【シゴトを知ろう】ボディケアセラピスト 編
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体も心も疲れが溜まってしまった、癒しを求める大人たちに人気の場所なのが、リラクゼーションサロン。リラクゼーションサロンでは、身体全体の筋肉の疲れをもみほぐす「ボディケア」が行われることがありますが、この中でも、東洋医学の考えに基づき、中国整体医学の「推拿(すいな)」の手技を取り入れて施術を行う人たちをボディケアセラピストといいます。
今回は、ボディケアセラピストという職業のお仕事内容や魅力について、アロマリラクゼーションサロン「癒家(いやしや)」の中川美鈴さんにお話を伺いました。
この記事をまとめると
- ボディケアセラピストは、東洋医学に基づいた「推拿(すいな)」の手技を用いた施術を行う
- ボディケアは、施術した人の身も心も癒すことが目的
- 人に喜んでほしいという気持ちがある人は、ボディケアセラピストに向いている
「体が楽になった」という言葉がやりがいに
Q1. 仕事概要と一日のスケジュールを教えて下さい
私は、癒家というリラクゼーションのお店でお客様の心と体を癒すボディケアセラピストをしています。身体をもみほぐすことで、疲れやストレスを解消していきます。
日々の業務では、お客様が来店していただいたときよりも、お帰りになるときに「本当に体が楽になった! 痛みが和らいだ!」と感じていただくことを目標にして、施術に取り組んでいます。そのほかにも、店舗整備や資材の発注、新人教育の手助けなども行っています。
<ある一日のスケジュール>
18:00 出勤
18:30 店舗整備(施術で使う服やお客様にお出しする飲み物をチェック)
19:00 チラシ配り
19:30 休憩
20:30~27:00 施術、お客様カルテ記入、資材発注など
27:00〜退勤
Q2. 仕事の楽しさ・やりがいは何ですか?
私たち癒家のセラピストは、お客様の身も心も癒すことが目的です。その中で、「ありがとう!」と言っていただけたとき、大きなやりがいを感じます。セラピストは、お客様に満足して帰っていただけるように、どこがお疲れか、お客様との会話からは分からない部分にも目を光らせ、声なき声にお応えするようにしています。その後、ブログで返信が返ってきたり、感謝のお手紙を頂戴するととてもうれしいですね。
Q3. 仕事で大変なこと・辛いと感じることはありますか?
以前、会議で発言する内容をまとめなければならないときがあり、それがたまたま施術の手技研修と資材の発注に関する業務の引き継ぎをしている時期で、それ以外にもお客様の施術は当然のように大事な仕事としてありますので、新しく覚えないといけないこととやらなければならないことで頭がパンクしそうになったことがあります。
1対1のコミュニケーションができるボディケアセラピストに魅力を感じて
Q4. どのようなきっかけ・経緯でボディケアセラピストの仕事に就きましたか?
一人ひとりのお客様と時間が取れる仕事をしたいと思い、ボディケアセラピストの道へ進みました。以前は美容師になりたいと思っていた時期もあり、1対1のコミュニケーションを大切にし、お客様との会話ができる職業は楽しそうだと感じていました。ですので、もともとは特にボディケアの仕事に就きたいという希望があったわけではありませんが、お客様とコミュニケーションが取れるので、今の会社に応募し、働き始めることになりました。
Q5. 仕事を通じて、これまでにどんなことを学んできましたか?
自分自身を奮い立たせ、前を向いて努力することやコミュニケーションを通して他の人と交流する楽しさなどです。仕事で大切にしなければならないことは、現在の仕事を通して得ることができました。
Q6. 高校生のとき抱いていた夢が、現在の仕事につながっていると感じることはありますか?
高校時代は美容師になりたいと思っていました。人の髪を触ったり、アレンジしたりするのが好きで、友達や家族に喜んでもらえると、とてもうれしい気持ちになりましたね。そのときに、「この子はどういうアレンジが似合うのだろうか」と考えていたことが、今のお客様のお疲れの場所を探し当てることにつながっているのではないかと思います。
人に喜んでほしいという気持ちが大事
Q7. どういう人がボディケアセラピストに向いていると思いますか?
自分がしたことを人に喜んでもらいたい人、真っすぐで素直な人、筋肉の動きや体のつくりに興味がある人、好奇心旺盛で何事にもチャレンジできる人。どれか一つに当てはまる方は向いていると思います。へこたれず、次こそはできるようになる!という心さえ持っていれば、なんでも乗り越えられると思います!
Q8. 高校生に向けたメッセージをお願いします
今を大切にして、今しかできないこと、たとえば部活や恋愛、勉強などを精一杯経験してください。その経験が社会人になったときに生きてきます。ボディケアの仕事に興味を持った人は、ぜひ目の前のことに全力で取り組んで、その興味を広げていってくださいね。
ボディケアの施術において、「肩がこっているな」「脚がむくんでいるな」など把握するためには、たくさんの経験を積まなければいけません。でも、努力を積んでいけば、癒しを求める人々にとって、かけがえのないセラピストになることができるはずです。ぜひ、人のためになる仕事がしたいと思っている人はボディケアセラピストの仕事について調べてみてくださいね。
【profile】癒家 中川美鈴
http://www.iyashiya.co.jp/
この記事のテーマ
「エステ・ネイル・リラクゼーション」を解説
ネイルアーティストやエステティシャンなど、美容のスペシャリストを育成したり、アロマセラピストやマッサージ師のように身体のもみほぐしや香りでの癒しに関わる知識と技術を身につけます。あわせて学校では、職業に応じた専門技術と接客能力を磨きますが、新しい技術やトレンドに対応するため、自ら学び続ける好奇心やセンスが求められます。
この記事で取り上げた
「ボディケアセラピスト」
はこんな仕事です
東洋医学の考えを基に、ツボや全身の経絡にまつわる知識と中国整体医学「推拿(すいな)」の手技などを取り入れ、施術を行う仕事。腕や手を使ってもみほぐすことにより、身体の疲れを取り、腰痛や肩こり、その他ストレスから起こる症状などを改善する。プロとして活躍するためには、常に新しい療法や情報を取り入れながら、技術を磨いていくことが重要。また、人に触れる職業なので、高い接客技術と細やかな気配りも求められる。特別な機材などを必要としない職業で、独立開業を目指すことも可能。