【シゴトを知ろう】美術教師 編

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【シゴトを知ろう】美術教師 編

2017.01.26

提供元:マイナビ進学編集部

【シゴトを知ろう】美術教師 編

小学校から高校まで、みなさんも受けているであろう学校の美術授業。知識を詰め込む場ではなく、自分で表現する美術の授業は楽しい時間だったりしますよね。そんな身近だけど意外と知らない美術の先生のお仕事内容を美術教師の増野隆泉先生に詳しく伺いました。

この記事をまとめると

  • 教師は「学んだことを伝えられる仕事」
  • 創作活動を続け、常に挑戦者であることが大切
  • 自分に厳しくできれば結果はついてくる

美術教師は生徒が一歩踏み出すのを待つ仕事

Q1. 仕事概要と一日のスケジュールを教えて下さい

美術教師としての仕事は、生徒たちに出す課題を決め、その準備をして授業でその課題に取り組んでもらい、そして提出された作品を評価すること。この他に担任を持っているので、朝と授業後のホームルームや生徒指導、部活の指導などがあります。

美術の授業は生徒たちが課題に取り組む時間を確保しなければならないので、課題の意図や内容を正しく伝える最初の5分が勝負です。教師 は“伝える”のが仕事。正しいことを言えば伝わるという訳ではないので、時にはお笑い芸人のトークライブを見て研究し、使う言葉や声のトーン、話の順番まで考えてから話すようにしています。

授業中は生徒の手が止まっていても、集中しているようなら話しかけません。僕自身、制作途中でとやかく言われるのは嫌でしたし、ほどよい失敗ならした方がよいと思うので……。美術には答えがないので、生徒が一歩自分で踏み出すのを待つ教科でもありますね。

<一日のスケジュール>
7:30 学校到着、授業の準備
8:30 HR
8:40 授業開始
15:20 HR
16:00 部活指導
19:00 帰宅


Q2. 仕事の楽しさ・やりがいは何ですか?

生徒たちが生き生きと集中して課題に取り組んでいる空間に自分も一緒にいる時です。あと子どもたちと世間話ができるようになった時や、さり気なく手伝ってくれるようになった時など、生徒たちの成長の一端を感じられる時ですね。


Q3. 仕事で大変なこと・辛いと感じることはありますか?

自分が学んだ“美術”の分野を生かせるのは仕事のうち半分程度で、残りは生徒指導や事務処理など、どちらかというと専門分野以外の方が多いことでしょうか。でも自分が知らないことや苦手なことに取り組む時は、先輩や周囲の先生のやり方を参考にしたりアドバイスをもらうようにして、自分の感覚だけを頼らないようにしています。

大学時代にもがき苦しんだ経験が今も支えに

Q4. どのようなきっかけ・経緯でその仕事に就きましたか?

大学院の研究室の先生に“絵を描き続けるためには環境を整えることが大切だ”とアドバイスを受け、その時に教員を勧められました。当初は“安定的な収入を得るため”と考えて選んだ仕事でしたが、“自分が学んできたことを生徒に伝えられる”という意味では恵まれた仕事だと思っています。美術は人に教えてもらう教科ではなく、自分で選び決めるもの。僕はプライドを捨て自分自身へ厳しくできるようになってから、大学受験に成功したり作品で賞を取ったりと結果が出るようになりました。子どもたちには自分に厳しく、そして自分を信じることの重要さを教えたいですね。

大学時代にもがき苦しんだ経験が今も支えに

卒業制作 「Resonance」

卒業制作 「Resonance」

Q5. 大学では何を学びましたか?
僕は油絵が専門だったのですが、入学して第一回目の授業で素材もテーマも何も指示されずに自由に作品を作るように言われました。周囲にはパフォーマンスをする人や写真や立体作品に取り組む人もいたんですが……僕は絵を描きました。そこで“なぜこの作品を作ったのか”“自分は一体何がしたいのか?”という疑問を徹底的に突きつけられ、考えさせられたんです。それが大学での最初の洗礼でしたね。

