【シゴトを知ろう】編曲家 編

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【シゴトを知ろう】編曲家 編

2017.02.13

提供元:マイナビ進学編集部

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【シゴトを知ろう】編曲家 編

みなさんもよく目にしているであろう音楽のクレジットに登場する「編曲」というお仕事。メロディをつくる作曲に対し、それ以外は全て編曲と言っていいほど幅の広い仕事内容を表しています。「編曲の仕事は、楽曲のデザイナー」と話してくださった佐久間音哉さんは、編曲はもちろん、作曲からレコーディングまで幅広く仕事をこなす音づくりのプロ。そんな佐久間さんに、編曲家のお仕事についていろいろと伺いました。

この記事をまとめると

  • 作曲からレコーディングまでの一連の仕事の一部として編曲することが多い
  • 編曲の仕事をひとことで言うと「楽曲のデザイナー」である
  • 「良い音」とは主観的なものではなく、物理的現象の積み重ねで作られる

編曲の仕事を一言で言えば、「楽曲のデザイナー」

Q1. 仕事概要を教えて下さい

今回編曲家としてインタビューをお受けしていますが、現在編曲だけを依頼される仕事というのは僕の場合かなり限られています。編曲だけのお仕事より、編曲から打ち込み、演奏・レコーディングまでを包括して引き受ける仕事依頼の方が多いのが現状です。

そのなかで「編曲」の仕事を切り取ってお話すると、主旋律をつくるのが作曲であるとすれば、編曲はイントロ・Aメロ・Bメロ・サビ・アウトロ(終奏)などの構成をつくり、楽曲の雰囲気を変えたりアレンジを加える仕事です。具体的には、ある楽曲に対して編曲の依頼があると、構成やコード進行を考え、それを打ち込んで、必要であれば生楽器も録音してオケづくり(伴奏をつくること)までをして完成という流れです。僕の場合、詳細な譜面を書いて納品することは少なく、コード譜(和音と進行が書かれている譜面)を提出する程度です。編曲をするときはなるべく遊びの感覚を持って、自分にしかできないユニークさや面白さを出すようにしています。

例えばバンドもののプロデュースをする際、バンド側で編曲まではある程度済んでいるものの、コーラスだけが作れないと悩んでいる場合に僕がコーラス部分を作ったり、ある特定の楽器だけを編曲するようなこともあります。編曲の作業はいわば「楽曲のデザイナー」のような感じです。
作業自体はお昼頃から深夜まで及ぶことが多いです。


Q2. 仕事の楽しさ・やりがいは何ですか?

音楽家として作曲・編曲・演奏・レコーディングまで何でもやりますが、自分としては演奏や音作り、レコーディングの部分が一番好きですね。作曲も編曲も頭で考えてインプットしていく作業で、非常に煮詰まる時があるのですが、演奏は完全なアウトプットだけなので楽しいです。

Q3. 仕事で大変なこと・辛いと感じることはありますか?

作曲・編曲・演奏・レコーディング・ミキシング・ときにはマスタリングなど一連の仕事を全て一人で行っているので、マンパワーが不足している点ですね。締切が迫ってくると夜を徹しての作業ということもあるので、辛い時はあります。
また一人で集中して入り込む作業なので、客観的になりにくいことも悩ましい部分です。煮詰まってきたら別なことをして気分転換をし、また仕事に戻るということをくり返しながら作業しています。

音楽プロデューサーだった父からは、勧められなかった音楽への道

Q4. どのようなきっかけ・経緯でその仕事に就きましたか?

僕の父は佐久間正英というBOØWYやGLAYを担当した音楽プロデューサーだったので、よく父の影響だと思われることがあるのですが、父は仕事として音楽の道に進むことを、僕には全く勧めませんでした。

高校の頃は友人とバンドを組んでいたりもしていました。ただその頃に音楽制作ソフトがインストールされているPCをお古でもらったことが転機になりました。それからはもともと人見知りだったことも手伝って、部屋にこもってさまざまなジャンルの音楽づくりに夢中になりました。

その後はアメリカに留学し、帰国後に父のレコーディングスタジオにアシスタントとして入りました。レコーディングスタジオというのは、たくさんのミュージシャンが演奏をし、たくさんのエンジニアがレコーディングをする音楽づくりの現場なので、”音作りの方法”と“よい音”に触れるにはベストな場所でした。

そこで3年ほど修行をした後、唐突に音楽がつまらなくなった時期がありまして……音楽を離れて独学で3DCGのアニメーションなどを制作しはじめ、音楽PVなども手掛けるようになりました。20代後半になって音楽に対する気持ちも楽になり、音楽の仕事も再開して音楽とデザイン両方のお仕事を受けるようになりました。

Q5. 今の仕事に就くために学んだことはなんですか?

