【シゴトを知ろう】野生動物調査員~番外編~

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【シゴトを知ろう】野生動物調査員~番外編~

2017.01.30

提供元:マイナビ進学編集部

【シゴトを知ろう】野生動物調査員~番外編~

鉄道や道路などの開発事業の際にできるだけ多くの生きものを守るための調査の仕事をしている松本昇也さんに、その仕事に役立つ体験や資格についての情報を教えていただきました。また、“鳥オタク”としてのプライベートライフについても伺いました。

この記事をまとめると

  • スキルアップのために調査員同士での情報共有も大切
  • 鳥類だけでなく両生・爬虫類、哺乳類、昆虫、植物、キノコなどの調査員もいる
  • 「生物分類技能検定」や「技術士」の資格を持っていると役に立つ

通勤時にも鳥のチェックは欠かさない

――プライベートでも鳥がいると見てしまいますか?

見てしまいますね。通勤時に駅までの道に「今日はこんな鳥がいたな」と携帯アプリで時々記録をつけています。人からもらった探鳥記録も保存しています。狙って見に行きたい鳥がいるときに検索して調べられるので便利なんです。

また、家の近所の霊園には「ツミ」という日本で一番小さな猛禽類(もうきんるい)が繁殖しているため、毎朝通勤前に確認しに行きます。バードウォッチングというよりデータを取るのが目的で、その鳥がどういう行動をしているかに興味があるんです。


――データをたくさん集めるには仲間と協力し合うことも大切なんですね

珍しい鳥の鳴き声の音源は貴重なので、調査員同士で「変わった鳥の地鳴きが聞こえたからあげるよ」と共有し合うこともよくあります。調査では鳴き声から鳥の種類を判断する力が重要なので、スキルアップのためにも協力は欠かせません。


――都心でもバードウォッチングは楽しめますか?

都市部でも少し緑地があるところなら珍しい鳥を見ることができます。たとえば新宿御苑のような都心の公園でも30~40種類くらいもの鳥が見られます。また、5月になればカッコウが鳴き、冬になればツグミが渡来するというように、鳥で季節を感じるのも楽しいですよ。


――松本さんが一番好きな鳥は何ですか?

もともと野鳥に興味を持ったきっかけは、小学生のときに近所で見たカワセミでした。その後、山で見かけ、近くでさえずりを聞いたことでコマドリが一番好きな鳥になりました。でも調査の仕事でいろんなところで見るようになってからは感動が薄くなりましたね(笑)。今はその季節の鳥を見に出かけるのを楽しんでいます。珍しい鳥が出たと聞けば、遠方の島まで出かけることもあります。


――プライベートの旅行も鳥目当てで行くことがありますか?

鳥を見に毎年のように離島へ出かけています。去年も10月中旬に山形県の飛島という島に調査員仲間とプライベートで行きました。ちょうど低気圧で海が荒れて4日間くらい帰れなかったときは島流しに遭ったかのようでした(笑)。そうしたことはしょっちゅうなので、それも見越して休みを取っています。

今年は奄美大島へ旅行したのですが、時期を合わせて来ていた社員ら4人と現地で落ち合い、現地の鳥やウサギ、ヘビなどを探しに夜な夜な車で林道を走りました。

島は渡り鳥が休息に訪れる場所なので、本土では見られない珍しい鳥を春や秋に見ることができるんです。日本初記録の鳥を狙って行くこともあり、うまくデータが取れれば学会に報告することもあります。


――鳥好きにもいろんなタイプの人がいるのでしょうか

同じ鳥好きでも、鳥を撮るのが好きな人、羽を収集している人などさまざまです。僕は鳥を探したり見つけたりするのが好きなのですが、マニアになるといかに見つけにくい鳥を探し出すかという方向に熱が入ります(笑)。台風が来ると南のほうにいる海鳥が日本の島に飛ばされて来るので、気象情報をチェックして台風接近中を狙って鳥を探しに行くこともあります。

いつもしていることがそのまま仕事に生かせる

――会社には生きもの好きの人が多いと思いますが、普段はどんな会話をしているんですか?

ほとんど生きものの話をしています(笑)。逆に他の会社ではどんな話をしているのかがわかりません。調査の現場やプライベートで見つけた生きものの情報を交換することもあります。


――松本さんは鳥専門ですが、会社には他にどんな調査員の方がいらっしゃるんですか?

両生・爬虫類、哺乳類、昆虫、植物、キノコなどを専門にした調査員がいます。それぞれが自分のデスクに好きな生物のグッズを置いているので、その人の机を見れば何の専門かわかります。キノコ調査員のPCの壁紙は30分ごとにいろんなキノコの画像に変わっていきます(笑)。みんな自分の好きなものを専門にしていますね。調査はハードな仕事なのでそのくらい好きじゃないと耐えられないかもしれません。でも特別な許可がないと行けないような奥地にも仕事で行けるので、好きな人には本当にたまらない仕事です。いつもしていることがそのまま仕事に生かせるので、趣味の延長上という感覚もあります。


――野生動物調査員として活躍するために持っておいた方がいい資格はありますか?

一番有名なのは「生物分類技能検定」という資格です。1級を取ると仕事の幅が広がります。難しいところでは「技術士」という資格があります。「技術士が○名います」と言えることが会社のステータスになるような資格で、筆記試験・論文・面接からなる合格率の低い試験です。「ビオトープ管理士」の資格を取る人もいます。


――このお仕事をするために高校生のうちからできることは何かありますでしょうか

生きものの発見力・観察力は経験によって磨かれます。たとえばタカがキョロキョロしながら飛んでいたら、餌を探しているのか、敵を警戒しているのか。調査ではいろいろな状況と照らし合わせながら判断するので、普段からそうした観察の仕方を意識すると良いと思います。

発見力は「ここに行けばあれがいそうだな」という感覚です。僕は子どもの頃から昆虫や鳥を見つけるのが好きだったので自然と身につきましたが、これも経験が物を言います。遠くのほうで鳴いている鳥の声に耳を傾けたり、常に意識しながら歩くことで身についていくと思います。


マニアックなほどに好きなことを仕事にできると、ハードな業務も楽しくてたまらないものに変わるものなんですね。松本さんは鳥の調査員ですが、他にもさまざまな生きものの調査をするお仕事があるようなので、生きもの好きの人は早くからチェックしておくと良いかもしれませんね。


【profile】株式会社環境指標生物 松本昇也
HP:http://www.bioindicator.co.jp

この記事のテーマ
動物・植物」を解説

ペットなど動物や観賞用の植物に関わり暮らしに潤いを提供する分野、食の供給や環境保全を担う農業・林業・水産業などの分野があります。動物や植物の生態や生育に関する専門知識を身につけ、飼育や栽培など希望する職種に必要な技術を磨きます。盲導犬や警察犬、競走馬、サーカスの猛獣などの調教・訓練や水族館や動物園で働く選択肢もあります。

「動物・植物」について詳しく見る

この記事で取り上げた
「野生動物調査員」
はこんな仕事です

公共事業などの工事を行う際に、周辺環境、とくに動物の生態系への影響を調査するのが野生動物調査員の仕事である。主に特定の位置での変化を調査する定点調査や対象区域を実際に歩き回って調査する林内踏査などを実施。さらに調査によって得た情報を地理情報とリンクさせて、デジタルデータとして管理する地理情報システム(GIS)を用いて分析する。その結果、動物の生態系に大きな影響を与え、自然環境が破壊される恐れがある場合には、事業計画の内容を見直す場合もある。

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