【シゴトを知ろう】バイク便ライダー 編
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物を送り届ける仕事というと、みなさんは「宅配便」を思い浮かべるかもしれませんが、バイクを使用した「バイク便」という仕事があることをご存じですか? このバイク便とは、重要書類や軽量な荷物など、今すぐに届けたい荷物があるときに活躍する、ビジネスに欠かせない輸送手段です。
そこで今回は、安全な運転技術と確実性を求められるバイク便ライダーの詳しい仕事内容について、東京・大阪・名古屋に営業所を持つバイク便会社「株式会社 ソクハイ」のライダー・野口明さんにお話を伺いました。
この記事をまとめると
- バイク便ライダーは、きわめて緊急性の高い荷物を配送する仕事
- 企業や国の機関、個人商店など、さまざまな人々がバイク便を利用している
- 接客スキルが大切で、その中でも特に大切なのが挨拶
緊急性の高い荷物を、バイクを使用して配送していく仕事
Q1. 仕事の概要と一日のスケジュールを教えて下さい。
私はバイク便会社「株式会社 ソクハイ」で、バイク便ライダーの仕事をしています。バイク便の仕事は、お客様からお預かりする極めて高い緊急性の荷物を素早く配送していきます。例えば東京の営業所の場合、東京23区内であれば、60分以内で配送を行うことができます。
<ある一日のスケジュール>
08:45 出社。朝礼。車両の点検
09:00 配車から便の手配を受け、集荷に向かう
10:00 お届け完了
12:00 昼食
13:00 配車から便の手配。ご利用者宅訪問
18:00 伝票処理。退社
Q2. 仕事の楽しさ・やりがいは何ですか?
私たちが扱う荷物は、お客様が今すぐにでもほしいというものです。荷物をお届けして喜んでいただけると、とてもうれしい気持ちになります。出版社さん、テレビ局さん、広告代理店さんなど、いろいろな業界のお客様が多く、私たちが正確に配送したものが、一つの作品、製品になるんだと想像するととてもやりがいを感じますね。
また、荷物を届ける会社によっては大きなビルの高層階などもあり、高いところから眺めのいい景色が見えたりすると、ちょっと得した気分になります。都内の道に詳しくなるので、休みの日に友人と都内に出かけるときも、カーナビいらずで案内人になれます。
Q3. 仕事で大変なこと・辛いと感じることはありますか?
大きな企業に行くと、複数のフロアにいろいろな部署があり、その会社に到着してもどこに行けばいいのか分からなくなるときがあります。そういったこともありますが、そんなときでも大切なのは、落ち着いて確実に業務をこなすことだと思います。
誰かの役に立てる仕事がしたいなと思っていた
Q4. どのようなきっかけ・経緯でバイク便ライダーの仕事に就きましたか?
私はバイクを中心に乗り物が好きで、接客も好きです。荷物を届けてお客様に喜ばれるというこの仕事は、とても自分にあった仕事だと思い、バイク便ライダーの仕事に就きました。
Q5. 大学では何を学びましたか?
大学に進学して、法学部で法律を学びました。当時はまだ、バイク便ライダーの仕事に興味があったわけではなかったので、今の仕事をしていることを大学時代の自分が知ったら、驚くかもしれませんね。
Q6. 高校生のとき抱いていた夢が、現在の仕事につながっていると感じることはありますか?
具体的にこの仕事に就きたいという考えはありませんでしたが、誰かの役に立てる仕事がいいなとは思っていました。この仕事は、企業や国の機関や個人商店など、さまざまなお客様の利用があり、お急ぎの依頼をいただく方が多いです。そのような多くの方のお役に立てているという意味では、高校生のころの夢は、今の仕事につながっているのかなと思います。
うまくいかないことが出てきても、前向きに頑張っていくことが大事
Q7. どういう人がバイク便ライダーの仕事に向いていると思いますか?
バイク便の仕事では接客のスキルが大切で、その中でも特に大切なのが「挨拶」です。元気な挨拶をして、気分が悪くなる人はいません。学生にも社会人にも共通する挨拶は、欠かせない要素だと思います。
Q8. 高校生に向けたメッセージをお願いします
どんな企業でも求められるのは、お客様や会社の希望や依頼にこたえられる人材だと思います。しかしその任された仕事が苦手だったりするかもしれません。結果が出ず落ち込むのではなく、一生懸命やっていればきっといい方向に向かっていくと思います。みなさんもうまくいかないことが出てくることもあると思いますが、ぜひ前向きに頑張ってみてくださいね。
都市部では、慢性的に道路が渋滞していることが多く、自動車では配送に時間がかかってしまう場合がありますが、そんなときでも小回りが利くバイク便は、緊急性の高い荷物の配送に利便性を発揮します。いざというときに頼りにされる、やりがいのある仕事ではないでしょうか。
バイク便ライダーの業者によっては、中型二輪車のほか、原動機付自転車(原付バイク)を採用している場合もあり、中型二輪免許もしくは原動機付自転車免許が必要になりますので、バイク便ライダーの仕事に興味がある人は、まずバイクの免許を取る準備から始めてみてくださいね。
【profile】バイク便ライダー 野口明
【取材協力】株式会社 ソクハイ
http://www.sokuhai.co.jp/
この記事のテーマ
「自動車・航空・船舶・鉄道・宇宙」を解説
陸・海・空の交通や物流に関わるスキルを学びます。自動車、飛行機、船舶、鉄道車両などの整備・保守や設計・開発、製造ラインや安全の管理、乗客サービスなど、身につけるべき知識や技術は職業によってさまざまで、特定の資格が求められる職業も多数あります。宇宙については、気象観測や通信を支える衛星に関わる仕事の技術などを学びます。
この記事で取り上げた
「バイク便ライダー」
はこんな仕事です
依頼をしてから1~3時間以内に届けることができるバイク便は、宅配便なども含めて現在の輸送手段では最も速い配達手段の一つ。主に企業から企業へ、書類やデータ、軽量の荷物なら数時間で配達するバイク便ライダーは、ビジネスに欠かせない存在となっている。渋滞に巻き込まれる可能性が車より低く、小回りが利くのでより速く配送できるのが利点だ。バイク便は業者により、中型二輪車のほか、原動機付自転車(原付バイク)を採用している場合もあり、普通二輪車免許もしくは原動機付自転車免許が必要になる。