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【シゴトを知ろう】畳職人 編

2017.01.18

提供元:マイナビ進学編集部

【シゴトを知ろう】畳職人 編

みなさんのお家には畳の部屋はありますか? 最近はフローリングの床を使った住宅が多く、畳の上で生活する機会は少なくなってきているかもしれません。畳に触れることが少なくなった今、畳がどういう素材でつくられているのか知らない人もいるのではないでしょうか。

今回は、東京にある「羽毛田畳店」で畳を手作業にて製作されている羽毛田さんに、畳の製作過程や成り立ちなど、畳に関するさまざまなことを伺いました!

この記事をまとめると

  • 畳屋の仕事は、新畳をつくることと、畳をメンテナンスする仕事がある
  • 畳職人には、「畳製作技能士」という資格がある
  • 畳職人は、数字に強いと仕事で役立つ

畳は日本のオリジナル商品!

Q1. 仕事概要と一日のスケジュールを教えて下さい

畳屋の仕事は、新畳をつくることと、「表替え」と「裏返し」といって古くなったり傷んだりした畳をメンテナンスする仕事があります。

まず畳の構造から説明すると、畳は、「畳床」といわれる畳のベースになるものと、それを覆うい草で織り上げられた「畳表」と、その縁を囲う「畳縁」からできています。畳床は「稲ワラ畳床」と「ワラサンド畳床」と「建材畳床」という種類があります。今取り扱われている新畳の8〜9割が建材畳床になりますが、昔から使われてきた畳は、すべてがワラでできた稲ワラ畳床になります。

ワラは稲からお米をとった後の茎の部分を指すので、畳はいわゆる「リユース品」という考えもできます。

「新畳づくり」は、畳をいれる部屋の寸法を測るところから始まります。部屋は床が凸凹していたり、壁や柱が曲がっていたりするので、そこにいかにきれいに納めるかが大事です。採寸したら、一畳ごとに寸法を割り付け、畳床や畳表をどの畳につけるのかを選んでいきます。稲ワラ床は、ワラを一本一本積み重ねてつくった天然素材の畳なので、必ずしも均一には仕上がっていません。そのため、稲ワラ床を使う場合は、部屋の様子や人の動線を考慮して、しっかりした畳床や綺麗な畳表を、一番踏まれるところや、目立つ位置に選び、畳をつくります。

私の店は基本手作業で製作しています。畳床を裁断し、畳表と畳縁を縫いつけた後、返し縫いといってワラをつけながら厚みを調整して縫っていきます。それが終わると畳をまたひっくり返し、縫った糸を締めていきます。そういう過程を踏んで、新畳はできあがります。「表替え」は、傷んだ畳表を新しい畳表に張り替えることで、「裏返し」は、畳表の痛みが少ない場合、畳表を裏返し付け直すという作業です。

その仕事のほかにも、子供や大人に向けたワークショップを開催しています。今、特に子供は、畳に触れる機会が少なくなってきているので、畳と縁をもってもらうきっかけになればいいなと思い、催しています。

<ある一日のスケジュール>
08:00 出勤。開店
08:30 お客様宅に伺い、畳を受け取る
09:00 畳の表替え作業
12:00 昼食
13:00 畳の表替え作業
17:00 お客様宅に表替えした畳を納品
18:00 閉店。後片付け。帰宅。


Q2. 仕事の楽しさ・やりがいは何ですか?

畳は、世界の中で日本だけにあるものです。日本のオリジナル商品といっていいと思います。世界のいろんな国でお米は食べられていますが、稲からお米をとったあとのワラで畳をつくったのは日本人だけです。日本の高温多湿な気候風土や日本人の気質などのさまざまな要因が重なり、誕生してから千数百年かけて、畳は形づくられてきました。

畳は、そういう点でも、日本の文化の一つだと思います。華道や茶道など、日本の文化の下支えをしているのも畳です。そんな日本の代表的な文化に日常的に触れていられることや、傷んだ畳が奇麗になり、良い香りでお客様の笑顔が見られることが魅力であり、やりがいでもあります


Q3. 仕事で大変なこと・辛いと感じることはありますか?

