【シゴトを知ろう】競走馬調教師 ~番外編~

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【シゴトを知ろう】競走馬調教師 ~番外編~

2017.02.07

提供元:マイナビ進学編集部

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【シゴトを知ろう】競走馬調教師 ~番外編~

馬主さんから預かった馬のトレーニングや世話を行い、レースに出走させる競走馬調教師。勝つためにできることをあらゆる視点から考えて取り組み、1着になれば大きく報われる夢のある仕事です。川崎競馬で調教師として活躍する山崎裕也さんに、調教の裏話などについて伺いました。

この記事をまとめると

  • 調教は体のトレーニングだけでなく心のケアも大切な要素
  • 馬の“第二の人生”をサポートすることも仕事
  • 海外のレースに出走して活躍するチャンスもある

ニンジンが嫌いな馬もいる!?

――馬選びも調教師の仕事の一つなのでしょうか。強い馬はどのように見分けていますか?

馬の買い付けも年に10回ほど行っています。血統背景や体の形を見て選んでいますが、地方競馬は砂の上を走るためパワーが必要で、大きくてごろっとした成長力の高そうな馬を選ぶことが多いです。もちろん馬主さんの予算内で収めることが前提です。「お前に預けるなら3億出してもいい!」というような大金持ちの馬主さんであれば別ですが(笑)。


――予想に反して大化けする馬もいるのですか?

たまにいますよ。でも大抵は乗ればその馬のレベルはわかります。軽自動車と4,000CCのスポーツカーでは発進のスムーズさや加速時のブレが違いますが、それと同じです。

――馬の性格はそれぞれ違いますか?

性格も違いますし食べ物の好みもそれぞれです。その馬に合わせて飼養の種類や配合を考えています。馬はニンジンが好きと思われていますが、全然ニンジンを食べない馬もいるんですよ。そもそもニンジンをぶら下げて走ってくれるなら苦労しません(笑)。またオスでも臆病な馬もいますし、逆に勇ましいメスの馬もいます。その辺も人間と同じですね。


――競走馬は一般的にどんな一生をたどるのでしょうか

牧場で生まれ、0~2歳で馬主に買われて育成所に入り、2歳でデビューします。つまり僕らの厩舎(きゅうしゃ)に馬が来るのは2歳からです。そこから5~7歳くらいまで競走馬として活躍します。でも7歳まで行けるのはよっぽどで、それまでの間に馬主さんから「馬の維持費に耐えられなくなった」「勝てないなら引退させてほしい」「子どもを産ませたい」などのリクエストが来て引退することも多いです。

ケガをして競走馬として活躍できなくなった馬は、乗馬クラブの馬になったり、草競馬(アマチュア競馬)の馬になったり、神社に奉納される馬もいます。よほどでなければ“第二の人生”が待っていますし、そうなるようにしています。今はいろいろな人が馬主になれる時代なので理解のある方ばかりとは限りませんが、僕らは勝たせることで1年でも馬が長く生きられるようにしたいと思っています。

馬は走るのが好きなわけじゃない

――なるべく理解のある馬主さんとお付き合いしたいですよね。馬主さんからはどういう経緯で声がかかることが多いのでしょうか

「Webサイトを見て」「口コミで聞いて」という人が多く、最初は知らない者同士であることがほとんどです。何回か付き合うことでお互いに方針が合わなければ、馬主さんも気づいて去っていくと思いますので、僕のほうからお断りすることは基本的にはありません。一緒に競馬を楽しめる方と仕事ができればいいなと思いますし、自分の厩舎を好きだと思ってくれる人が増えていくと嬉しいですね。年数を重ねるごとにそうした個性も色濃く出てくるのかなと思っています。

レース用の馬具は本革で揃える

レース用の馬具は本革で揃える

――馬をトレーニングする際はどんなことを心がけていますか?

