【シゴトを知ろう】福祉施設栄養士 〜番外編〜

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【シゴトを知ろう】福祉施設栄養士 〜番外編〜

2017.02.15

提供元:マイナビ進学編集部

【シゴトを知ろう】福祉施設栄養士 〜番外編〜

有料老人ホームなどに入居している高齢者の健康に配慮したメニューを考える管理栄養士。中でも複数の施設を指導、監督する立場の人は、多方面に気を配り、スケジュールの調整などにも一苦労でしょう。SOMPOケアネクスト株式会社の管理栄養士である吉良真弓さんに、複数の施設を統括する管理者ならではの苦労や、実際に現場で働く上での大変さなどについてお話を伺いました。

この記事をまとめると

  • 管理栄養士になると、食品の産地や成分への知識が深まる
  • 調理の現場は、新人には試練の連続となるはず
  • 栄養学に基づいた食事は、リハビリのベースとなりうる

1府3県を東奔西走する毎日

吉良さんが大学時代に授業で習った料理のレシピをまとめたノート

吉良さんが大学時代に授業で習った料理のレシピをまとめたノート

――勤務地が一定でないことについて、大変だと思うことはありますか?

基本的には一般の会社員と同じで土日が休みですが、私が管轄しているエリアは、自宅のある埼玉と千葉、それと大阪と神戸と広範囲なので、スケジュール調整をして土日に出勤することもあります。各施設の責任者と密に連絡を取ってスケジュールを組むのが大変です。

高校時代はソングリーダー部に所属をしていて、卒業して10年近く経った今でも定期的に仲間たちと会って練習しているんです。でも練習は土日なので、たまに仕事と重なったときは参加できないのが残念ですね。


――休みの日など、自宅でもよく料理をされているのですか?

私は実家暮らしなので、料理は母に甘えています。ただ休みの日には、冷蔵庫の食材で私が家族全員分の食事を作ることもあります。大学時代に、授業で習った料理のレシピをまとめたノートを作成したのですが、今でもそれを大事に保管していて、実際に料理を作るときの参考書として役立てています。

食材を選ぶときは、産地や成分表示は常にチェックしています。なるべく国産の食材を選ぶようにしています。またカップ焼きそばなどのインスタント食品は、よほど時間がないとき以外は食べないようにしています。添加物が多いものは体によくないですからね。

コミュニケーションの大切さ、難しさを痛感

――新入社員だったころのエピソードについてお聞かせください

新卒で入社してすぐのころは、特定の施設に配属されることになるのですが、どこの施設の厨房でも、母親と同じくらいの年齢の女性が多く働いています。こういったベテランの方たちの中でうまくやっていけるかなっていう心配は常にありました。

調理用の手袋をしたまま冷蔵庫を開けようとした方がいたんです。その手で再び食材に触れてしまうと、下痢や嘔吐など食中毒を引き起こす原因になってしまうので注意したことがありました。でも経験が豊かな方からすると、入社したばかりの私に言われたことが気に障ったみたいで。今考えると私の伝え方もよくなかったと思います。

その後、なぜいけないのか、どのような危険が潜んでいるのかをきちんと説明したら、誠意が伝わったのか、その方も納得してくれました。入社当時はこんなこともありましたが、今では年に数回一緒に食事に行ったりする仲にまでなりました。

「歩行不可能」と医師から言われた人が、懸命のリハビリの結果……

――最後に、お仕事の中で思い出深いエピソードがありましたらお聞かせください

勤めていた施設に、とてもやせている状態で入所された方がいらっしゃいました。その方は、医師から「歩行は不可能」と言われていたらしいのですが、ご本人は「もう一度歩けるようになりたい」と強い希望を持たれていました。そこで理学療法士(リハビリ)など専門職員を含めた施設のスタッフ一同で、再び歩けるようになるための計画を練りました。私も一栄養士として、体力や筋力をつけてもらえるようなメニューを考案し、栄養調整という面からその方をサポートできるよう尽くしました。

この取り組みの結果、その方は車いすから立ち上がるまでに回復したのです。その方が立ち上がったとき、周りにいたスタッフやご入居者さまが感動して拍手喝采で……。これが今でも一番の思い出です。その方の介護に関わった全員が一丸となって協力した結果だと思うので、なおさらうれしく感じました。

管理栄養士が働くフィールドというのは、教育機関(学校給食)やプロスポーツチーム、食品会社など多岐にわたります。しかし私の場合、病気によって口から食事をとることができなくなり、衰弱して食べる楽しみを奪われてしまった祖父と同じような境遇の方を、これ以上増やしたくないという強い思いから、高齢者施設に絞って就職活動をしました。

各地の施設を回りながら、栄養面やボリューム、そして食欲をそそるような盛りつけなど、「どのようにしたらもっと食べてもらえるだろう」ということを常に考えています。私たちの努力が実って、食べ残しの量が減ったり、食べる量が増えたことで、その方の体調や顔色が目に見えてよくなったりすることがあります。一人ひとりに合わせた食事を提供することは大変なことですが、ご入居様さまの笑顔が見られる喜びには変えられません。


人間いくつになっても“食べる”ことへの興味は尽きないものです。それは老後になっても変わらないもの。健康維持と両立して、食べる楽しみをいつまでも提供してあげたいという吉良さんの強い責任感と心優しさが垣間見えるエピソードだったのではないでしょうか。

深刻な高齢化社会を迎える日本において、老後の健康を支える管理栄養士の仕事は重要なものになってくるのは間違いないことでしょう。福祉施設における管理栄養士の仕事に興味を持った人は、まずは普段の食事の栄養バランスについて調べてみるなど、栄養への興味を深めてみてくださいね。


【profile】吉良真弓
SOMPOケアネクスト株式会社 栄養サービス部 栄養管理課
http://www.sompocare-next.jp/

この記事のテーマ
福祉・介護」を解説

現場で福祉を担う介護福祉士などのスペシャリストや、福祉サービスの企画・提案ができる人材を育成します。通常の生活を営むことが困難な人の生活を助けるための専門知識、技術を身につけ、職種により就業に必要な資格取得を目指します。高齢化が進む中、精神的なケアや寝たきりを防ぐための運動指導など、必要な専門知識や技術も幅広くなっています。

「福祉・介護」について詳しく見る

この記事で取り上げた
「福祉施設栄養士」
はこんな仕事です

都道府県知事交付の「栄養士」免許を用いて、福祉施設で栄養管理や栄養指導にあたる仕事。施設の利用者である乳幼児、高齢者、障がい者に必要な栄養素を満たした献立を作成する。一人ひとりの摂食・嚥下能力に応じて食形態をキザミ食やミキサー食、流動食にしたり、糖尿病や高血圧、腎臓病などの疾患に合わせてエネルギーや塩分、カリウムを制限したりすることも必須。味はもちろん、香りと彩り、季節感と郷土色にも配慮した豊かな食を通じて利用者の五感を刺激し、意欲や自立を促して生活の質を高める手助けをする。

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