畳の素材をつくる人が減っているということが、一番苦しいところです。材料や道具などが手に入りにくい状態になっています。ワラも農業が変わってきたので、手に入りにくく、稲ワラ床自体が存続の危機です。稲は、今では刈り取ったあと、その場ですぐ脱穀して乾燥機にかけてしまうので、稲ワラを干さなくなっているからです。また、畳表はい草でできていますが、それをつくっている地域もどんどん減ってきました。いろんな場所でつくられ、さまざまな特徴があったほうがおもしろいと思うのですが、それができなくなってきています。

職人は満足したら、そこで終わり!

素框畳の構造

素框畳の構造

Q4. どのようなきっかけ・経緯で畳職人の仕事に就きましたか?

私の実家が畳屋だったからです。うちの畳屋は昭和9年創業で、私で3代目になります。子どものころはまったく畳に興味はありませんでした。専門学校を卒業後、別の会社に勤めていたのですが、そこの社長さんに実家が畳屋だという話をしたら、そっちに進めと言ってくれました。その言葉がなかったら、畳屋をしてなかったと思います。


Q5. 専門学校では何を学びましたか?

私は、自動車整備士の専門学校に進み、整備の知識や技術について学びました。卒業後、知り合いに誘われて、重機のメンテナンスをする会社に2年勤め、それから畳職人になりました。当時は住み込みの職人さんがいたので、入った当初は自分も見習い職人扱いで、共同生活を送っていました。部屋も共同でした。ござを縫うとか、畳を運ぶなどの簡単な仕事をしながら、職業訓練学校に通い、畳づくりを学びました。


Q6. 高校生のときはどんな夢を抱いていましたか?

当時は自動車の整備士になりたいと思っていました。高校生のころから、バイクを触るのが好きでした。ものづくりをしたいという思いもありましたが、畳と触れ合うことはまったくありませんでしたね。

ものづくりが好きであればいい!

板入れ畳の構造

板入れ畳の構造

Q7. どういう人が畳職人の仕事に向いていると思いますか?

ものづくりが好きであればいいと思います。こだわりなどは、経験を積まないと分からないもので、後からついてくるものです。


Q8. 高校生に向けたメッセージをお願いします

寸法とりでは、ピタゴラスの定理とか平方根などが基本となるので、数学の知識が必要となります。数字にはそこそこ強いほうがいいと思います。だから、勉強をおろそかにしてはいけません。あとは、工夫するのが好きな人や、手作業が好きな人は畳職人に向いていると思います。



羽毛田さんのお話から、畳の構造やその文化を詳しく知ることができました。本来の畳のよさを大事にされ、それを伝えていきたいという熱い想いがあるからこそ、手作業でつくり続けられているのですね。

畳職人に興味を持った人は、畳の歴史を調べてみると、ますます興味が湧くかもしれませんよ!


【profile】羽毛田畳店 畳刺 羽毛田真
http://www.haketa.com/index.htm

この記事のテーマ
建築・土木・インテリア」を解説

建築や土木に関する技術を中心に学ぶ分野と、インテリアコーディネイトなどデザインを中心に学ぶ分野の2つに大きく分かれます。資格取得のために学ぶことは、建築やインテリアの設計やプランニングに必要な専門知識、CADの使い方などが中心です。どちらの分野も依頼主の要望を具体化できる幅広い知識とコミュニケーション能力も求められます。

「建築・土木・インテリア」について詳しく見る

この記事で取り上げた
「畳職人」
はこんな仕事です

日本固有の畳は、藁(わら)を細かく縫い上げた「畳床」、イ草で織り上げられた「畳表」、表床を保護する「畳縁」でできている伝統的な床材である。畳には日本の風土に適した自然の素材が多く使用されており、畳職人が心地のよい畳を丁寧に手作業で製作している。昨今では多様な材質が多いことや機械での生産も増えているため、手作業をする職人は伝統文化を守るべく貴重な存在となっている。職人には技能を測る資格として国家資格の「畳製作技能士資格」の1級と2級があり、どちらも畳1枚を製作する試験を受ける。

「畳職人」について詳しく見る