【シゴトを知ろう】狂言師 ~番外編~

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【シゴトを知ろう】狂言師 ~番外編~

2017.02.15

提供元:マイナビ進学編集部

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【シゴトを知ろう】狂言師 ~番外編~

「狂言って難しそう」と思う人もいるかもしれませんが、狂言は日本古来から伝わるコメディです。“お笑い”だと思うと興味を抱きませんか? しかも最後は悪者さえも許される心温まるストーリーばかり。全国の能楽堂などで上演されていて、上演時間も30分から1時間程度と気軽に楽しめる要素が満載です。それでいて奥が深い狂言の魅力を、大蔵流の能楽師狂言方として活躍する大藏基誠(おおくら もとなり)さんに詳しく伺いました。

※“狂言師”はメディア等で使われる通称で、正式には“能楽師狂言方”といいます。

この記事をまとめると

  • ゴールはなく死ぬまで修行。だから面白い
  • 狂言は「人間味が詰まったお芝居」
  • いろいろな人の人生の中に狂言とリンクする部分がある

先生に弟子入りして楽屋修行から始まる

――能楽師はどのようにキャリアを積み上げていくのでしょうか

まず先生に弟子入りをして楽屋修行から始まり、先生の芸を見て学び、先生の許可が降りたら舞台に立てるという流れです。最初は「ひらきもの」という演目を演じて、そこから徐々にランクを上げていきます。演目の中には「秘曲(ひきょく)」といって家元の人間にしか演じられないものや、「一子相伝(いっしそうでん/自分の子一人だけに伝えて他には秘密にすること)」といって家元の人間でも長男しか演じられないものもあります。

能楽師には基本的に終わりがありません。ここまで行ったらいいだろうというゴールはないんです。死ぬまで修行であり、だからこそ面白さがあります。


――能楽師になりたいと思ったらどうしたらよいのでしょうか?

僕にメールをいただければ(笑)。僕や僕の兄のところ以外にも、全国いろいろな場所に能楽の稽古場があります。そちらに出向いて「やってみたい」と伝えるといいと思いますよ。また、国立能楽堂が主催する能楽(三役)の研修生制度に応募する方法もあります。


――仕事において転機となったできごとはありますか?

10代の頃に初めての海外公演でトルコに行ったことが一番の転機になりました。日本の伝統芸能の継承者として行ったものの、蓋を開けてみれば向こうの方のほうが日本の文化に詳しくて、自分の無知を痛感しました。「歌舞伎と狂言はどう違うんだ?」と聞かれても当時はうまく答えられませんでした。そこから日本について学ぶようになりました。狂言だけでなく、日本の文化の良さを再確認して、海外の人にもっと日本のいいところを紹介したいと思ったんです。学び始めると本当に奥深いことに気づきましたね。

人間についてすごく考えさせられる仕事

――本編のインタビューでは、あらゆる経験が生きる仕事だというお話もありましたよね

それは何も舞台の仕事に限った話ではないと思うんです。最近聞いて残念だなと思ったのは、マンション内で挨拶を禁止にしたというニュースです。「知らない人から挨拶されたら逃げるように子どもに教えているから」ということのようですが、僕は逆だと思います。挨拶をすることで、その人が良い人がどうかがわかるのだと思います。今の時代は携帯電話などを通して間接的にコミュニケーションを取ることが多いからか、相手が何を考えているのか、「今楽しいのか、疲れているのか」ということすらわからない受け手が増えているように感じます。生身の人間と接して人間味を身につけていくことが、社会で生きていくためには何より大切だと思います。


――初心者にもわかりやすく狂言の魅力を伝えるとしたら、どのように説明しますか?

それこそ「人間味が詰まったお芝居だよ」と言いたいです。人間の魅力って失敗やおかしさの中にあって、それは昔から変わっていないのだということを伝えているのが狂言なんです。描いているのは“人間らしさ”です。狂言の中には仏教の教えも多く含まれていて、最終的には救いのある物語ばかりです。悪者が出てきても最後には許されます。悩んでいても「こんなものは昔から人間が抱えていたものなんだな」と心が軽くなるのが狂言の魅力です。


――仕事を通して気付かされることも多いのでしょうか

公演で全国各地を訪れているため、そこでいろいろな人に出会い、みなさんの人生を垣間見ることがあります。幸せな人もいれば辛い思いをしている人もいます。みなさんとお話をしているとその方の人生の中に一歩入れる瞬間があり、そこに狂言が訴えているものとリンクする部分が多々あることに気づきます。人間についてすごく考えさせられる仕事ですね。


――狂言を「敷居が高い」と感じている高校生にはどんなことを伝えたいですか?

まずは気軽に見にきてください。日本人のかっこよさが見られますよ。海外の文化も良いものですが日本の文化もぜひ楽しんでください。僕の主催する「狂言ラウンジ」は学生割引もあるので、東京近郊にお住まいならそちらもおすすめですし、狂言が上演される能楽堂は全国にあります。今はTwitterなどで日本の文化を発信している人も多いので、そういうものを見て学ぶのもいいと思いますよ。


生の舞台に行くと演者の息遣いや観客の高揚感など、映像では伝わらない膨大な情報量を受け取ることができます。感受性が豊かな高校生のうちにいろいろな舞台を観に行くと、きっと将来さまざまな局面で生きてくるのではないでしょうか。友達に「狂言っておもしろいよ」と言えるのもかっこいいですよね。気になった方はぜひ公演情報をチェックしてみてください。


【profile】能楽師大蔵流狂言方 大藏基誠(おおくら もとなり)
HP:http://www.motonari.jp
日本芸術文化振興会:http://www.ntj.jac.go.jp

この記事のテーマ
音楽・イベント」を解説

エンターテイメントを作り出すため、職種に応じた専門知識や技術を学び、作品制作や企画立案のスキル、表現力を磨きます。音楽制作では、作詞・作曲・編曲などの楽曲づくりのほか、レコーディングやライブでの音響機器の操作を学びます。舞台制作では、演劇やダンスなどの演出のほか、舞台装置の使い方を学びます。楽器の製作・修理もこの分野です。

「音楽・イベント」について詳しく見る

この記事で取り上げた
「狂言師」
はこんな仕事です

能と対を成す伝統芸能、狂言。冗談や洒落がベースとなり、庶民感覚の台詞劇による笑いの芸術だが、その役者である狂言方が狂言師である。現在は、大蔵流と和泉流の2派によって受け継がれている。基本は世襲制度のため、一般の人が入門するのは難しいが、日本芸術文化振興会が手掛ける養成事業で、国立劇場に付属する伝統芸能伝承者養成所が行う能楽三役の一般公募にチャレンジするか、狂言師に弟子入りすることで、狂言師をめざすことができる。

「狂言師」について詳しく見る