけることで、将来が見えてくる

自然の中に育った木を、生活に必要なものに生まれ変わらせる木工の仕事

Q1. 最初に、木工芸家のお仕事についてと一日のスケジュールを教えてください。

木工芸家の仕事はおおまかにいうと、自然の中で育った“木”という素材を別の形に生まれ変わらせる仕事です。その“別の形”は人によってさまざまですが、大工や家具屋、そして箱根細工。僕のように食器を専門にしている方もいます。
何十年、何百年と生きてきた木の恩恵を受けて、身の回りの生活に必要なものに生まれ変わらせるという、はるか昔から続けられてきた、「木と人を結びつける仕事」です。
朝まず工房に着くと、その日の作品に使う木材を選定します。その木材を作品のサイズごとに切断し、機械を使って削り、実際に加工する前の準備をします。
作品によって製作手順はさまざまですが、お盆を例えにするならば、準備した材料に制作するお盆を円形にカットします。カットした円状の木材を機械に固定し,回転させながら刃を当てて少しずつ削っていきます。原理的には陶芸の「ろくろ」と同じで、回転させながら成形していきます。
成形した作品に、木の繊維の強度を高める効果のある液体をしみこませ、2日間乾燥させ、最後に食用のオイルを塗りこんで出来上がります。

<一日のスケジュール>
8:00 取引先や個人のお客様への配送作業
9:00 工房へ行き、作品の制作
18:00 帰宅し、翌日出荷分の作品の梱包作業、伝票作成

Q2. お仕事をされる中で、やりがいや楽しさを感じるのはどんなときですか?

僕は現在、天然木から木を削り出して、お盆やスプーン、フォークや器類などのテーブルウェアを作っています。木工芸家として制作を始めたころは、どのように販売ルートをつくっていこうかと悩みました。もちろん始めから順風満帆に売れてくれるわけがありません。それでも、お店に営業に行くなど、地道に少しずつ努力してきたおかげで僕の作品を扱ってくれるお店が増えてきました。今では僕から営業をかけることは殆どなく、ありがたいことに先方からお取引の連絡をいただけるようになりました。僕のホームページから作品を見て購入していただける個人のお客様も増え、これまで地道にやってきたことが実ってきていると実感しています。
木工芸家として駆け出しのころは、技術もコネもなく、当然ですが「こうすればいい」と教えてくれる先生や師匠もいませんでした。だからこそ、現在「自分の足で人生を作り上げている」という充実感を感じています。


Q3. お仕事の中で大変さや苦労を感じるのはどんなときでしょうか?

木工芸品を作ったからといって、売れてくれなければ僕の生活は成り立ちません。今でこそ作品をお店で扱ってくれる方や知ってくれる方が沢山いますが、今に至るまでにはかなり生活は苦しかったです。サラリーマンとして会社に勤めていれば、少なくとも毎月のお給料は保障されているのでこういった苦労は感じないと思います。「木工芸品作家」として仕事をしているからこその、特殊な例かもしれませんね。

天然木で家具をつくりたいと思ったことから木工の世界へ

Q4. 木工芸家を志すようになったきっかけを教えてください。

僕が木工の世界に初めて足を踏み入れたのは、輸入家具販売の会社に入社した頃です。その会社で販売している家具は天然木から作ったものではなく、人工の板材を使ったものでした。木くずに接着剤を混ぜて圧縮成形したものや、中身は空洞で表面だけに薄くスライスした化粧材などを貼り付けたようなものです。僕は天然木で家具を作りたいという想いがあったので、休日を利用して木工教室などに通い、独自に作品を作り始めました。


Q5. 木工芸家を目指すにあたって、どのようなことを学びましたか?

