【シゴトを知ろう】和裁士 編

  • ようこそ、ゲストさん
  • ログイン
  • メンバー登録(無料)
  • エリア設定
  • 保護者・先生の方へ
MENU
閉じる
  • ようこそ、ゲスト さん

    メンバー登録(無料)

  • 適学・適職診断無料!

    診断を受ける

  • エリア設定

現在4校がカートに入っています。

一度に最大30校までまとめて資料請求することができます。

閉じる

「マイナビ進学」サイトが別タブでが開きます。

【シゴトを知ろう】和裁士 編

2017.01.30

提供元:マイナビ進学編集部

メイン
テーマ

【シゴトを知ろう】和裁士 編

現代では着物を着る人は減っているように感じられますが、実は和裁士の仕事は今、需要がとても高くて仕事が絶えないそうです。それはどのような理由があるのでしょうか。着物を仕立てる和裁士のお仕事をされている彦根由美さんにお話を伺いました。

この記事をまとめると

  • 自宅で自分の好きな時間に好きなペースでできる仕事
  • 和裁学校は“縫うこと”を実践で学ぶ場所
  • 和裁士として収入を立てるためには技術とスピードの両方が大事

キツい修行次第を乗り越えられるかがポイント

Q1. 仕事概要と一日のスケジュールを教えて下さい

お客様から反物を預かり、指定されたサイズに手縫いで着物に仕立てて納品するのが和裁士の仕事です。一般的に和裁士は呉服屋の外注スタッフとして仕事をする人が多いのですが、私は完全に独立した和裁士としてお客様から直接注文を受けています。お客様とお会いして採寸したり、色や柄のご相談にも乗っています。

お客様はお茶や日舞をされている方が多いです。また、ファッション好きが高じて洋服から反物へ興味が広がったという“布好き”のお客様もいらっしゃいます。Webサイトを見て来られる方がほとんどですね。

<一日のスケジュール>
9:00 メールチェック、外注スタッフへの指示出し
10:00 来客準備
10:30 来客(2時間くらい相談)
13:00 昼食
14:00 縫製、納品仕上げ作業、梱包、発送
18:00 家事、夕食
20:00 反物の水通し、裁断など
22:00 ブログの更新、明細処理などの事務作業
24:00 就寝


Q2.仕事の楽しさ・やりがいを感じるのはどんなところですか?

着物の仕立ては呉服店に依頼するといくつかの業者を挟むことになるため、情報が正確に伝わらないことがあります。私は採寸から縫うところまでを一人で取りまとめるので、お客様が着にくさを感じるポイントがよくわかるんです。そうして仕立てた着物をお客様に喜んでいただけたときに一番やりがいを感じます。

和裁学校での修業時代はひたすら縫うだけで、誰が着るのか、気に入っていただけたのかもわかりませんでした。今はお客様から直接感想をメールで送っていただけますし、「早速着てみました!」と写真を送っていただくこともあります。「着やすくなりました」「着付けが上手くなったかと思うくらい早く着られるようになりました」「もっと早くお会いしたかったです!」と言っていただけることもあり、そういうことがすごく嬉しいです。


Q3. 逆に仕事で大変さを感じるのはどんなところですか?

修業時代は大変でした。振り袖の仕事が入る年末のシーズンには、始発から終電まで縫い続けるという日もありました。歩合制なので縫うのが遅いと時給が下がります。トイレに行く時間も惜しくて膀胱炎になったことも……。でも自分で仕事を始めてからは大変だと思うことはあまりないです。キツい修業時代を乗り越えられるかがポイントだと思います。それを超えれば、自分の好きな時間に好きなペースで仕事ができるようになります。

あとは強いて言えば、一人でコツコツ仕事をするのが苦手な人には大変かもしれません。私は平気なタイプで、今はお客様も頻繁にいらっしゃるので息抜きができているのだと思います。

出産・子育て後も続けられる“家でできる仕事”を探した

Q4. どのようなきっかけでその仕事に就きましたか?

大学を卒業して3年間くらいシステムエンジニアの仕事をしていました。当時はIT業界の労働環境が整備されていなかったこともあり、サーバールームで寝泊まりする上司もいました。女性として出産後も続けられる仕事をしたいという思いがあったので、25歳のときに“家でできる仕事”という軸で探し始めました。もともとファッションや布が好きで、母が洋裁をやっていたこともあり、和裁士の仕事が目に留まりました。一人で完結する仕事で、細く長く続けられそうなところにも魅力を感じました。変化の早いIT業界にいた反動で、伝統的なものや変わらないものへの魅力を感じたということもありました。

Q5. 専門学校ではどんなことを学びましたか?

