【シゴトを知ろう】ひな鑑別師 編

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【シゴトを知ろう】ひな鑑別師 編

2017.02.16

提供元:マイナビ進学編集部

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【シゴトを知ろう】ひな鑑別師 編

初生雛(しょせいびな)鑑別師という職業名を聞いて、高校生のみなさんはどんなお仕事を想像するでしょうか。初生雛の鑑別は、生まれたばかりのひなのオス・メスを判別する仕事で、育成方法がオスとメスでは大きく異なるニワトリでは、とても大切な役割を担っています。現在は初生雛鑑別師のお仕事を続けながら、畜産技術協会でも働くSさんにお仕事内容について詳しくお伺いしました。

この記事をまとめると

  • ひなの鑑別は生まれてから時間が経つほど難しくなる
  • 世界中に活躍の場がある仕事
  • 黙々と長時間集中して座っていられる人がこの仕事に向いている

ひなは生まれてすぐにオス・メスを仕分ける必要がある

Q1. 仕事概要と一日のスケジュールを教えて下さい

主にニワトリのひなのオスとメスの性別を見分ける専門職です。インターネットなどで “ヒヨコ鑑定士”などと書かれているのを目にすることもありますが、正しくは“初生雛鑑別師”です。七面鳥やうずらなどの鑑定をすることもありますが、ニワトリのひながほとんどですね。

ニワトリは食肉用や採卵用など、その役目によって飼育の方法やエサが全く異なるため、早くからオス・メスに分ける必要があります。ただその性差は非常に見分けにくく、生まれてすぐに素早く判別しないといけないため、特殊技術を持つ初生雛鑑別師という仕事が大正時代に生まれました。

鑑別は孵化(ふか)場で行います。孵化の時間に合わせて行くのでほとんどが早朝ですね。孵化場に着いたら白衣に着替え、防疫の支度をして、あとはひたすら雛をオスとメスに分けます。孵化した雛は時間が経てば経つほど見分けにくくなるので、スピードが勝負です。

<一日のスケジュール> ※時間は孵化場によって異なる
6:00 孵化場に到着
7:00 鑑別開始
1〜2時間で終わる場合や、10時間以上かかる場合もあり


Q2. 仕事の楽しさ・やりがいは何ですか?

ひなのオス・メスを鑑別する技術は海外でニーズが高いため、初生雛鑑別師の資格を取得すると、ほとんどの場合海外に派遣されます。日本を飛び出して海外で腕一本で仕事をすることに、やりがいを感じる鑑別師は多いと思います。私も資格を取得してロシアに派遣された時は、「プロになった」と実感し、感慨深かった記憶があります。派遣される国としては、北欧やヨーロッパ諸国、オーストラリア、ニュージーランド、ロシアなどがあります。

また技術的な面で言えば、ひなはとても小さく性差も僅かで、しかもひなの種類によって様子も全く違うため、鑑別は単純作業ではなく意外と頭を使います。養成所で練習を始めてから今まで、1羽1羽のひなとしっかり向き合ってきたことで、これまで難しかった鑑別ができるようになったり、新しい発見があったり、逆に反省したりと、夢中になって鑑別に没頭してきました。鑑別は奥が深く、夢中になれる魅力がある仕事です。


Q3. 仕事で大変なこと・辛いと感じることはありますか?

遠方の孵化場での仕事が朝早いことでしょうか。ひなの孵化は待ってくれませんので、絶対に遅刻はできません。朝というより夜中の1時頃に起きて車で向かうこともあります。

養成所を卒業後、研修を経て高等試験をパスして初めて鑑別師に

Q4. どのようなきっかけ・経緯でその仕事に就きましたか?

高校を卒業してからは国際空港で受託手荷物検査員として働いていました。飛行機に乗って海外に行く人を見ているうちに、飛行機に乗せる側でなく乗る側になりたいと漠然と思うようになりました。たまたま会社が縮小することになり、次の仕事を探さなければならなくなった時、会社勤めではない仕事に就こうと考え、初生雛鑑別師の仕事を見つけました。それまでスーツケースのような重くて四角いものばかり扱っていたので、ふわふわのヒヨコに惹かれたのかもしれませんね(笑)。

