【シゴトを知ろう】競走馬調教師 編

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【シゴトを知ろう】競走馬調教師 編

2017.02.07

提供元:マイナビ進学編集部

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【シゴトを知ろう】競走馬調教師 編

みなさんは競馬を見たことはありますか? 人々が熱狂する華やかなレースの裏には、馬の世話やトレーニングをする厩舎で働く人たちの努力があります。競走馬調教師はその厩舎を率いる人です。早朝2時台から始まるという調教師のお仕事について、川崎競馬の山崎裕也調教師にお話を伺いました。

この記事をまとめると

  • 調教師は各競馬場で免許を取得し、そこに所属する
  • 馬主さんとのコミュニケーション力も求められる
  • 良いアイデアを生むにはその仕事以外のいろんな経験も必要

レースに向けてのあらゆる業務を取りまとめる仕事

Q1. 仕事概要と一日のスケジュールを教えて下さい

調教師の仕事は馬主さんから馬と諸費用を預かり、レースに出走させるために調教メニューを考え、それをスタッフ(厩務員)に指示することです。出走するレースを決めて騎手の手配をするのも調教師の仕事です。スタッフに入る給料・賞金の計算や、馬主さんへのエサ代・獣医代の請求・新規の馬主を探す営業活動もしなければいけません。馬に乗って日々の状態を確認することはもちろん、人手が足りないときはスタッフの仕事も手伝います。

競馬には中央競馬(JRA)と地方競馬があり、調教師はそれぞれの主催者が用意した厩舎に家賃を払い、そこで馬を預かります。僕は生まれ育った川崎にある「川崎競馬」の調教師として免許を取得し、そこで働いています。厩舎の運営費は馬主さんから預かった費用でまかないますが、馬がレースで上位に入ると賞金の10%が調教師に、5%が厩務員に入ります。勝てば勝つほど収入が上がる夢のある世界です。

<一日のスケジュール>
2:30 調教(馬を走らせて状態をチェック)
9:30 馬主さんや取引先とのやりとり、事務作業
15:00 午後のエサ作りをチェック
17:00 スタッフとの会議
18:00 業務終了


Q2. 仕事の楽しさ・やりがいを感じるのはどんなところですか?

毎日一緒に過ごしている馬がレースで1着になるのは嬉しいです。一つの勝利で馬の世話をしているスタッフ・馬主さん・生ませた牧場や育成した人・馬券を買った人など……関わった人みんなが幸せな気持ちになれるので、やりがいは大きいです。

Q3. 仕事の大変さを感じるのはどんなところですか?

生きものに時間を合わせて動かなければいけないことは、最初は大変ですが慣れれば苦労ではなくなります。辛いのは目標のレースに向けて馬の体調が悪くなってしまったときです。ああしたらいいのか、こうしたらいいのかと悩みます。でも原因は必ずあるので、アイデアを出して一つひとつ潰していくしかありません。

また、馬はとても細い足で走っているのでレース時の衝撃が大きく、故障してしまうこともあります。大きい怪我をしてしまい、歩くことすらできなくなってしまった馬は、やむを得ず安楽死の処置をする決断をしなければいけない場合もあります。この仕事で一番辛い瞬間です。それまでの調整で疲労が溜まっていたのではないか、もう少しできることがあったんじゃないかとすごく責任を感じます。

回り道したことで原点に立ち戻れた

Q4. どのようなきっかけでこの仕事に就きましたか?

僕の家は祖父も父も騎手を経て調教師になった競馬一家で、僕も中学を卒業したら騎手になるよう言われていたのですが、子どもの頃から「競馬の家の子」と言われるのが嫌で自然と競馬からは離れていきました。高校を中退して飲食の仕事をしながらお小遣い稼ぎのつもりで父の厩舎でアルバイトをしていたのですが、馬に触れるとやっぱりいいなという気持ちになるんですね。父にその気持ちを伝えたらまずは牧場で修行するように言われ、北海道にある競走馬を育成する日本で一番大きな牧場で3年間修行を積みました。その牧場には世界中からいろんな人が働きに来ていたのですが、「本場のヨーロッパに比べて日本の競馬は遅れている」という話を聞いていつか行ってみたいと思うようになりました。

しかしその後、牧場を辞めてまた馬の世界から離れてしまったんです。20歳くらいのときでした。外の世界がきらびやかに見えてしまったんですね。でもちょうどそのときに弟が騎手としてデビューし、川崎競馬の関係者に会う機会も重なり、腐ってはいられないなという気持ちになりました。前々から聞いていたヨーロッパの競馬の世界を一度見てみようと奮起し、お金を貯めて1年間の海外研修留学に行きました。

留学先のヨーロッパでは、日本とのギャップの大きさに圧倒されました。向こうでは競馬は国民が認めるスポーツで、厩舎も綺麗でレースは華やか。「競馬ってすごいな」と思いました。帰国後は父の厩舎で働き始めたのですが、自分が見て来たものを具現化できない辛さからまた辞めてしまったんです。

その後は建設会社で働き始めたのですが、建設現場の職人さんたちは競馬のことも僕の家族のこともよく知っていました。毎週のように競馬新聞を持って話題にしているのを見て、「競馬ってすごいな」とここでも思ったんです。こんなに川崎競馬が知られているなら、川崎競馬を自分が変えるくらい頑張れば面白くなるんじゃないかと思い、覚悟が決まりました。今度は骨を埋める気持ちで「また働かせてください」と父親に頭を下げ、ゼロから厩務員としてスタートしました。7年くらい働いて調教師補佐の試験に受かり、調教師の免許を取得して2014年に自分の厩舎を開業しました。いろんなところに出たり入ったりしたことで、結局は生まれた場所が好きで、馬が好きなんだなということがわかったんです。


Q5. この仕事に就くためにどんなことを学びましたか?

