【シゴトを知ろう】法務教官 編

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【シゴトを知ろう】法務教官 編

2017.02.06

提供元:マイナビ進学編集部

【シゴトを知ろう】法務教官 編

犯罪や非行などさまざまな事情で送致された少年たちを預かる少年院。そこで働く法務教官はどのような仕事を行っているのでしょうか。東京都にある女子少年院「愛光女子学園」にお勤めの今間さんに、日々の仕事内容やこの仕事に就いたきっかけなどを伺いました。

この記事をまとめると

  • 法務教官は少年院で少年たちの教育や生活指導を行う仕事である
  • 大変なこともあるが、少年たちの成長を間近に感じられるのがやりがい
  • 情熱を持って素直に学べる人に向いている仕事である

少しの変化も喜びに!子どもたちの成長と安全を見守る日々

Q1. 仕事概要と一日のスケジュールを教えて下さい
 
少年院は家庭裁判所の決定により保護処分として送致された少年たちに、矯正教育と社会復帰の支援を行う施設です。子どもたちが社会に適応した生活ができるようにするため、教育プログラムや生活指導も行いますし、24時間体制で生活の管理等も行っています。

教育プログラムに関していうと、非行の問題を扱う講座・対人関係のスキルを磨く講座・社会で役立つ資格取得の講座などを、授業として幅広く教えています。高校受験を控えた中学生には各教科の授業のほか、問題集を渡して採点するなど、個別に勉強の仕方を教えることもあります。

<一日のスケジュール>
8:30 職員朝礼
9:00 朝礼
10:00 授業
12:00 昼食
13:00 授業 清掃、洗濯など

夕方に当直の職員と交代します。現在は担当する寮を6人の職員で順番に回しているため、私が当直を担当するのは6日に1回程度です。当直の日は子どもたちが就寝するまでの全般的な生活指導、就寝後は寮の外で巡回を行います。起床後は引き続いて全般的な生活指導に当たった後、日勤の職員と交代して勤務が終了します。
 
 
Q2. 仕事の楽しさ・やりがいは何ですか?
 
入院してすぐは大人に対する不信感から、挨拶ができなかったり、目を合わせなかったりしている子が多いのですが、だんだんと変わっていくんです。子どもたちが心を開くまでは大変さもありますが、変わっていく様子を間近に見ていけることは楽しいし、やりがいになっています。
自分が担当してきた子どもたちが本退院するとうれしいですね。少年院を出ても保護観察がつき「仮退院」の状態の少年が多く、保護観察期間を無事に終えると「本退院」になります。その知らせがきたときに一番喜びを感じます。
 
 
Q3. 仕事で大変なこと・辛いと感じることはありますか?
 
当直があるので体力的に大変ですね。最初のうちは夜間の巡回も慣れないから違和感がありました。
極端に距離感が近い子もいるので、職員がきちんと距離を取り、それは見放している訳でも聞いていない訳でも無いことを経験させます。これは口で言ってもわかりませんから、教えるのが難しいですね。
 

きっかけはテレビドラマ! 法務教官という仕事に衝撃

Q4. どのようなきっかけ・経緯で法務教官という仕事に就きましたか?
 
17年前に放送していた「リップスティック」という少年鑑別所を舞台にしたドラマがきっかけです。このドラマを見たときに、法務教官という仕事を知りました。
それまで教師や教育に興味があったのですが、自分自身にもうまくいかない学生時代の悩みや葛藤があり、興味はあるけれど自分が教師になることにピンときていませんでした。ドラマの中で法務教官が1対多ではなく、子どもと1対1で向き合う姿に「これだ!」と衝撃を受けたのです。
法務教官は国家公務員なので公務員試験に合格した後、愛光女子学園から声をかけていただき面接を受けた後、ここで10年以上お世話になっています。もともと人とコミュニケーションを取ることは苦手だったのですが、ここで子どもたちと接しながら自分も成長してきたように思います。 
 

Q5. 大学では何を学びましたか?
 
法学部で法律全般を勉強していました。入学前から教育には興味がありましたが、教職課程は他の学部でも取れるので、教育に限定するのではなく法律的なこともきちんと学びたいと思って法学部にしました。もちろん教員免許も取得しました。
 
 
Q6. 高校生のとき抱いていた夢が、現在の仕事につながっていると感じることはありますか?
 
高校生のときは「自分は何がしたいんだろう?」と悩んでいました。当時はあまり先生に心を開けなかったり、SOSを出せなかったり、苦しい思いに気付いてもらえないもどかしさがありました。そういった経験から「先生との関係とは?」「自分にとって物足りなかった部分を補うことはできるのか?」「そういう意味の教育とは?」ということに興味があり、教師を将来の職業として考えるようになりました。そんな中で先ほど話に出たドラマをきっかけに、法務教官を目指すことになったのです。

情熱を持って素直に学ぶことが重要

Q7. どういう人が法務教官に向いていると思いますか?
 
情熱があって学ぶことに素直になれる人ですね。先輩たちが教えてくださることを素直に学ばないと伸びませんし、子どもたちからも学ぶことはたくさんありますので、それを素直に受け入れないと良い関係を作れません。自分ができているかはわかりませんが、常にそういう人でありたいと思っています。
 
 
Q8. 高校生に向けたメッセージをお願いします
 
選ぶかどうかは別にして、この仕事をぜひ知ってもらいたいです。情熱があって自分が成長していきたい人にはやりがいのある職場だと思いますし、そういう熱い人たちと一緒に働きたいと思います。学生時代にいろいろ経験を重ね、子どもたちへのフィードバックという形でその経験を生かせるのもこの仕事の楽しさの一つです。
  

親しみやすく穏やかな雰囲気の今間さん、子どもたちからも慕われていることがうかがえます。法務教官の仕事は業務範囲が広く、夜勤もあるので大変ではありますが、その分喜びややりがいは大きいと笑顔でお話ししてくださいました。
教職を目指す人・子どもとじっくり向き合いたい人・仕事を通して成長したい人は、法務教官も将来の選択肢として考えてみてはいかがでしょうか。


【Profile】愛光女子学園 法務教官 今間氏

この記事のテーマ
公務員・政治・法律」を解説

公務員採用試験などの対策や司法書士など法律関係の資格取得のための学びが中心で、官公庁や行政機関の採用試験科目を段階的に学び、各種試験の合格を目指します。将来は公務員として行政に携わるほか、政治活動を支える政党職員などの仕事が考えられます。弁護士や検察官など法曹の道へ進みたい場合は、大学や法科大学院への進学が必須です。

「公務員・政治・法律」について詳しく見る

この記事で取り上げた
「家庭裁判所調査官・保護観察官・法務教官」
はこんな仕事です

いずれも共通して少年犯罪にまつわる職種。家庭裁判所調査官は、家庭裁判所の裁判官から依頼を受け、家族間紛争や少年事件について調査する仕事で「家庭裁判所調査官補採用試験」の合格が必要。保護観察官は、更生施設を出所した少年らが社会生活になじめるよう、手助けをする国家公務員。法務教官は、生活や学力の指導、職業訓練などを通じて少年らを更生に導く法務省の専門職員。いずれも少年らが育ってきた環境や心理・心情を把握できるよう、きめ細かくヒヤリングして更生を後押し。責任とやりがいがともに大きな仕事だ。

「家庭裁判所調査官・保護観察官・法務教官」について詳しく見る