【シゴトを知ろう】臭気判定士 編

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【シゴトを知ろう】臭気判定士 編

2017.02.15

提供元:マイナビ進学編集部

【シゴトを知ろう】臭気判定士 編

家や学校のまわりに、「においが気になるな」というところはありませんか? 生活範囲内に少しでも嫌なにおいがしていると、心地よく暮らせませんよね。住民が心地よく暮らせるように、においの有無を調査している人たちがいるということは、あまり知られていないかもしれません。

今回は、祐川環境カンファレンス株式会社の祐川英基さんに、臭気判定士という職業の仕事内容や魅力についてお話を伺いました。

この記事をまとめると

  • 不快なにおいにより苦情が出た際などに臭気測定をするのが主な仕事
  • 臭気判定士は、1996年にできたばかりの国家資格
  • 資格に合格後、現場経験で学ぶことがたくさんある

臭気判定士は不快なにおいを調査し、環境管理をする仕事

Q1. 仕事概要と一日のスケジュールを教えて下さい

臭気判定士とは、不快なにおいを測定し、においを数値化するのが仕事です。例えば、家などに隣接する工場からにおいが出ており、そのにおいを不快に思っている住民が行政に苦情を言った場合、臭気にまつわる規制基準を越えていないか、行政からの依頼で臭気測定を実施することがあります。そのとき、苦情内容を十分把握した上で現地での臭気の試料採取と、その臭気を数値化する分析を行い、その結果をまとめるのが臭気判定士です。

臭気分析は、苦情を言われている工場側から依頼されることもあります。また、最近の工場などは、苦情がなくとも自主的に測定をして環境管理に努めています。そのようなときにも臭気判定士が臭気の測定を依頼されています。

<ある一日の仕事の流れ>
・社内業務の場合
09:00 出社、メールチェック、業務打合せ、見積書作成など
12:00~13:00 昼休み
午後 測定や調査報告書の作成
18:00 退社(報告書納期により残業あり)
・現場測定の場合
07:00~08:30 測定現地まで移動(測定器材がある場合は、車で移動)
08:30~11:00 現地測定(臭気試料採取:排出口や敷地境界でサンプリング)
11:00~12:30 帰社
12:30~13:30 昼休み
13:30~16:30 採取試料の臭気分析
16:30~18:00 分析器材の片付と分析結果のまとめなど


Q2. 仕事の楽しさ・やりがいは何ですか?

行政の方と一緒になり、臭気苦情の解決を目的に臭気測定やその対策を提案して、問題が解決したときです。事例として、工場などの臭気測定ではありませんが、一般住宅にお住まいの方が隣の寮の調理臭の影響で体調を崩し病院にかかっていた案件がありました。一般的に住宅での臭気測定は規制もないことから臭気測定対象外ですが、寮のオーナーが何の対策もせず取りあわなかったため、苦情者が裁判も考えているとのことで、臭気測定を実施し報告書として提出しました。その後、裁判となり2年後に報告書から裁判長がいかににおいが強いか明白であるとして勝訴し、その結果をお電話いただき、御礼を言ってくださいました。臭気判定士の仕事では最終結果まで聞けないことがほとんどですが、御礼の電話はとてもうれしかったです。


Q3. 仕事で大変なこと・辛いと感じることはありますか?

現場で臭気採取をするときは、いいにおいのときはほとんどありません。畜産臭気では牛や豚、鳥の糞尿臭を嗅ぐこともあるので、帰宅してお風呂に入るまで、その臭気が鼻に残っていることがあります。

臭気判定士の第1回の試験を受け無事合格!

Q4. どのようなきっかけ・経緯で臭気判定士の仕事に就きましたか?

当初は、環境の測定分析会社に入社して、煙突から排出する排ガス測定や騒音、振動測定などをしていました。物質濃度を分析する悪臭測定も行っていましたが、「これからは臭気判定士の国家資格ができ、臭気指数規制が始まる」との情報を得て、第1回目の試験を受け合格できたことから取り組むようになりました。

臭気判定士の受験科目は、においを感じる仕組みなどを勉強する「嗅覚概論」、悪臭の法律や脱臭装置の原理などを勉強する「悪臭防止行政」、実際の測定業務に関する「悪臭測定概論」、「臭気指数等の測定実務」、そして臭気指数測定には統計学が用いられているので、「分析統計概論」となっています。資格に合格してから臭気判定士としてのスタートラインに立てることとなり、今も現場での経験を通していろいろと学んでいます。


Q5. 専門学校では何を学びましたか?

