【シゴトを知ろう】点訳者 〜番外編〜

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【シゴトを知ろう】点訳者 〜番外編〜

2017.02.14

提供元:マイナビ進学編集部

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【シゴトを知ろう】点訳者 〜番外編〜

前回の記事、「【シゴトを知ろう】点訳者 編」では、日本盲人会連合 点字出版所の中山 敬さんにお話を伺いました。普段知る機会の少ない点訳者のお仕事について知り、興味を持った人もいると思います。

そこで、こちらの記事では、番外編として、お仕事の「あるある」や、知られざる一面についてお話を伺ってみました!

この記事をまとめると

  • 残念ながら、街や施設にある点字には間違いが多い
  • ボランティアの点訳者の割合は、9割以上にのぼる
  • 点字は、ちょっとしたレイアウトの違いで読みやすさが変わる

メールを打つときにも、点訳の癖が出てしまう

――このお仕事ならではの、仕事上の「あるある」なことを教えてください。
 
点字と墨字(普段みなさんが目で読んでいる活字や手書きの文字)の切り替えができなくなることがあります。点字では発音通りに書く文字があって、例えば、「今日は」の「は」は「わ」、「図書館へ」の「へ」は「え」、「行こう」の「う」は「-」と書きます。長時間点訳するとその癖が抜けなくて、墨字のメールまで「今日わ図書館え行こー」などと変になったりして、書いた文字を見て気づきます。

あとは、点訳しやすい文章と、そうでない文章があるので、発表する文章を自分でつくるときは、1回点訳しています。点字にして読みにくければ訂正して他の表現などに変えます。点訳していると墨字原文の明らかな間違いに気付くことがよくあるんです。点訳が墨字の校正にも役立つということも、「あるある」といえるかもしれませんね。
 
 
――また、お仕事とリンクする、休みの日にありがちな「あるある」があれば教えてください。

外出先で目に入った文字、日本語でも英語でも点字にしてしまい、「この表現を点字にするにはどうすればいいんだろう?」と考えてしまいます。

また、街中や施設内にあるものに点字が付いているとうれしくて、隅々まで読んでしまいます。ある美術館で、「目の不自由な方のために建物の模型をつくりました」というコーナーがあり感動しました。ところが、点字の説明書きの中に間違いを発見してがっかりしました。「どうして私たちに相談してくれないんだろう?」という割り切れない思いで美術館を見学することになりました。お店に点字メニューがあるときも、同じ気持ちを味わうことがありますね。

楽譜や外国語も点字で表すことができる

全自動点字製版機械(点字の製版機)を使う中山さん

全自動点字製版機械(点字の製版機)を使う中山さん

――このお仕事の知られざる事実やトリビアを教えてください。

楽譜や外国語も点字で表すことができるんですよ。「点字を発明したルイ・ブライユは、楽譜のために点字を発明した」とも言われています。点字は指で触って読んでいく文字ですが、唇で読む方もいます。目が見えず、病気やけがで指先が使えない人は唇で読んでいます。

また、「点字は、点筆と言われる針の先で、1文字1文字書く」と習った高校生もいるかもしれませんが、今、点訳はパソコンのソフトを使って作業しています。つまり、現在の点字の書物は電子書籍なんです。点訳したデータはインターネットでやりとりできますし、インターネット上の図書館に保存し、みんなで利用します。電子データになっているので点字データを音声で聴くこともできます。「自動点訳ソフト」も存在するんです。ただし、「自動点訳ソフト」を使ってつくった点字は、人が行う校正が必要になります。

あとは、点訳者が仕事になること自体が知られていませんよね。点訳者は、点字出版所や点字図書館を職場としています。それ以外の点訳者はボランティアさんです。ボランティアの点訳者の割合は、9割以上にのぼります。

読み手への想像力と理解に基づく「引き出しの多さ」が必要

――お仕事の中で、達成感を感じるのはどんなときですか?

点訳者は職人です。インターネット上でも分かりやすいページとそうでないページがあるように、点字でもほんのちょっとしたレイアウトの違いで読みやすくなったり、読みにくくなったりします。

いい点訳をするには、知識や技術だけではなく経験も必要です。読み手への想像力と理解に基づく「引き出しの多さ」も必要です。そのほんのちょっとした違いを生み出せたときに、自分の成長を感じますね。私たちの仕事はその積み重ねです。
 
 

中山さんのお話にもあったように、点字について一般的な理解はなかなか進んでおらず、間違った情報が多いのも確かです。正しい情報を得るために、点訳者の仕事に興味を持った人は、近くの点字出版所や点字図書館を訪ねて、専門家の詳しい話を聞いてみるようにしてくださいね。
  
 
【profile】日本盲人会連合 点字出版所(日盲委視覚障害者選挙情報支援プロジェクト 点字版事務局) 中山 敬

【取材協力】
社会福祉法人 日本盲人会連合
http://nichimou.org/braille-corporate/braille/

社会福祉法人 東京ヘレン・ケラー協会
http://www.thka.jp/

この記事のテーマ
福祉・介護」を解説

現場で福祉を担う介護福祉士などのスペシャリストや、福祉サービスの企画・提案ができる人材を育成します。通常の生活を営むことが困難な人の生活を助けるための専門知識、技術を身につけ、職種により就業に必要な資格取得を目指します。高齢化が進む中、精神的なケアや寝たきりを防ぐための運動指導など、必要な専門知識や技術も幅広くなっています。

「福祉・介護」について詳しく見る

この記事で取り上げた
「点字通訳者」
はこんな仕事です

目で読む普通の文字「墨字」を、縦3点・横2点の6点を組み合わせた視覚障がい者が用いる文字「点字」に翻訳する仕事。点字の翻訳に資格は必要ないが、点字が読み書きできることが前提となる。点字を書く場合は点字器という道具を使用し、点筆と呼ばれる針のような物で紙に突いて書く。従来は点訳者が1点1点手打ちしていたが、現在はパソコンによる自動点訳やデータ化が可能になった。点訳者は、ただ墨字を点訳するだけではなく、こうした点字の道具や歴史的背景など視覚障がい者を取り巻く環境を理解することが必須。

「点字通訳者」について詳しく見る