音楽制作は基本的な音楽理論から楽器の弾き方、マイクセッティング、機材の使用方法までさまざまな要素の詰め合わせでできています。音楽制作の幅を広げるには、どこまでそれらの要素に興味を持って追求できるかが重要な気がします。僕はレコーディングスタジオでアシスタントとして働いているときに、”音作りの方法”と“よい音”にたくさん触れられたことが一番の学びだったと思っています。

“よい音”と言うと、観念的で主観的な個人の感覚によるものだと思われがちですが、楽曲上のそれは、例えばギターで言えば「ピックのあて方と弦振動の関係」のような物理現象の積み重ねから作られます。仕事上締切りがあるものなので、その“よい音”というゴールに少しでも早く到達できるようにするべきだと思っています。

Q6. 高校生のときに抱いていた夢が、現在の仕事につながっていると感じることはありますか?

高校時代は、バンド活動はしていたものの人見知りだったので、コンピュータを使って音楽づくりをすることにハマり……その経験が楽器演奏だけに留まらない音楽制作の土台になっていると感じます。

相反する2つの要素を持つ人が音楽家には向いている

Q7. どういう人がこの仕事に向いていると思いますか?

まず部屋にこもって一人で作業をするという“こもる才能”がある人、そして人と意見をやり取りしながら作業を進める“コミュニケーション能力”のある人、この2つの相反して見える要素を持っている人が向いていると思います。
またスタジオでレコーディングを行なう時など、負のループに入り込んでしまうことがよくあります。そんな時に場を和ませられるキャラクターだといいかもしれません。一人でも大人数でも、楽しく仕事ができる人が向いていると思いますね。


Q8. 高校生に向けたメッセージをお願いします

作曲家や編曲家の仕事と聞くと、派手なことに目が行きがちですが、実際の音楽づくりの現場は地道で地味な作業のほうがずっと多く、エンジニアリング、機材の知識、音響的な知識、新たなテクノロジーへの興味なども持っていると指標になります。もしこの仕事を目指すのであれば、そういった技術や多岐にわたる音楽の知識を求める貪欲な気持を持ってほしいと思います。
また他の仕事でも同じですが、自分一人ですべてをやろうとせず、自分が得意でない分野を手伝ってくれたり、信頼して任せられるパートナーや仲間を見つけることが大切です。人とのつながりを大事にして、信頼できる友人をたくさん作ってください。


編曲は楽曲のアレンジだけをする仕事、と考えがちですが、実際は作曲の要素もたくさん含んだ実にクリエイティブなお仕事。高校時代から部屋にこもって音楽づくりをしてきたという佐久間さんは、「一人でやる仕事だからこそ、楽しく仕事に取り組むことが大切」と話してくれました。多くの人に影響を与える仕事だからこそ、“ユニークさ”や“オリジナリティ”にはこだわり続けるのだそう。自分のつくった楽曲が、自分の手を離れて世の中に受け入れられていく……そんなワクワクする音楽の仕事の魅力がダイレクトに伝わってくるインタビューでした。


【profile】作曲・編曲家・プロデューサー 佐久間音哉さん

この記事のテーマ
音楽・イベント」を解説

エンターテイメントを作り出すため、職種に応じた専門知識や技術を学び、作品制作や企画立案のスキル、表現力を磨きます。音楽制作では、作詞・作曲・編曲などの楽曲づくりのほか、レコーディングやライブでの音響機器の操作を学びます。舞台制作では、演劇やダンスなどの演出のほか、舞台装置の使い方を学びます。楽器の製作・修理もこの分野です。

「音楽・イベント」について詳しく見る

この記事で取り上げた
「編曲家」
はこんな仕事です

作曲家がつくった原曲を、どんな楽器で演奏するか編成を考え、各パート別の演奏メロディーをつくり、楽曲として装飾して録音できる状態まで仕上げる仕事。また、楽譜出版用にピアノ用、ギター用などにアレンジする仕事もある。アレンジャーとも呼ばれ、その仕事範囲は広い。編曲だけでなく、サウンドエンジニア、プロデューサーなどを兼任する人も多い。曲をつくる能力、譜面で表現する力に加え、最近はパソコンによるDTM(デスクトップミュージック)の知識も必要になっている。

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