私が進学を決めるとき、父から「これからの時代は公害などの測定分析が必要になる」と言われ、公害工学科のあった専門学校に入学しました。当時は、「環境」というより「公害」と言われている時代で、専門学校では水質分析や臭気測定、排ガス測定、騒音測定、生物調査など具体的な実務の勉強をして卒業しました。就職の年に、国の制度として初めてできた環境計量士が行う分析会社も誕生したばかりでしたので、今でいう「環境測定分析」を行う会社に就職しました。今は独立して臭気の仕事をしていますが、分野としては同じ道を歩んでいます。


Q6. 高校や専門学校時代の夢が、現在の仕事につながっていると感じることはありますか?

高校時代は、父から公害に対する測定分析の話があった程度で、個人的には部活に夢中で、今の仕事に直接つながるようなことはなかったと思います。でも、専門学校に進学してからは、ある方から「これから社会に出るのだから、学校での勉強は最後になる。卒業までの最後の1年は一生懸命勉強すると社会に出ても役立つことが多い」と言われ、最後の1年間は特に勉強を頑張りました。そのころの頑張りは、今でも当時のノートを開くこともあり、とても役に立った経験だと思います。

根気強さと探求心を持って仕事に取り組める人が向いている

Q7. どういう人が臭気判定士の仕事に向いていると思いますか?

測定分析などは、根気強さと探求心が必要だと思います。現在、私が仕事として取り組んでいる臭気判定士の仕事は、本来の臭気の数値化をするだけでなく、家の中で不快臭があるが原因が分からないなどの調査依頼もあります。その時は、特に一つずつ発生源の可能性を追求し、調査します。毎回勉強することが多いので、普段からいろいろな情報を取り込んでおく必要があると考えています。


Q8. 高校生に向けたメッセージをお願いします

臭気判定士は、1996年(平成8年)にできた資格です。今年で21年目となるので、有資格者は全国にある測定分析等の会社にはほとんど在籍しているといっていい状態となっています。よって、臭気判定士に合格してから、初めて臭気をはじめとする環境の分野への取組が始まると考え、試験合格に向け勉強してもらいたいと思います。高校の理科系に関する勉強はすべてのちのち役立つこととなりますから、普段の勉強をしっかりやっていただきたいです。臭気判定士としては、いろいろなにおいを嗅ぐことで経験を積むので、今からでも生活の中にあるにおいや旅行先でにおいを嗅いで記憶に留めておくのがいいと思います。


臭気判定士に仕事の依頼がある場合は、嫌なにおいがあるというときなので、楽しいばかりの仕事ではないかもしれません。でも、においの元が分かり、それが解消されれば、きっと多くの人に感謝される仕事です。暮らしや環境の中で、人の役に立つ仕事がしたいと思っている人にとっては、大きなやりがいを感じられるのではないでしょうか。


【profile】祐川環境カンファレンス株式会社 祐川英基
https://sukekawakankyou.jimdo.com/

この記事のテーマ
環境・自然・バイオ」を解説

エネルギーの安定供給や環境問題の解決など、自然や環境を調査・研究し、人の未来や暮らしをサポートする仕事につながります。また、自然ガイドなど、海や山の素晴らしさと安全なレジャーを多くの人に伝える仕事もあります。それぞれ高い専門性が求められる職業に応じて、専門知識や技術を学び、カリキュラムによっては資格取得や検定も目指します。

「環境・自然・バイオ」について詳しく見る

この記事で取り上げた
「臭気判定士」
はこんな仕事です

工場や企業、そのほか施設などから出る臭気の濃度を測定する仕事。悪臭の苦情を解決することが主な目的で、臭気判定士は調査・判定を統括する立場にある。試料となる臭気の採取から、調査・分析、判定までが業務範囲で、分析機器を使って測定する方法と、人の嗅覚そのもので測定する方法の2種類があるが、自治体から臭気判定の依頼を受ける際に必要となる「嗅覚判定士」の国家資格は、人の嗅覚で測定を行うための資格である。資格取得のためには、筆記試験と実際の嗅覚を試される試験がある。

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