【シゴトを知ろう】俳人 編

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【シゴトを知ろう】俳人 編

2017.01.16

提供元:マイナビ進学編集部

【シゴトを知ろう】俳人 編

国語の授業で、俳句を作ったことがある人は多いと思います。その際に、五・七・五、合計17文字で、自分の思いを表現することの難しさ・おもしろさを感じた人もいることでしょう。

俳句を作る人のことを「俳人」と呼びます。しかし、現代における俳人は、俳句を詠むことだけを仕事にしているわけではないそうです。この記事では、俳人の小澤實(おざわ・みのる)先生に、お仕事内容や魅力について伺いました。

この記事をまとめると

  • 「選句」で、良い句に出会うことが、仕事のやりがいである
  • 大学で連句に誘われたことが、俳句の道に入ったきっかけ
  • 図書館にある俳句鑑賞書や句集を片っ端から読んでみるといい

俳人として、毎日行っている仕事は「選句」

Q1. 仕事概要を教えて下さい
 
僕が俳人として、毎日行っている仕事が「選句」です。新聞各紙に載せるための俳句を選ぶこともありますし、「俳句甲子園(※)」といった俳句の大会でも行います。自分の結社(※)「澤俳句会」においては、毎月すべての投稿された作品を選句しています。

ほかには、既存の俳句の魅力を伝えるために批評・鑑賞文を書くこともあります。また、俳句を人に教えるのも大切な仕事ですので、カルチャーセンターで俳句講師もしています。

もちろん、自分で俳句を作ることもありますよ。しかしながら、詠んだ俳句を発表してお金をいただくことができるのは、年に数回です。だからこそ、そういう機会をいただけたときはとてもうれしいですね。

※俳句甲子園……高校生を対象とした俳句コンクール。愛媛県松山市で毎年8月に開催される。
※結社……俳句の指導者と、そのもとに集う会員の団体。
 

Q2. 仕事の楽しさ・やりがいは何ですか?
 
選句で、良い句に出会うことです。句を選ぶのは単調な作業であるため辛いときもありますが、良い句に出会うと、それだけで気持ちが解放されます。注目すべき作家を見つけ出すことができた喜びは、何ものにも代え難いです。
 
 
Q3. 仕事で大変なこと・辛いと感じることはありますか?
 
選句、原稿執筆、俳句作り、どれも締切があるので、非常にプレッシャーがかかります。例えば、あるテレビ番組では、1週間の間に4,000~5,000句の中から、優秀作を9句選ばなければいけませんでした。さらに、テキストに佳作として掲載する句を、100数十句選ぶ必要もあり、「特別に良い句」「まあまあ良い句」という2段階の選句をしなければならなかったんです。膨大な句数がある中から締切までに選句をするのは、非常に大変ですね。

「言葉だけでこんな世界が作れるんだ」中学生の頃、文学に目覚めた

俳人の小澤實(おざわ・みのる)先生

俳人の小澤實(おざわ・みのる)先生

Q4. どのようなきっかけ・経緯で俳人の仕事に就きましたか?
 
大学で、連句(※)に誘われたことが、僕が俳句の道に入ったきっかけです。連句の先頭の句は、「五・七・五」になっているので、そこで俳句の魅力に気づいたんです。

大学3年生のときには、句会(※)を作って、本格的に俳句を楽しむようになりました。卒業後は、大学院で国文学の勉強をしながら、俳句の雑誌の編集もしましたね。その後、高校や短大の教員もしました。しだいに選句の仕事が増えていき、現在に至ります。

※連句……最初に「五・七・五」を詠み、別の人がそこから連想される情景を「七・七」で詠み、つなげていく詩形。
※句会……俳句を作って、発表しあう会。
 
 
Q5. 大学では何を学びましたか?
 
大学では、松尾芭蕉について学んでいました。現代における短歌は、俵万智(※)の登場以来、ほとんど今の言葉で詠まれるようになったのですが、俳句の場合、「や・かな・けり」といった昔の言葉を未だに使っています。これらは、室町時代に連歌(※)で使われていた言葉なんですよ。俳句を考える際には、現在のことだけ考えていても、届かない側面があるんです。だから、大学で勉強した知識は、今に生きていますね。

※俵万智(たわら・まち)……歌人。おもに口語を用いた短歌を集めた歌集『サラダ記念日』が有名。

※連歌(れんが)……最初に詠まれた「五・七・五・七・七」に対して、別の人が連想される句を「五・七・五・七・七」で詠み、それを繰り返していく詩形。
 
 
Q6. 高校生のときにはどんな夢を持っていましたか?
 