木工芸専門の大学や専門学校などには行っておらず、必要な技術や知識は完全に独学で学びました。書籍やインターネットで調べたり、あとは何度も何度も実際に作って、試行錯誤しながら覚えていきました。何度か木工教室には通いましたね。今は当時通っていた木工教室の工房を借りて制作をしています。工業高校の機械系学科に通っていたおかげで機械の扱いにさほど苦労しなかったという部分は、学生時代の経験が生きているのかもしれません。


Q6. 高校生のとき抱いていた夢が、現在の仕事につながっていると感じることはありますか?

僕は工業高校の機械系学科に通っていたのですが、そのころから将来は自分の仕事で生計を立てていきたいと思っていました。卒業後は一度地元の自動車ディーラーに整備士として就職しました。そこで板金(*1)なども行っていたのですが、そのころに培った“手先の微妙な感覚を見分ける力”が今では役に立っています。どんな微妙な凹凸も、指先と手のひらで感じることができます。木工の仕事も手が基本なので。高校生の時に見ていた「自分の仕事で生計を立てる」という夢は、現在の木工作家の仕事で半ばかなった、というところです。

*1 板金(ばんきん):薄く平らに形成した金属を機械により変形させ、所定の形状や寸法の製品に成形すること。

収入に左右されず没頭できること、常に習得しようとする気持ちが大事

Q7. どういう人が木工芸家に向いていると思いますか?

木工芸作家としてや、木工系の会社に就職したとしても、一般的なサラリーマンからすれば収入は明らかに低いです。しかし、収入に左右されず、物を作ることに価値を置き、あきらめることなく木工芸に没頭できる人が向いていると思います。技術的な面は、習得が早かろうが遅かろうが関係ありません。常に習得しようとする気持ちが一番大事です。加えて、仕事以外のことに対しても日々の生活の中でアンテナを張り巡らせて、たくさんの情報を吸収することも大切です。


Q8. 高校生に向けたメッセージをお願いします

今しっかりと夢を持っている人は、ただひたすらに夢に向かって歩き続けてください。壁にぶつかっても「こうなりたいんだ!」という強い想いがあれば、何度でも立ち上がることができます。
将来何をしたいのか分からない人は、日常の中にアンテナを張り巡らせてみてください。そして遊びや趣味でもいいので、一生懸命に向き合えるものを見つけること。そうすれば、自分が将来何をやりたいのか、自然と見えてくるようになると思います。



就職後に木工芸家の世界へと進み、作家としての苦しい経験もしながら、現在はたくさんの人に作品が愛されている堀さん。「自分の足で人生を作り上げている充実感」がよく伝わるお話ですね。堀さんが木工芸家のお仕事に大切な要素としても挙げている「日常の中にアンテナを張り巡らせてみる」ことは、将来の目標探しにも、今の高校生活をより楽しむためにも、きっと役立つはずですよ。


【profile】木工作家 堀 宏治

堀 宏治さんのHPはこちら

この記事のテーマ
デザイン・芸術・写真」を解説

デザインは、本や雑誌、広告など印刷物のデザイン、雑貨、玩具、パッケージなどの商品デザイン、伝統工芸や日用品などの装飾デザインといった分野があり、学校では専門知識や道具、機器を使いこなす技術を学びます。アートや写真を仕事にする場合、学校で基礎的な知識や技術を身につけ、学外での実践を通して経験やセンスを磨きます。

「デザイン・芸術・写真」について詳しく見る

この記事で取り上げた
「木工芸家」
はこんな仕事です

木材を使い伝統工芸品をつくる仕事。工芸品には箱や盆、茶道具などの小さなものから、家具や棚類などの品があり、それぞれ技法が異なる。自然の素材である木は、保管状態などにより、歪みやひび割れが生じることもある。その特性をよく理解し、木材の知識を深め、耐久性のあるものを制作する必要がある。近代では木材の持つ魅力に加え、大量生産ではない木工芸品に関心が高まっている。木工の基礎知識が必須であることから、大学や専門学校、職業訓練校で学び、その後は工房や家具制作会社などに就職することが多い。

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