【シゴトを知ろう】染織家 編

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【シゴトを知ろう】染織家 編

2017.02.03

提供元:マイナビ進学編集部

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【シゴトを知ろう】染織家 編

高校生のみなさんにとっては、あまりなじみがないかもしれない「染織家」というお仕事。「テキスタイル造形作家」という肩書きで30年近く活動を続けている雨山智子さんに、染織家とはどんなお仕事なのか、どんなときに喜びや苦労を感じるのかなどについて伺ってきました。

この記事をまとめると

  • 「染め」と「織り」から広がる「染織」の世界
  • 発想の転換! 美術系大学への進学を反対されるも家政学部でもの作り
  • センスやデザイン力だけじゃない。諦めず集中して続けられる力が重要!

大事にしているのは作品の持つ”空気感”

Q1. 仕事概要と一日のスケジュールを教えて下さい

染織とは、大別すると「染めること」と「織ること」ですが、最近はその境界があいまいになってきていると思います。織りをしている人でも、糸から染める人もいるし買った糸で織る人もいる。自分の作品づくりに専念している職人のような人もいれば、企業のデザイナーとして布をデザインしている人もいる。
「染め」や「織り」で線引きをするのではなく、「どんな素材にどう手を加えて、どういう布にするか」ということ全般が、テキスタイルデザイン(染織)の領域になっているように感じますね。

また私は、テキスタイル造形作家という肩書きの他に、高校工芸をはじめとした非常勤講師という顔もあるため、一日のスケジュールはちょっと変わっているかもしれません。

<一日のスケジュール>
3:00 起床、制作
7:30 学校へ出勤(日によって異なります)
09:00 授業(授業がないときは、制作の打ち合わせ、展覧会見学、材料買い出し、自宅作業など)
18:00 退勤

※学校の授業がない日や長期休みの期間は、終日制作をしていることもあります。


Q2. 仕事の楽しさ・やりがいは何ですか?

制作には1カ月くらいかかることもありますが、作っている過程にワクワクしています。「どんなふうなるか早く見たい!」とはやる気持ちになります。
それ以上に「やってよかった」と強く感じるのは、完成したときに自分が思っていた“空気感”が作品から出ているときですね。その作品が売れるとか売れないとかよりも、自分が納得できる作品ができたときにやりがいを感じます。毎回、必ずしも思い描いていた通りのものが出来上がるとは限りませんし、納得できるかどうかは最後まで分からないのですが。


Q3. 仕事で大変なこと・辛いと感じることはありますか?

逆に、思ったような“空気感”が作品から発されないときです。辛いし、自分に恥ずかしい気持ちです。
家ではいいと思ったのに、実際に飾ってみたら思ったような感じではなかったということもあります。人はそうは思わないようですが、自分の中ではなかなか消化できないところですね。

「もの作りは一生続ける」。熱い想いは高校時代の恩師譲り

東京都内の百貨店に飾られた雨山さんの作品。大作になると制作に数カ月かかることも

東京都内の百貨店に飾られた雨山さんの作品。大作になると制作に数カ月かかることも

Q4. どのようなきっかけ・経緯でこの仕事に就きましたか?

大学卒業後、テキスタイルデザイナーとして企業に就職する人もいましたが、会社に勤めて自分にできることを提供することは、私が求めていることとは違うような気がしていました。お勤めにはいつか終わりがきますが、もの作りは一生続けるものだと思っていたので、違和感があったのだと思います。

一方で、大学時代に経験した教育実習で楽しさとやりがいを感じていたこともあり、卒業後は、「助手として手伝わないか」と声をかけていただいた服飾専門学校で1年間ほど働きました。
高校美術と工芸、中学美術の教員免許を取得していたので、その後もいくつかの中学校で美術教諭をした後、母校の中学校で美術教諭として勤めることになりました。今は高等学校の工芸講師になり、もう30年以上母校で教諭・講師を続けていることになります。また、大学や専門学校でも教えています。

制作から離れていた時期もありますが、母校に勤めることになったとき、「何を研究していくつもりですか」と副校長から問われて、自分の制作をちゃんとやろうという気持ちが膨らみました。
発表もしていこうと思ったのもその頃です。実際、3年後にギャラリーで作品を発表して、以来ほぼ毎年新作を発表しています。


Q5. 大学では何を学びましたか?

