【シゴトを知ろう】アクチュアリー(保険数理士) ~番外編~

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【シゴトを知ろう】アクチュアリー(保険数理士) ~番外編~

2017.02.02

提供元:マイナビ進学編集部

【シゴトを知ろう】アクチュアリー(保険数理士) ~番外編~

主に保険会社に所属し、保険料などの計算を行うアクチュアリーというお仕事。数学の知識だけでなく、経営・マネジメントの資質や、歴史への理解、道徳・倫理観なども求められる大きな責任とやりがいのある仕事のようです。ライフネット生命でアクチュアリーとして働く松原孝太さんに仕事の面白さについて、また思わず人に教えたくなる確率のお話なども伺いました。

この記事をまとめると

  • アクチュアリーの試験は全7科目。働きながら少しずつ取る人も多い
  • 生命保険会社や損害保険会社が主な活躍の場
  • 道徳や倫理観も求められる仕事

アメリカではなりたい職業ランキングの人気上位

――アクチュアリーは日本の高校生や大学生にはあまり知られていない職業かもしれませんが、アメリカではなりたい職業ランキングで常に上位に入るほど人気があるようですね

そうなんです。アメリカは保険会社の数が多く、アクチュアリーのニーズが高いということもあります。日本の保険会社はデパート型と言われますが、アメリカの保険会社は専門の小売店がたくさんあるというイメージです。


――アクチュアリーの仕事をするには資格は必須なのでしょうか

必ずしも必要なわけではありませんが、アクチュアリーとしてどの程度の専門的知識や問題解決能力があるのか、という重要な指標となるため、資格取得は実質的には必須だと思います。アクチュアリーの試験は7科目あり、働きながら1科目ずつ取っていく人も多いです。試験は年1回しかなく、仕事をしながらだと1年で1~2科目を取るのが精一杯だと思います。僕はあと1科目というところまで来ました。


――アクチュアリーはどんな職場で活躍できる仕事ですか?

保険会社に所属する人が多いですが、信託銀行や官公庁などに所属して保険や年金を対象に同様の仕事をする人もいます。それ以外では、保険会社で経験を積んだ人が保険会社をコンサルティングする会社に転職することがあります。アクチュアリーの知識は他の保険会社などでも、ある程度共通するものがあるため、転職が多い印象です。


――生命保険会社と損害保険会社ではアクチュアリーの仕事は変わるのでしょうか

扱うリスクが異なります。生命保険では人の生存や死亡・疾病など生命に係わるリスクを扱いますが、損害保険では自動車保険や火災保険・傷害保険など、多種多様なリスクを扱います。どちらも将来を予測する仕事という点では変わりませんが……“大数の法則”ってご存知ですか? サイコロを1回振っても100万回振っても“1”が出る確率は理論的には6分の1ですが、もしかすると最初の数回は“1”が連続して出るかもしれません。でも、振る回数(母数)が多くなるほど実際の確率がその理論的な確率に近づいていくという法則です。生命保険は損害保険に比べて契約数(母数)が多いので、大数の法則の通り、比較的長期の予測がしやすいということはあるかもしれません。

アグレッシブに行くかどうかの判断がある

――保険料はどのように決めているのですか?

一般的には設定した保険料の水準で保険金の支払いや会社の経費などを賄うことができるか、という「十分性」という観点や、同じくらいのリスクのある人には同じ保険料で保障を提供すべきという「公平性」という観点から考えます。また「収益性」も重要で、例えば将来にわたり死亡率が変わるケースや、市場の金利が動いてしまうケース、入院や手術の発生率が変わるケース、保険の解約率が変わるケースなど、複数のシナリオをシミュレーションし、それでも収益を出せるのはいくらかという風に考えます。将来こうなるだろうという“前提”が肝になります。それによって結果が大きく変わりますので、アクチュアリーの責任は大きいです。


――予測の材料として過去に起きたさまざまな出来事も含まれると思いますが、歴史への理解も深まる仕事なのでしょうか

歴史は直に統計データに反映されるため、そういう側面はあります。統計データを作る際はイレギュラーな要素を除かなければいけないのですが、たとえば昭和初期に生まれた男性は前後の世代に比べて寿命が短く、その原因に戦争が関係しているという説があります。

ただ、実際は複雑に要因が絡み合うため因果関係の立証は難しく、平均寿命がどうなるかということは本来誰にもわかりません。僕たちの世代の平均寿命に関しても、「伸びていく」と言う説もあれば「今より短くなる」と言う説もあります。傾向を読んで積極的にそれを織り込むのか、実績のみを織り込むのか。そうした判断があるところもアクチュアリーの仕事の面白いところです。

判断によっては保険料を安くでき、魅力的な保険商品に見せることもできるかもしれませんが、やりすぎるとリスクが伴うこともあります。


――松原さんは経営学部出身ですが、アクチュアリーの試験勉強をするにあたって文系のハンデはありましたか?