和裁学校では着物の基本的な知識を学ぶ座学もありましたが、“縫うこと”がほとんどでした。特に2~3年目は縫い続けていました。学校という体裁ではありますが、実態は昔で言う丁稚奉公(でっちぼうこう)のようなもの。でも、それが技術を身につけるには一番の近道なんです。

最初は襦袢(じゅばん)から縫い初め、浴衣などの簡単なものを縫い、着物を縫えるようになり、訪問着などの高級な着物を縫うようになり、羽織、振り袖、留め袖……と4年かけて縫い方を教えてもらいます。毎回違う生地を扱う楽しみがあるので布が好きな人はモチベーションを保ちやすいと思いますよ(笑)。

和裁学校に通う合間にコンクールなどの大会に出たり、一級和裁技能士という国家資格も取りました。資格がなくても仕事はできますが、一級和裁技能士を取れるくらいの技術とスピードを身につけないと食べていくのは難しいです。


Q6. 高校生のときに抱いていた夢や体験したことが、現在の仕事につながっていると感じることはありますか?

高校生の頃は何にも考えていなくて、受験勉強もほとんどせず、行けるところに進学したという感じでした。でもファッションには興味がありましたし、洋裁をやっていた母の影響で“縫うこと”は身近に感じていました。また、母は洋裁学校の講師として働いていたのですが結婚を機に専業主婦になり、技術はあるのに生かせないのはもったいないなと感じていたことも一生できる仕事を目指すようになったきっかけの一つです。

和裁士を目指すなら学校選びが大切

Q7. どういう人がこの仕事に向いていると思いますか?

一番大事なことは“手先が器用”であること。そうでないと食べていくには苦労すると思います。収入を立てるためにはスピードが必要で、手際の良さも重要です。一人でやる仕事なので、さぼらずに、地道な繰り返し作業をコツコツと正確にできる人。物を一人で作ることが苦にならない、体力と根性のある人に向いています。

また、私のようにお客様から相談を受けて仕事をするなら、布が好きで、繊細な色彩感覚と柄合わせのバランス感覚を持っていることも必要です。正確な採寸が求められるので数字に強いことも大切です。


Q8. 高校生に向けたメッセージをお願いします

和裁をやってみたいなと少しでも思っている人がいたら、一番伝えたいのは「学校選びが大事」ということです。4~5年かけて一級和裁技能士まで取れるところであれば、卒業後も苦労せずに仕事がもらえます。Webサイトなどを見ればコンクール等の成績が載っていますが、全国大会上位入賞者を毎年輩出している学校なら安心できると思います。学校の雰囲気も相性があるので、一日見学してみることをおすすめします。

今は高齢の和裁士が次々と引退して和裁士の数が減っており、需要は高まっています。もちろん着物を着る人の全体数は減っていると思いますが、縫う人がそれ以上に減っているということと、密かな着物ブームが起きているということがあります。私のところにも寝られないくらい仕事がたくさん来ることがあります。

洋服も着物も今は海外縫製が主流になっていますが、価格競争に巻き込まれないためには技術を高めることが大事です。海外の人には扱えない難しいものも縫えるようになれば、単価の良い仕事や自分のやりたい仕事を選べるようになります。和裁士の仕事に少しでも興味があるという方は私にメールをいただければ相談に乗りますよ!


彦根さんが言うように辛い修行時代はあるものの、それさえ乗り越えれば一生の仕事にできるという点が和裁士の仕事の大きな魅力です。家でできる仕事なので、子育てや介護などの家庭の事情に左右されにくく長く続けられるというのも安心ですね。


【profile】仕立て屋【*ツキヒコ*】  彦根由美
HP:http://www.tsukihiko.com

この記事のテーマ
ファッション」を解説

ファッションの専門知識や業界のビジネスノウハウを学び、感性やセンス、基礎技術を磨きます。作品の発表会や学外での職業実習などを通して職業人としての実践力を身につけるほか、資格取得を目指すカリキュラムもあります。仕事としては、素材づくりや縫製など「つくる仕事」と、PRや販売促進などファッションビジネスに関わる仕事に分かれます。

「ファッション」について詳しく見る

この記事で取り上げた
「和裁士」
はこんな仕事です

和裁とは和服裁縫の略。依頼主から反物を預かって着物や羽織にしたり、仕立て直したりするのが仕事。和服は洋服と違って複雑な形の型紙や立体裁断などがない。しかし、寸・尺単位での寸法の測り方から始まり、反物を切って着物にした時の柄合わせ、印付け、縫う順序など、いくつもの工程を覚える必要がある。また、仕立てだけでなくお直しや丸洗い、シミ抜きなどを受注する場合もある。働く場所は呉服店や和裁所などが多い。「和裁技能士」「和裁検定」といった資格への挑戦も技術の向上につながる。

「和裁士」について詳しく見る