【シゴトを知ろう】音楽療法士~番外編~

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【シゴトを知ろう】音楽療法士~番外編~

2017.01.26

提供元:マイナビ進学編集部

【シゴトを知ろう】音楽療法士~番外編~

音楽を通して、認知症の高齢者の方や精神の障がいを持った方などの心身のケアをする「音楽療法士」のお仕事。音楽や福祉の分野を目指す人で興味を持つ人も多いかもしれませんが、実際の現場ではどのようなことが行われているのでしょうか。音楽療法士の中村英歌さんに伺いました。

この記事をまとめると

  • 歌は記憶と密接に関係している
  • 日本では高齢者に対する音楽療法が注目されている
  • 音楽療法士には場を引っ張っていく力と人に共感する力の両方が必要

音楽療法は紀元前から行われていた!?

――音楽療法は海外で発祥したものなのでしょうか

音楽が心身の癒やしに使われていたことは紀元前の文献にも記録が残っています。昔から歌や音楽は人の健康にとって良いことだと考えられていたようですね。近代ではアメリカでベトナム戦争の帰還兵の心のケアとして発達しました。そこから派生して高齢者や障がいを持っている方のセラピーとして広まりました。


――日本で音楽療法士が活躍できる場はまだ少ないのでしょうか

私が所属しているLeaf音楽療法センターのように音楽療法に特化した会社はまだ少ないですね。私の知人には高齢者施設のスタッフとして入社し、空いた時間を利用して音楽療法のセッションをしている人がいます。また一般の病院でも活躍の場はありますが、専任スタッフの求人は少ないかもしれません。ただこれからますます高齢化社会が進み、音楽療法の認知が高まっていくにつれ、活躍の場は広がっていくのではないかと思います。


――日本ではどんな方を対象に行われることが多いですか?

今、日本では高齢者に対する音楽療法が特に注目を集めています。高齢者施設には認知症を抱えている方も多くいらっしゃいます。認知症は新しい記憶は思い出せないけれど、子どもの頃に食べていたものや近所に住んでいた友達・兄弟の名前・家族のこと・懐かしい歌のことは思い出せるんです。「兄弟はいましたか?」と聞いて最初は思い出せなかった方も、子ども時代の歌を一緒に歌ってもらった後に同じ質問をするとスラスラ言えるようになることがあります。弊社の社長が音楽療法の効果の一つとして「人生の再価値化」とよく言うのですが、歌は記憶と密接な関係にあり、人間の本能的なものであるため、驚くような効果が見られることがあるんです。

高齢者の方が喜ぶ昭和の名曲に詳しくなった

――毎回さまざまなセッションのプランを考えるのは大変そうですが、楽しい作業でもあるのでしょうか

楽しいですね。活動の種類が増えていくことに充実感を覚えます。最近だと季節に合った曲の色楽譜を作り、それを使った合奏のプランを考えたりしました。色楽譜というのは誰でも簡単に楽器を弾けるよう、楽器に合わせて色をつけた楽譜のことです。イントロクイズを考えるのも好きです。今の高齢者の方は娯楽が限られていた時代に育っているため、みんなが知っている流行歌が多く、結構盛り上がるんですよ。


――よく歌う曲はありますか?

高齢者施設では皆さんが若い頃に流行っていた曲をよく歌います。唱歌や昔の流行歌などが多いですね。鉄板の曲だけでなく冒険する曲を組み合わせるのも工夫のしどころです。この仕事を始めるようになって覚えた曲ばかりですが、今流行っている曲以上に詳しくなりました(笑)。障がい児施設では子どもたちが大好きなアニメの主題歌などをよく歌います。


――お仕事をしていて印象に残ったことはありますか?

私はプロの歌手でも何でもないのですが、自分の提供した音楽で喜んでいただけるということが本当に嬉しいです。以前、あるシャンソンの名曲を日本語でピアノを弾きながら歌ったところ、とても喜んでいただけたことがありました。シャンソンが流行った時代に育った方も多く、歌詞を貼り出していなかったにも関わらず皆さんに一緒に歌ってくださったんです。

セッションを受ける方のご家族が喜んでくださることもあります。別のスタッフに聞いた話ですが、セッション中にあるおばあちゃんが、昔お付き合いをしていた男性との思い出の曲を歌ってくださったことがあります。当時は自由に恋愛できなかった時代で、その曲も悲恋を歌ったものでした。その方の娘さんも聞いたことのない話だったようで「母の人生を引き出してくれて嬉しい」と喜んでいただけたようです。


――この仕事を始めてから驚いたことや、働く前に思っていたこととギャップを感じることはありましたか?