その後養成所に入り5ヶ月間授業を受け、その間に予備考査を受験して受かり、養成所を修了しました。これで晴れて鑑別師になれるかというとそうではなく、そこからベテラン鑑別師の元や孵化場で研修が始まります。最初は採卵鶏のひなで練習することがほとんですが、もう少し難しい肉用鶏のひなでも練習することがあります。そうやって修行を積んでから高等考査に合格して、派遣されて初めて職業鑑別師として独り立ちすることになります。その後私は全日本初生雛鑑別師協会から派遣されてロシアに仕事を得て、25歳から30歳までの5年間、海外で鑑別師として働いていました。実は鑑別師は特別な技能を持つ技術職なので、海外でもかなりよい給料をもらえるんです。例えば私のロシア時代の年収は、1日約7~8時間の勤務で500万円台でした。日本ではそんなに驚く金額ではないかもしれませんが、物価も安いロシアでは破格の給料です。

  
Q5. 養成所ではどのようなことを学ばれましたか?

養成所では鑑別師になるための基礎になる知識と技術を学びます。通学期間は4月から9月までの5カ月間、月曜日から金曜日までの週5日、朝9時~夕方17時までの授業です。知識の勉強もありますが、授業の内容としてはほとんど実技。来る日も来る日もヒヨコの鑑別に明け暮れました。ヒヨコの生殖器は本当に小さいので、瞬時に見分けるようになるには知識はもちろん、技術の習得や慣れも大切です。授業も絶対にサボらず、居残り勉強もして頑張りました。

※開講時期は年によって異なることがあります。


Q6. 高校生の時に抱いていた夢が、現在の仕事につながっていると感じることはありますか?

高校生の時に目にした『13歳のハローワーク』という本を読んで、将来は手に職をつけなければダメだと思ったことが、最終的に初生雛鑑別師の仕事につながったと思います。いろいろなことに興味を持って、実際に行動に移してみたことが確実に将来につながっていくと思うので、学生のうちに視野を広げると良いと思います。

自分の思い描く夢がベストとは限らない

Q7. どういう人がこの仕事に向いていると思いますか?

コツコツと黙々と仕事ができる人ですね。一カ所に座って、鑑別している間中ずっと集中することが求められます。人と話していないとダメ、動き回っていないと苦痛という人には辛い仕事だと思います。


Q8. 高校生に向けたメッセージをお願いします

人生には3つの坂があるとよく言われます。上り坂、下り坂、そして、まさかです。これから歩む将来にはいろいろな困難や“まさか”があると思いますが、今自分の思い描いている夢や予定がベストな生き方かというと、そうでもないことも多いですよ。ですから思わぬまさかがあっても、がっかりするのは早いです。楽しんで下さい。


「ひなのオスとメスを仕分ける」これだけを聞くと単純な作業を思い浮かべるかもしれません。しかしそれぞれのひなの個体差による判別の難しさや、1羽2秒という鑑別のスピードを支えているのは鑑別師たちの高い技術力です。「技術の向上に終わりはない」という鈴木さんの言葉通り、日々努力と反省を積み重ねているからこそ、世界から求められる鑑別師の人材が日本で育っているのですね。


【profile】初生雛鑑別師 Sさん
畜産技術協会:http://jlta.lin.gr.jp/

この記事のテーマ
動物・植物」を解説

ペットなど動物や観賞用の植物に関わり暮らしに潤いを提供する分野、食の供給や環境保全を担う農業・林業・水産業などの分野があります。動物や植物の生態や生育に関する専門知識を身につけ、飼育や栽培など希望する職種に必要な技術を磨きます。盲導犬や警察犬、競走馬、サーカスの猛獣などの調教・訓練や水族館や動物園で働く選択肢もあります。

「動物・植物」について詳しく見る

この記事で取り上げた
「ひな鑑別師」
はこんな仕事です

ヒヨコは、雌雄でそれぞれの商業目的があり、飼育方法が異なる。そのため、孵化したばかりのヒヨコの雌雄を即座に見分ける技術を有する技術者がひな鑑別師である。ヒヨコを手にした瞬間、生殖突起に触れて鑑別する。現場では判別スピードが求められ、手先の敏感さが要求される。まず「初生雛鑑別師」をめざし、初生雛鑑別師養成所に入所(満25歳以下)、修了後は研修生として孵化場で学び、農林水産省指導の高等考査にパスして初めて職業鑑別師となれる。日本の鑑別師は鑑別精度が高く、海外で仕事をするケースも多い。

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