高校の時から美術全般に憧れがありましたが、その方面に進むことを親から反対されて、女子大の家政学部へ進学しました。そこから美術系に行ける道があるのではないかというもくろみが多少ありましたね。

大学では手でものを作ることがとにかく楽しくて、夏休みでも毎日学校に行って、作ったり描いたりしていました。楽しくて仕方がなかったんですね。
そんな中でも、次第に風合いのあるものがおもしろいと思うようになりました。「織り」にも興味がありましたが、「染め」ることで紙に絵を描くように表現できる点に魅力を感じました。また、繰り返すと大きな作品が出来上がるプリントの技法がおもしろいとも思いました。
そして3年生になる時にははっきりと、「染織がやりたい、特にプリントをやりたい」と思いました。


Q6. 高校生のとき抱いていた夢が、現在の仕事につながっていると感じることはありますか?

子どもの時から描いたり作ったりすることが好きでした。中学・高校でお世話になった美術の先生が画家としても活躍していた方で、その先生の影響もあって「もの作りは一生やるものだ」という今の自分に通じる考えが出来上がったのではないかと思います。

結果はすぐに出なくて当たり前。視野は広く大きく持って!

Q7. どういう人が染織家に向いていると思いますか?

芸術系、クラフト(工芸)系なら何でもそうでしょうが、集中してじっくりとものを作ることができる人が向いています。途中で諦めたり、投げ出したりしない人ですね。
デザインが飛び抜けていなくても、集中して丁寧に作ると、それだけでいいものになることもあります。芸術の才能より、続けることのできる才能の方がよっぽど大事だと思いますよ。

それから、色に興味を持って、色彩のことを考えるのが好きなことも大切な要素だと思います。染織は色の組み合わせでいくつものバリエーションを生み出していく表現方法ですから。


Q8. 高校生に向けたメッセージをお願いします

視野を広く大きく持ってほしいと思います。
受験前は、受験が終われば本番は終わりと思いがちですが、その先にも本番は次々とやってきます。例えば、ものを作りたいなら受験のための技法やデッサンも大事だけれど、その先に続く強い想いを持っていないといないと、目先のことで終わってしまいます。
目の前のことをクリアすればいいのではなく、続いていくことの通過点にいるということを考えておいた方がいいでしょう。

「結果を出さなければ」という雰囲気が学校にも社会にもありますが、そう簡単に結果なんて出ません。でもちゃんとやっていれば、30歳くらいで大切なものに出会えるかもしれない。出会ったことに気づけないくらい視野が狭くなっていたら悲しいですよね。出会いに気づくためにも、広く大きい視野を持っていてください。

一言では言い表せない「染織」という分野。それゆえに、自分に合った手法を見極めて、納得できる創作活動を追求していくことが、良質な作品を長く世に送り出すことができる秘訣の一つだといえそうです。高校の工芸講師という顔も持ち、日々、高校生と接している雨山さんならではのアドバイスも胸に響きますね。
「時間を忘れて夢中になれることは何だろう」。改めて自分自身に問いかけてみると、一生続けたいと思うことが見えてくるかもしれませんよ。


【profile】テキスタイル造形作家 雨山智子

この記事のテーマ
ファッション」を解説

ファッションの専門知識や業界のビジネスノウハウを学び、感性やセンス、基礎技術を磨きます。作品の発表会や学外での職業実習などを通して職業人としての実践力を身につけるほか、資格取得を目指すカリキュラムもあります。仕事としては、素材づくりや縫製など「つくる仕事」と、PRや販売促進などファッションビジネスに関わる仕事に分かれます。

「ファッション」について詳しく見る

この記事で取り上げた
「染織家」
はこんな仕事です

染め物には、型染め、捺染、注染、ろうけつ染め、シルクスクリーンプリントなど、多様な技法があって染料の種類も多い。織物が持つ表現力と可能性は奥深く、縦糸に横糸を通して生地に仕立てるものだが、糸を変えることで繊細な柄を描くことも可能。織物や染色、物づくりに関心が高く、緻密な作業の積み重ねが好きな人に向く職業。美術系大学や専門学校の工芸科などを経て、全国各地の工房で活躍する人が多い。独自の色合い、風合い、センスを確立し、作家や講師として人気を得る人もいる。

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