それはありました。数学IIIや数学Cは文系ではやらない科目なので、アクチュアリーの試験勉強を始めるときは大学入試の問題集を買って勉強するところから始めました。スタート地点に立つまでに時間がかかりましたが、論文試験では逆に文系の強みを生かせました。ちなみに論文は「金利が低下しているが商品改定を要するかどうか、あなたの意見を述べなさい」というような実務に直結したテーマが出されるため、実務経験もあったほうが有利です。


――前職のシステムエンジニアの経験も活きているのでしょうか

新しい保険商品を開発するとき、まずは保険料を算出するための数式を作ります。それが決まったら今度はそれをボタン一つで計算できるようシステムを作り上げます。そのプログラミング作業は当社ではアクチュアリー自身が行うのですが、私は前職の経験があったのでそこには苦労しませんでした。会社によってはシステム部門がプログラミングを担当しますが、確認作業は必要なのでプログラミング知識は必須です。


――アクチュアリー同士の横のつながりはありますか?

もともと生命保険業界は競合同士でも情報共有し合うことが多いのですが、その中でも特にアクチュアリーの横のつながりは強い印象がありますね。集まって一緒に試験勉強をする機会も多いですし、そうした人たち向けのセミナーやコミュニティサイトもあります。当社でもアクチュアリーの勉強会を開催しています。

アクチュアリーを目指す人としては以前は男性が多い印象でしたが、最近は女性も増えてきました。僕と同年代の人もいれば、若い頃に少し勉強していて再開したという40~50代の方もいて、そういう方々と一緒に勉強するのは刺激になります。


――普段から確率の計算をされていると思いますが、何か面白い確率のお話があれば教えてください!

以前、当社の広報誌でも紹介したことがあるのですが、「席替えで好きな子の隣になる確率は?」というテーマはいかがでしょうか。

仮に縦横6列ずつ計36人のクラスだとすると、自分と好きな子がどこに座るかという組み合わせは全部で“630通り”になります。そのうち隣になる確率は一列分(6席)だけで考えると5通りになります。それに6列をかけて合計“30通り”に。

隣になるパターン(30通り)÷全てのパターン(630通り)=1/21

正解は「21回分の1」です。

ただ、クラスメイトでいられる1年の間で21回も席替えをすることはないと思いますので……好きな子と席が隣になるというのはとてもラッキーだということがわかりますね (笑)。


数学には必ず答えがありますが、数学を使って将来を予測するアクチュアリーの仕事には、正解がわからない中で重要な判断を求められるという難しさがあります。ただそれこそが機械にはできない部分であり、面白さを感じられるところでもあるようです。


【profile】ライフネット生命保険株式会社 アクチュアリー 松原孝太
HP:http://www.lifenet-seimei.co.jp

この記事のテーマ
ビジネス・経営」を解説

法律などの専門知識を学び、文書作成などの技能を磨くほか、資格取得や検定合格を目指すカリキュラムもあります。小売業や不動産売買、経営コンサルタントや税理士など、各ビジネス分野におけるスペシャリストも育成します。国家試験の合格が求められる高度な資格を必要とする仕事もありますが、専門学校の中には受験指導に実績を誇る学校もあります。

「ビジネス・経営」について詳しく見る

この記事で取り上げた
「アクチュアリー(保険数理士)」
はこんな仕事です

生存率や死亡率、事故の発生率などをデータから割り出し、保険料や年金の適正な掛け金や支払金を、バランスよく算出する仕事。高度な数学・統計学の専門知識を活用するため「数理のスペシャリスト」と呼ばれる。主に保険会社や信託銀行などで、保険商品の新開発や年金制度の設計のほか、企業の資産運用の面でも活躍している。保険や年金に関する幅広い実務経験が必要とされるが、その分多くの個人・企業から評価され、やりがいと責任を感じられる仕事である。

「アクチュアリー(保険数理士)」について詳しく見る