【シゴトを知ろう】写真現像技術者(プリンター) 〜番外編〜

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【シゴトを知ろう】写真現像技術者(プリンター) 〜番外編〜

2017.02.07

提供元:マイナビ進学編集部

【シゴトを知ろう】写真現像技術者(プリンター) 〜番外編〜

主にプロカメラマンの写真作品を取り扱うラボ「アフロアトリエ」に勤める松平光弘さんは、イギリスで「写真現像技術者」としてのキャリアをスタートさせました。見知らぬ土地で一から技術を習得することは、並々ならぬ覚悟と努力が求められそうですが、実際はどうだったのでしょう? 番外編では当時のエピソードから近年のプリント業界の傾向まで、幅広く伺いました。

この記事をまとめると

  • フィルム全盛期は、「暗室」でプリント制作をしていた
  • 写真やプリントの技術は日々進化している
  • 新しい技術を定期的に学ぶことが大切

丁寧な仕事ぶりが認められ、責任ある仕事を任されるように

――松平さんは、高校を卒業した後イギリスに渡られたそうですね。どのような経験が、渡英のきっかけになりましたか? また、当時は英語もあまり話せなかったそうですが、渡英をすることに対して、ハードルの高さは感じませんでしたか?

高校2年生の時に短期留学でカナダに行ったのですが、それが僕にとって初めての海外経験でした。日本人とカナダ人とでは文化や考え方などが違いますから、その時に初めて“異文化”というものに触れたんですね。それをきっかけにして視野がずいぶんと広がりましたし、海外に興味を持つようになりました。
僕は昔から、興味があることを見つけたら素早く実行に移すタイプでした。その当時はお金もなく、英会話能力もない状態でしたが、「海外で暮らしてみたい」という気持ちが強く、勢いで渡英しました(笑)。そのためあまり先の心配などもしていませんでしたね。思い込んだらまっしぐらというか、自分のやりたいことや主張を貫く性格だったということもあり、両親は何も言わずに送り出してくれました。


――渡英してしばらくしてから、写真現像所で働いていたということですが、具体的には、どのようなお仕事をしていたのでしょう?

現像所で働き始めた頃は、英語はほとんど話せませんでしたし、写真に関する知識もなかったので、簡単な仕事をしていました。当時はデジタルカメラではなくフィルムカメラが主流で、その写真現像所でもフィルムをメインに扱っていました。僕の仕事は、現像されて仕上がってきたフィルムを6コマずつハサミでカットし、フィルムケースに入れること。
誰でもできるような簡単な仕事ですが、丁寧にそして一生懸命に仕事をしたことで周囲に認められ、写真のプリント作業も任せてもらえるようになりました。その当時のプリント作業とは、「暗室」という外光が遮断された暗い部屋で、引き伸ばし機で露光された印画紙を、複数の薬品に浸してプリントしていくことです。

プリント技術は日進月歩。日々学ぶことが大切

――お仕事をするなかで経験した、思い出深いエピソードがあれば教えてください。

普段、著名な写真家とお仕事をさせていただく機会が多いのですが、それがすべてではありません。数年前、まだ無名の写真家が撮影した「小さな女の子とおばあさん」の写真をプリントする機会がありました。何気ない日常の幸せそうな一枚です。被写体の二人は「孫」と「祖母」という関係なのですが、おばあさんはオーストラリアで暮らしているため、日本で暮らす孫にはなかなか会うことができません。おばあさんが来日した際、写真家に依頼して孫と過ごす一瞬を撮影してもらったわけですが、帰国の日が迫っていたために急いでプリントを仕上げて納品してほしいと依頼されました。

これは後日その写真家から聞いた話なのですが、おばあさんは仕上がった写真を見て、うれしさのあまり涙をこぼし感謝の言葉を述べられたそうです。

デジタル全盛の現代においても、一枚のプリントが人の心を動かしていることを強く実感するとともに、私の仕事もどこかで誰かの役に立っているということを改めて認識しました。写真の価値は写真家の名前で決まるものではなく、売買される金額でもない。その写真が持つ“力”にこそあると感じました。


――技術の高さを見込まれ、そのような大きな仕事を任せられたのですね。高いプリント技術をキープする、もしくはさらに技術を磨くため、どのようなことをされていますか?

1〜2年に一度くらいの割合で、アメリカで開催されるプリント制作のワークショップに参加し、最新のプリント技術を学んでいます。というのも、アメリカをはじめとする欧米諸国の技術や考え方は、日本に比べると格段に進んでいるからです。
今年6月もアメリカのバーモント州に渡り、「ピエゾグラフィー」と呼ばれるプリントの制作技術を学んできました。「ピエゾグラフィー」とは、特殊なインクを使用して作るモノクロプリントで、シャープさと豊かなグラデーションが表現されることが特徴です。わかりやすく言えば、“最高品質”のモノクロ写真です。
写真やプリント技術は日々進歩しているので、定期的に新しい技術を取り入れることは重要といえるでしょう。


英会話スキルも技術も持たずに渡英したものの、一生懸命に物事に取り組む姿勢から周囲に受け入れられ、現地で着実に腕を磨いた松平さん。帰国後も変わらず努力を続けた結果、国内において最先端のプリント技術を持つ「写真現像技術者」となりました。
松平さん曰く、一見無謀とも思える渡英を決断しその地で頑張ることができたのは「実行に移すことで、大抵の希望は叶えられる」という自信があったからとのこと。とても勇気をもらえる言葉ですね。
何かに対して興味を持っている人は、思い切ってその世界に飛び込んでみてはどうでしょう。実際に行動に移すことで、様々な可能性が開けるはずです。


【Profile】松平光弘 アフロ アトリエ(株式会社アフロ)
Aflo AtelierのHPはこちら

この記事のテーマ
デザイン・芸術・写真」を解説

デザインは、本や雑誌、広告など印刷物のデザイン、雑貨、玩具、パッケージなどの商品デザイン、伝統工芸や日用品などの装飾デザインといった分野があり、学校では専門知識や道具、機器を使いこなす技術を学びます。アートや写真を仕事にする場合、学校で基礎的な知識や技術を身につけ、学外での実践を通して経験やセンスを磨きます。

「デザイン・芸術・写真」について詳しく見る

この記事で取り上げた
「写真現像技術者」
はこんな仕事です

撮影された写真の現像や後処理をする仕事。フィルム写真の場合は、フィルムや印画紙の特性を考慮して再現しなくてはならない。デジタル写真は、コンピュータで色や解像度などを指定してプリントする。アート作品などに携わる際は、トリミングや合成などの技術も必要。アマチュアの写真を大量に扱う現像所とプロの作品を扱うプロラボがある。プロラボは、とくに現像液の濃度や温度など細心の注意を払わなくてはならない。写真現像は常に同じものに仕上がるとは限らないが、長年の経験によって少しずつ熟練度が増す。

「写真現像技術者」について詳しく見る