中学生のころ、芥川龍之介の本を読んで、「言葉だけで、こんな世界を作ることができるんだ」と驚き、文学に目覚めました。高校生になった後も文学は大好きでして、大江健三郎の小説や、吉岡実の詩集を集めながら、ふわっと「小説家・詩人になりたい」と憧れの気持ちを抱いていたように思います。

1人でも多くの高校生に、俳句に興味を持ってもらいたい

Q7. どういう人が俳人の仕事に向いていると思いますか?
 
この仕事は「辛抱強さ」が大切です。先ほどもお話をしたように、選句の際には4,000~5,000句もの作品と向き合わなければいないこともあります。また、テレビ番組などの場合は、単に優秀な作品を選べばいいですが、結社における選句は、別の観点も必要になります。詠み手の特性を見極めて、いいところを伸ばしてあげられるような選句をするべきなんです。相手が育つのを待つことも大事なので、気を長く持つことができる人はこの仕事に向いているでしょう。

また賞の選考は、数名で行うこともあります。ほかの人と意見が対立したときに大きな声を出すのではなくて、しっかりと議論ができる人も、この仕事向きだと思います。 
 

Q8. 高校生に向けたメッセージをお願いします
 
俳句が好きで「作ってみたい」と考えているのであれば、それだけで素晴らしいと思います。ぜひ、俳句に親しんでください。高校生の間は、図書館にある俳句鑑賞書や句集を片っ端から読んでみるのもいいですね。また「句会」は、俳句がもっとも生きる場所です。ぜひ友人を誘って挑戦してみてほしいです。

小説家の場合は小説を出版すればお金が手に入りますが、俳人は、選者になるまでは、なかなか収入につながりません。私も短大の教員をやりながら、俳句の道を進んできました。すぐに「俳句でお金をもらおう」と考えるのではなく、俳句を詠むことを楽しみながら、じっと機を待つことが大事です。

今、50~40代以下で俳句を詠む人は、非常に少なくなってしまっています。俳句は存亡の危機にさらされているのです。私は、この状況を救えるのは俳句好きな高校生のみなさんだと思っています。ぜひ、1人でも多くの高校生に、俳句に興味を持ってほしいと心から願っています。



小澤先生のお話を読んで、俳句に興味を持った人は、今日からでも実際に作ってみましょう。「興味はあるけれど、詠むのは難しそう」という人は、まずは先生のお話にあったように、俳句の鑑賞から始めてみることをおすすめします。良い句に触れることで、きっとみなさんの世界が広がりますよ。
 
 
【profile】小澤實
澤俳句会
http://www.sawahaiku.com/
Twitter
https://twitter.com/seisyokyo99

【取材協力】公益社団法人 俳人協会・俳句文学館
http://www.haijinkyokai.jp/

この記事のテーマ
マスコミ・芸能・アニメ・声優・漫画」を解説

若い感性やアイデアが常に求められる世界です。番組や作品の企画や脚本づくり、照明や音響などの技術スタッフ、宣伝企画など、職種に応じた専門知識や技術を学び、実習を通して企画力や表現力を磨きます。声優やタレントは在学しながらオーディションを受けるなど、仕事のチャンスを得る努力が必要。学校にはその情報が集められています。

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この記事で取り上げた
「俳人」
はこんな仕事です

俳句を詠む人。五七五の17音に、季節を表す季語と終止を表す切れ字を用い、喜びや悲しみ、自然の美しさ、見た風景などを表現する。創作活動以外にも、主宰する組織の雑誌を持ち、投稿される作品を選び、批評したり添削したりもする。エッセイの発表や、俳句番組での評論、俳句大会での公演、俳句教室での指導、小中学校で俳句の授業などを行う。選句の仕事では、各地で催される俳句大会や、雑誌の俳句投稿などに寄せられる数多くの俳句のなかから入選作品を選出する。師匠となる先生に弟子入りするほか、協会やクラブに加入して実績を積んでいく。

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