単にたくさん走らせれば馬が強くなるわけではありません。形がいいと思って買ってきた馬でも、性格が頑固で走ってくれないこともあります。そもそも馬は基本的に走るのが好きなわけではないんです。だって自然界の馬が全速力で走るのはライオンや虎に追われたときくらいですよね(笑)。

そのためレースでは馬のメンタルに大きな負荷がかかり、走るのが嫌いになっていく馬もいます。馬の生体や運動力学の知識も大切ですが、馬の気持ちを汲んで「まだまだ走りたい」と思わせることも調教の仕事には大事です。僕はそれを海外で学びました。日本では「レースに合わせる」という考えが一般的ですが、海外では「馬に合わせる」という考えが主流なんです。
一方で、一線を超えさせるための厳しいトレーニングも勝つためには必要になります。そこは長年多くの馬に触れて培ってきた経験を元に、さじ加減で調整しています。

練習後は痛んだ脚を冷やしたり、疲労回復のためにマイクロ波を当てたり、体全体を触って疲れが出ていないか確認したり、エサを残していれば午後のエサを変えてみたりと細かい調整を行います。筋肉の張りや歩き方から、馬の細かい変化を敏感に感じ取らないといけません。

――他にはどんなことにこだわっていますか?

馬に大きな影響を与えるのは調教とエサ。昔のエサは麦・草・塩・水というシンプルなものでしたが、今は競馬先進国からいろんな飼料が入ってくるようになりました。それぞれの馬に求められる強度から必要な栄養素を割り出し、それが配合された飼料を選んでいます。飼料の製造工場を視察することもあります。サプリメントは自分たちでオリジナル品を作りました。今後は麦畑を作ることだってあり得るかもしれません。

馬小屋の藁も厳選しています。藁は人間でいうところのマットレスのようなもの。稲の藁・麦の藁・圧縮された藁・カンナの削り屑のような藁などさまざまな種類があります。

目標は海外レースでも活躍すること

――住む場所や休日などが制限されることはありますか?

調教は深夜から始まりますし、馬に何かあったら駆けつけないといけないので、僕はこの敷地内に住んでいます。スタッフもバイクや自転車で通える距離に住んでいますね。中央競馬(JRA)の場合は厩舎があるのは滋賀県と茨城県の2カ所のみですが、地方競馬は全国さまざまな都市にあるので、好きな町を選べば楽しいと思いますよ。

休日は厩舎によって異なります。年末年始もレースがあるので暦通りには休めません。うちの厩舎は夏休み制度を作っていますが、厩舎によっては連休がないところもあるので覚悟は要ります。でもキツい分、勝ったときの喜びは大きく、勝てば勝つほど収入が上がるという夢もあります。一般の会社員の方とは時間が合わないため婚期は逃しやすいかもしれません。結婚したいなら寝る時間を削るしかありませんね。僕は頑張りましたよ(笑)。


――今後チャレンジしたいことは?

海外のレースにも出走したいです。今、競馬は広く見られるようになってきています。その広がってきた可能性を十分に生かして、海外・国内問わず今後もいろいろなチャレンジをしていこうと思っています。


競馬は多くの人を魅了するスポーツです。繊細で人懐っこい馬という生きものやドラマチックな勝負事の世界には、それだけ多くの人を惹き付ける力があるようです。憧れの気持ちだけでできる仕事ではないと思いますが、どんな仕事もそうした本能的な気持ちが自分を支えるモチベーションになることは多いと思います。自分にとってそれはどんなことなのかという視点で将来の仕事を考えるのも、一つの探り方かもしれませんね。


【profile】川崎競馬 調教師 山崎裕也
山崎裕也厩舎HP:http://yamazaki-stable.wixsite.com/kawasaki
川崎競馬HP:http://www.kawasaki-keiba.jp

この記事のテーマ
動物・植物」を解説

ペットなど動物や観賞用の植物に関わり暮らしに潤いを提供する分野、食の供給や環境保全を担う農業・林業・水産業などの分野があります。動物や植物の生態や生育に関する専門知識を身につけ、飼育や栽培など希望する職種に必要な技術を磨きます。盲導犬や警察犬、競走馬、サーカスの猛獣などの調教・訓練や水族館や動物園で働く選択肢もあります。

「動物・植物」について詳しく見る

この記事で取り上げた
「競馬調教師」
はこんな仕事です

競馬の調教師がする調教とは、馬主から預かった競争馬がしっかりと競馬場のコースに沿って走り、さらにスピードを上げていき、レースでベストの実力を発揮するための訓練を指す。調教師は、その管理責任を担う重要な役割である。競走馬を調教・管理する場所を厩舎(きゅうしゃ)と呼ぶが、自分が運営している厩舎で、馬の世話をする厩務員(きゅうむいん)や調教の補助を担当する調教助手を雇い入れて、その指導を行うほか、馬主に代わって未来の競走馬を発掘したり、競走馬をレースに出走させる出馬登録も大事な業務となる。

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