卒業制作では、シルクロードを旅して道路に転がっている石や土くれなどを砕いて色を造り、作品にしました。その制作過程は、果たしてこれが作品になり得るのか、自問自答しながら暗闇の中を模索していく苦しさでした。実際美術という教科には正解もゴールもなく、果たして道があるかどうかも分からずに進まなければいけないことが多い。でもこの作品を完成させたことが、今では精神的支柱になっています。もがき苦しむ経験、その小さなパーツを何とかつなぎ合わせて積み上げることで、でき上がるものがある。その経験は絶対に無駄ではないということを学んだような気がします。

Q6. 高校生の時に抱いていた夢が、現在の仕事につながっていると感じることはありますか?

幼い頃から絵を描くことは好きで美術の成績はよかったんですが、高校3年の1学期まで大学進学のことは全く考えておらず、“美術系の専門学校にでも行こうかな”と漠然と思っていました。学年主任の先生の紹介で夏休みから美術予備校に通うようになり、最初の予備校内コンクールでビリになったことでプライドが無くなり火がついたというか……。でもなぜか、他の学生たちに負ける気がしなかったんです。そこからは自分の作品に対して厳しく、世の中の作品の良いところは、なぜ良いと感じるのかを常に考えながら取り組むようになり、結果が出せるようになりました。

自分も挑戦者であり続けることで、生徒と気持ちを共有できる

Q7. どういう人がこの仕事に向いていると思いますか?

難しい質問ですね……ただ先生という仕事は、世の中にある“力(りょく)”がつく言葉、例えば“コミュニケーション力”や“包容力”“想像力”“魅力”といった力がすべて必要な仕事だとつくづく感じます。

また、僕は美術を生業としている限り創作活動は続けるべきだと思っていて、今でも空いた時間で作品に取り組んでいます。挑戦者であり続けることは苦しいこともありますが、生徒の気持ちを理解することにもつながっていると感じます。


Q8. 高校生に向けたメッセージをお願いします

いろいろと迷ったり、悩んだりすると思いますが、やってみたいことを一つ決めたら、周囲から何を言われてもその道を進んでみてほしい。必ず壁にぶつかると思いますが、自分に厳しく、そして自分の決めた道を信じることで突破できると思います。


美術の先生であっても、担任や担当部活を持つとそちらの業務も行う忙しいお仕事のようです。ただ他の先生と違うのは“先生”としての顔と“作り手”としての顔を両方持っていること。創作活動を続けていきたい人にとって美術教師という道は、生活の糧を得ながら自らの作品制作に携われる、理想の選択肢の一つかもしれません。


【profile】美術教師 増野隆泉

この記事のテーマ
デザイン・芸術・写真」を解説

デザインは、本や雑誌、広告など印刷物のデザイン、雑貨、玩具、パッケージなどの商品デザイン、伝統工芸や日用品などの装飾デザインといった分野があり、学校では専門知識や道具、機器を使いこなす技術を学びます。アートや写真を仕事にする場合、学校で基礎的な知識や技術を身につけ、学外での実践を通して経験やセンスを磨きます。

「デザイン・芸術・写真」について詳しく見る

この記事で取り上げた
「美術教師」
はこんな仕事です

中学・高校において美術の授業を担当し、生徒、児童に絵画、彫刻、陶芸などの創作を教える。仕事に就くには、美術課程のある大学にて教員免許を取得し、さらに教員採用試験に合格する必要がある。生徒一人ひとりの個性を尊重し、創作の喜びや豊かな心を育むことが使命。そのため美術のスキルだけでなく、コミュニケーション能力も重視される。また、部活動の顧問、写生会や美術館鑑賞といった課外活動を担当する場合もある。現在は、造形表現のツールとしてコンピュータを使って授業を展開する学校も増えている。

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