【シゴトを知ろう】エンバーマー ~番外編~

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【シゴトを知ろう】エンバーマー ~番外編~

2017.01.31

提供元:マイナビ進学編集部

【シゴトを知ろう】エンバーマー ~番外編~

エンバーミングという、亡くなられた方のご遺体に消毒殺菌・防腐・修復・化粧をして、生前の姿に近づける技術があります。病気でやせ細った体や事故で傷ついた部分を修復することもできる技術で、故人を穏やかな気持ちで見送れるよう手助けをするお仕事です。その裏側ではどんなストーリーが繰り広げられているのでしょうか。葬儀会社でエンバーマーとして働く篠田陽子さんに伺いました。

この記事をまとめると

  • メイクやファッションへの興味を入り口に目指す人も多い
  • 日本ではまだエンバーミングセンターが少なく、需要は高い
  • 命を大切にしたいという思いが深まる仕事

ドラマ化されたこともあるユニークなお仕事

――エンバーマーというお仕事はどんなきっかけで目指す人が多いのでしょうか

人それぞれですが私が通った専門学校には、救急救命士や看護師をしていた人、エンバーミングされた身内の遺体を見て感動したという人、エンバーマーの漫画を読んで興味を持ったという人もいました。ちなみに『死化粧師』(三原ミツカズ著)というドラマ化されたこともある漫画なのですが、主人公の心十郎さんというイケメンエンバーマーを“心の彼氏”にしている女性エンバーマーは多いです(笑)。

メイクやファッションが好きで興味を持つ人もいますし、特殊メイクへの興味から入る人もいます。いずれにしても感性が少し他の人と違う人が多いかもしれませんね。


――エンバーミングは日本ではまだ馴染みが薄いように思いますが、欧米では普及しているのでしょうか

エンバーミングはもともとヨーロッパで解剖のために医学的に発達した技術です。遺体を長期保存させて解剖的見地で臓器を観察しようとするところから始まりました。また、アメリカでは南北戦争の際に、亡くなった戦士の遺体をご家族のもとに返すときに必要となり発達しましたが、今ではお葬式前に故人にエンバーミングを行うのは一般的です。


――日本ではどれくらい普及しているのでしょうか

日本には葬儀社が6,000社ほどあると言われていますが、エンバーミング施設を持っている事業者は16社ほどで、全国でも50センターほどしかありません。どこも予約が一杯で、一度利用されたことのある方が別のご家族が亡くなられたときに依頼されることも多く、需要は高いです。


――エンバーマーになるにはどんな方法がありますか?

日本ではエンバーマーの資格を持っていないと処置ができないので、専門学校に行くことが必須になります。

故人とその周りの人のつながりに感動することも

――印象に残っているお客様からの依頼はありますか?

すごく印象的だったのは、ご遺体を3週間自宅に安置したいと依頼して来られたお客様です。化粧直しのために何度かご自宅に伺いましたが、理由を聞いても教えていただけませんでした。そして3週間目。いつものようにご自宅を訪れると、ご遺体の横にケーキが置いてありました。故人様の誕生日だったんです。「この日を迎えるためにエンバーミングをお願いしたんです」と初めて打ち明けてくださいました。エンバーミングをこんな風にも利用していただけるんだなと感動した出来事でした。


――毎日のように死に向き合う中で、感情を動かされることはないのでしょうか

私は引きずることはありません。「最後だからもっとキレイにしようね」「どうしたら喜ぶかな?」という方向に考えていきます。

もちろん処置するのが同年代の子だったりすると、「この子はどうやって生きてきたんだろうか」「どうして死んじゃったんだろう」「ご家族はどんな反応をされたのかな」といろいろ考えてしまうこともあります。また、故人様とその周りの人々のつながりや絆を見ていると、自分で命を絶つことはできないなという思いが深まります。エンバーミングの仕事をしている人は皆そう思うのではないでしょうか。


――大変なお仕事だと思いますが、どうリフレッシュしていますか?