大学の実習で初めて認知症高齢者の方と関わったのですが、自分が普段接している祖父母のような高齢者とは全く違うことに初めは驚きました。大声を出す人・じっとしていられない人・人を叩く人などいろんな人がいて、その症状に衝撃を受けました。

でも、実習のときに指導してくださった作業療法士の方が、1人1人の高齢者の方がどんな人生を歩んできたのかを説明してくださり、「それを尊重して敬いながら接してください」と教えてくださったんです。認知症によって出る症状は、その方の本当の姿ではありません。その方の本来の人柄を予め知って接することが大切だということを学びました。

元気な人でないと務まらない

――この仕事をするうえで体調管理など生活が制限されることはありますか?

体の弱い高齢者を相手にするので、風邪などをうつしてしまっては大変です。体調管理は一番気を使います。また、大きな声を出して皆さんを引っ張っていかないといけない立場なので、喉もいたわらないといけません。のど飴をいつもなめています(笑)。そもそも元気な人でないとできない仕事なので、すぐに体調を崩してしまうような人には難しいかもしれません。

ときには大晦日に仕事が入ることもありますが、毎月の予定は予め決まっているので休日の計画は立てやすいです。施設の方からすれば穴を開けられるのが一番困るので、長い休みをいただく際は代役のスタッフを手配することもあります。


――音楽療法士の方は女性が多いのでしょうか

9割くらいは女性ですね。でも、高齢者施設に入居している方の約8割は女性なので、男性の音楽療法士が行くと優遇されます(笑)。女性は乙女心をいつまでも持っているものなんですね。


――音楽療法士にはどんなタイプの人が多いのでしょうか

どーんと構えている人が多いです。あとは、人のことが好きでないと難しいと思います。思いやりや共感力を持っていないと心を開いてもらえません。場を引っ張っていく力と共感する力は相反する部分もありますが、その両方の力を持っている人が多いと思います。


――今後チャレンジしたいことはありますか?

以前は子どもが苦手だと思っていた時期もあったのですが、大学の実習や今の仕事で障がいのある子と触れ合ったときに、素直に反応してくれることに感動しました。今は現場の約8割が高齢者施設なのですが、今後は障がい児施設などでのセッションも増やしていきたいです。また、精神科の患者さんともセッションを通して関わりを持ちたいなと思っています。


中村さん自身もどーんと構えた落ち着いた方でしたが、セッションになると別人のように生き生きと声を張り上げて歌い出すため、参加者の方も一気に引き込まれるようです。大勢の人を1人で引っ張っていくのは大変なエネルギーの要ることで、ステージに立つ歌手のように本番に向けて最高潮の状態を作り上げる力も必要なのかもしれませんね。


【profile】株式会社Leaf音楽療法センター 音楽療法士 中村英歌
HP:http://www.leaf-mt-center.com

この記事のテーマ
医療・歯科・看護・リハビリ」を解説

医師とともにチーム医療の一員として、高度な知識と技術をもって患者に医療技術を施すスペシャリストを育成します。医療の高度化に伴い、呼吸器、透析装置、放射線治療などの医療・検査機器の技師が現場で不可欠になってきました。専門的な技術や資格を要する職業のため、授業では基礎知識から医療現場での実践能力にいたるまで、段階的に学びます。

「医療・歯科・看護・リハビリ」について詳しく見る

この記事で取り上げた
「音楽療法士」
はこんな仕事です

音楽を用いて患者のストレスを緩和し、心身の機能の維持・改善、障がいの軽減・回復をサポートする仕事。患者の状態を観察した上で治療計画を立て、医師や看護師と協力しながら治療にあたる。患者に音楽を聴かせる「受動的音楽療法」と、患者に歌を歌わせたりリズムに乗って身体を動かさせる「能動的音楽療法」がある。国家資格ではないが、全国音楽療法士養成協議会が指定する養成学校で専門科目を修了し、「音楽療法士」の民間資格を取得する必要がある。主に病院や高齢者施設、学校などに勤務する。

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