僕は高校中退後に飲食の仕事をしていたのですが、いろんなお店で掃除からキッチン、ホール、バーテンまで一通りの経験をしました。今の仕事で出会う馬主さんは企業の経営者なども多く、何か一つでも共通の話題を作ることを心がけているのですが、飲食業界で積んだ社会経験が馬主さんとのコミュニケーションにとても役に立っています。何の仕事をするにも、何かのプラスになると思って取り組むことが大事です。僕は建設業者でも働いていたから厩舎の水道管の修理もできますし、厩舎の内装も自分で手がけました。馬主さんを飲食店に案内することもできます。無駄な経験は一つもなかったと思います。

最終的に一つの仕事で生きていくにしても、そこまでにどれだけいろんな経験をして自分の幅を広げられるかが大切だと思います。一つのことをやり続けることももちろん大事ですが、自分で何かやりたい人や起業したい人にとっては、その仕事の以外のいろんな経験が力になることもあると思います。アイデアは同じ場所で積み重ねてきた経験だけでは詰まってしまいますから。

Q6. 高校生のときに抱いていた夢や体験したことが、現在の仕事につながっていると感じることはありますか?

高校生の頃はインテリアコーディネーターになりたいと思っていました。ゼロから何かを組み立てて作り上げることが好きだったんです。ひとり暮らしを始める友達の買い物に付き合ってコーディネートを手伝うこともありました。しかし当時はインテリアコーディネーターの試験を受けられるのは25歳以上という条件があり、18歳にとって7年後は遠い未来に思えて諦めてしまいました。

仕事としては諦めた夢ですがインテリアはずっと好きだったので、今の厩舎に入る際に内装にこだわって自分でリフォームしたり、父の厩舎のリフォームを手伝ったりした際に生きました。またインテリアコーディネーターに興味を持ったのは、数ある選択肢の中からベストなものを見つけて組み合わせることが好きだったということもあるのですが、それは調教師の仕事にも通じています。練習メニューや馬のケア方法の考案、飼料選びなどは、たくさんの選択肢からその馬の特性に合わせてベストなものを見極めて組み合わせる作業であり、コーディネーターとしてのセンスや探究心が求められると感じています。

勝ちたいという気持ちが強い人に向いている

Q7. どういう人がこの仕事に向いていると思いますか?

「勝ちたい」という気持ちが強い人です。その気持ちがなければアイデアも出てきません。競馬の1着って手放しにみんなが褒めてくれる、本当にすごいことなんです。その達成感を味わうのが好きな人に向いていると思います。


Q8. 高校生に向けたメッセージをお願いします

何のためになるかわからなくても、今やっていることは無駄じゃないと思って一生懸命頑張れば、いつか何かに変えられるときが来ます。しかし楽しくあることも大切です。遊ぶことも悪いことではありません。遊びも勉強も仕事もやるなら徹底的に頑張ってください!


若い頃は挫折したり、夢を見失いかけたこともあった山崎さんですが、回り道したことが結果的に厩舎の個性や調教師としての強みにつながったようです。道に迷ったときも山崎さんのように目の前の仕事に対して工夫や努力を惜しまないことで、自ずと良い方向に道が開かれていくのかもしれませんね。


【profile】川崎競馬 調教師 山崎裕也
山崎裕也厩舎HP:http://yamazaki-stable.wixsite.com/kawasaki
川崎競馬HP:http://www.kawasaki-keiba.jp

この記事のテーマ
動物・植物」を解説

ペットなど動物や観賞用の植物に関わり暮らしに潤いを提供する分野、食の供給や環境保全を担う農業・林業・水産業などの分野があります。動物や植物の生態や生育に関する専門知識を身につけ、飼育や栽培など希望する職種に必要な技術を磨きます。盲導犬や警察犬、競走馬、サーカスの猛獣などの調教・訓練や水族館や動物園で働く選択肢もあります。

「動物・植物」について詳しく見る

この記事で取り上げた
「競馬調教師」
はこんな仕事です

競馬の調教師がする調教とは、馬主から預かった競争馬がしっかりと競馬場のコースに沿って走り、さらにスピードを上げていき、レースでベストの実力を発揮するための訓練を指す。調教師は、その管理責任を担う重要な役割である。競走馬を調教・管理する場所を厩舎(きゅうしゃ)と呼ぶが、自分が運営している厩舎で、馬の世話をする厩務員(きゅうむいん)や調教の補助を担当する調教助手を雇い入れて、その指導を行うほか、馬主に代わって未来の競走馬を発掘したり、競走馬をレースに出走させる出馬登録も大事な業務となる。

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