お菓子を食べています(笑)。体力も必要ですし、エンバーマーの人数が少なく休むと迷惑がかかるので、ご飯をちゃんと食べることも意識しています。先ほどは引きずることはないと言いましたが、ご遺体に「長生きしたかったよね」「痛かったよね」と話しかけるのは毎日のことで、積み重なるとしんどくなることもあります。気持ちを切り替えていくことが大切です。


――忙しい時期というのはありますか?

年末年始やGWなどの火葬場が閉まる時期はご遺体の長期保存の依頼が増えるので、一番忙しくなります。世間のお休みとは全く合いませんね。大晦日の夜に営業スタッフさんたちと鍋を囲み、そのまま年が明けることも……。そんなわけで社内の結束は強いです。葬儀会社で働いていることを周りに理解されないこともあるのですが、気心知れた社内の人たちとは何でも話せて楽なんです。

メイクのトレンドも反映される

――エンバーマーならではの職業病のようなものはありますか?

電車に乗っているときは皆さんのお化粧をやたら見てしまいますね。たまに青白い顔をした方を見かけると、血色がよく見えるお化粧をしてさしあげたくなります(笑)。コスメも新しいものが出れば仕事に使えないかとすぐに試しに行ったりします。


――一般的なメイクのトレンドがエンバーミングに取り入れられることもあるのですか?

アイテム自体はベーシックなものを使いますが、お客様からいただくご要望にはメイクのトレンドが反映された内容も多いです。例えば今、真っ赤な口紅が流行っていますが、故人様に塗ってほしいというご依頼が増えています。


――エンバーマーにはどういう性格の人が多いですか?

まじめな人が多いです。また、先輩に意見を聞いたり、営業スタッフに相談したり、お客様にヒアリングをしたりといろんな人と話をすることも多く、コミュニケーション力が必要な仕事なので、「処置だけ頑張ります」という人はいないです。私は普段はエンバーミングセンターで働いていますが、空いた時間は営業オフィスに行って電話を取るお手伝いもしています。会社で働くにはそうした自主性も大切です。


――エンバーマーにとって“出世”というものはあるのでしょうか

出世というより職務を広げていく人はいます。日本で亡くなられた外国人のご遺体の海外移送を扱ったり、海外で亡くなった日本人の帰国をサポートする人もいます。いずれも語学力や大使館などとの煩雑な書類の手続きを行うスキルが求められます。また、医療従事者に向けて“死後処置”をテーマにしたセミナーを行う人もいますし、エンバーマー学校の講師になる人もいます。日本ではまだまだ知られていない職業なので、そうした一線で活躍をされている方を筆頭に、業界全体で認知度を高める活動もしていかないといけないなと思っています。


エンバーマーとして活躍されている方には、“死”に関する特別な思いや体験を抱えつつ、それを明るく前向きな方向に変えていこうとする魅力的な方が多いようです。需要も高く、今後ますます活躍の場が広がる注目のお仕事かもしれませんね。


【profile】株式会社公益社 エンバーマー 篠田陽子
HP:https://www.koekisha.co.jp

この記事のテーマ
音楽・イベント」を解説

エンターテイメントを作り出すため、職種に応じた専門知識や技術を学び、作品制作や企画立案のスキル、表現力を磨きます。音楽制作では、作詞・作曲・編曲などの楽曲づくりのほか、レコーディングやライブでの音響機器の操作を学びます。舞台制作では、演劇やダンスなどの演出のほか、舞台装置の使い方を学びます。楽器の製作・修理もこの分野です。

「音楽・イベント」について詳しく見る

この記事で取り上げた
「エンバーマー」
はこんな仕事です

エンバーミング(遺体衛生保全)という、遺体の消毒や防腐処置、場合によって修復・化粧等の技術を用いる医学的・科学的技術者(葬儀の専門知識などを有することもある)のことをエンバーマーという。生前に近い故人の安らかな姿を保つことで、より良い最期の別れを実現する。海外と違って、日本では火葬がメインのため、保存という点での需要はあまりないと考えられているが、感染症防止や遺族へのケアという点で、エンバーミングの需要は伸びる可能性があると考えられている。

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