【シゴトを知ろう】福祉施設栄養士 編

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【シゴトを知ろう】福祉施設栄養士 編

2017.02.15

提供元:マイナビ進学編集部

【シゴトを知ろう】福祉施設栄養士 編

健康な体を維持するためには、毎日の食事の管理が大切です。中でも、病気を抱えているなど、体が不自由になりがちな高齢者の体調管理には、細心の注意が必要となります。

今回は、高齢者が入居する有料老人ホームで食事の管理やアドバイスなどを行う、SOMPOケアネクスト株式会社の管理栄養士・吉良真弓さんに、福祉施設で働く栄養士の役割についてお話を伺いました。

この記事をまとめると

  • 高齢者の過去を知ることは、コミュニケーションを図る上で重要になる
  • 栄養について学ぶことは、食べものの好き嫌いの克服にもつながる
  • 多方面の人とかかわりを持ち、得た情報は仕事の知識として役立つことも

1日2施設巡回し、食事の指導、管理を行う

Q1. 仕事概要と一日のスケジュールを教えて下さい

私は「管理栄養士」として、有料老人ホームに入居されているご入居者さまに応じた食事についてのアドバイスなどを行っています。実際に提供される食事について、ご入居者さまの健康状態の把握に始まり、ご入居者さまの状態についてホームスタッフへの確認、打ち合わせを行い、必要に応じて提供内容の見直しをします。そして実際にご入居されている方々の状態を見に行ったり、料理の内容についてヒアリング(聞き取り)したりしています。1日2施設回り、その日の業務が終了となります。

10:00 出勤(1ホーム目)
     体重や食事摂取量の確認
     栄養カンファレンス(会議)参加
11:00 検食(提供する食事の硬さや大きさなどの確認)
12:00 気になる方がいた場合、体調や食事の意見を伺う(ミールラウンド)。その情報をもとに食事調整
13:00 1ホーム目退勤。昼休憩・移動
15:00 出勤(2ホーム目)。
    体重や食事摂取量の確認、栄養カンファレンス参加
16:00 施設巡回(状態が気になる入居者の居室に行き、お話しを伺う)
    ホーム栄養士とお食事調整
17:00 検食。ご入居者さまが食事を召し上がるダイニングを回り意見を伺う
19:00 2ホーム目終了。退勤


Q2. 仕事の楽しさ・やりがいは何ですか?

食事をほとんど食べないご入居者さまがいるケースがあるのですが、我々のアプローチによって食べてもらえるようになることですね。特に目に見えて体重の増加がわかったときは本当にうれしいです。中には表情も暗く、こちらの問いかけにもあまり反応を示さない方もいらっしゃいます。でもそういった方たちから「ありがとう」と声をかけてもらえたときは、やりがいを感じます。


Q3. 仕事で大変なこと・辛いと感じることはありますか?

やはり、せっかく作った食事を食べてもらえない、また、食事を拒む理由さえも分からないときです。私ができるアプローチとしては、食事を現場の介護士の方や、ご家族さまが来訪されたときに、その方の昔のお話を聞いて会話の糸口となるようなことを見つけるようにしています。ご家族さまならば、昔好きだった食べものは把握していることが多いです。例えば、若いころに梅干を漬ける習慣のあった方がいたとしたら、おかゆに梅干を乗せて提供するなどして、食べることへの関心を持ってもらえるようにしています。

食べることができなくなる辛さを目の当たりにし、管理栄養士になることを決意

管理栄養士・吉良真弓さんと厨房の様子

管理栄養士・吉良真弓さんと厨房の様子

Q4. どのようなきっかけ・経緯でこの仕事に就きましたか?

私が中学、高校の時期に祖父母が相次いで入院しました。毎日のようにお見舞いに行っていたのですが、その病院で出されていた食事の内容に大変ショックを受けたのがきっかけです。

ほうれん草のお浸しや筑前煮なども、ただの緑色や茶色の塊といった感じで、見た目的にとても食欲をそそるようなものではなかったのです。今まで家族で、同じものを食べていたのに、それができなくなったことがすごく悲しかったです。祖父は再び口からものを食べることができないまま亡くなってしまいました。こういった経験から、高齢者や病気の人にも「おいしい」と言って食べてもらえるような食事を作りたい。そう思い管理栄養士の道を目指すことに決めました。


Q5. 大学では何を学びましたか?

管理栄養士になるには国家試験をパスする必要があります。そのため大学は管理栄養士の養成コースがある大学を選びました。養成コースを修了すれば大学卒業後すぐに国家試験を受けることができるんです。

授業では、基礎栄養学や臨床の知識の習得、実践では、包丁の使い方やベテラン職員とのかかわり方なども学びました。これは将来、チームワークを行う上でとても有益なカリキュラムとなりましたね。あとは教授からスケール(計量器)を渡され、自分が食べるものを測定し、摂取エネルギー量などを計算する授業もありました。これは自分にどんな栄養素が足りないかを知ることにもつながり、今では苦手だった乳製品や鉄分もなるべくとるようにしています。レバーも頑張って食べられるようになりました(笑)。


Q6. 高校生のとき抱いていた夢が、現在の仕事につながっていると感じることはありますか?

祖父母の件があって、高校1年生のころから管理栄養士になりたいという夢を持っていました。部活動の顧問の先生が家庭科の先生だったので、進路についていろいろと相談に乗ってもらいました。私が進学した大学を薦めてくれたのもその先生でしたし、実際に先生も同じ大学の卒業生なんです。

難解な用語は、高齢者を不安がらせてしまうことも

Q7. どういう人がその仕事に向いていると思いますか?

人の気持ちを感じ取って、分かりやすく伝えることができる人が向いているのではないかなと思います。“分かりやすく”というのは難しい言葉の使用を極力避けることです。「嚥下」(えんげ:飲み込む)とか「咀嚼」(そしゃく:噛み砕く)は介護の世界でよく出てくる言葉ですが、こういう難しい言葉を使うと、高齢者の方に理解してもらえないばかりか、かえって不安がらせてしまいます。


Q8. 高校生に向けたメッセージをお願いします

高校生のときから、自分の健康管理に気を配ることは大事ですね。「〇〇が何グラム入っている」とか「カロリーはどれくらい」とか食品表示を見るくせをつけるといいと思います。

勉強面では、新聞を読む習慣をつけ視野を広げることが大事です。いろいろな分野を知っていれば、実際ご入居者さまと話すきっかけになりますし、会話を通じて仲よくできれば、健康状態をうまく聞き出すこともでき、栄養管理に役立つことになります。

あとは、積極的に色々な人と関わりを持っていた方がよいと思います。ある施設で、必ず食事を一口分だけ残す方がいらっしゃったんです。介護スタッフは「ちゃんと適量食べているし、少しくらい残しても大丈夫」と問題にしていなかったのですが、私が本人に伺ったところ、その方には、戦争時代の名残で(小さい弟や妹のために)一口分残す習慣があることがわかったのです。こういった習慣があることは、戦争を経験した祖父から聞いていました。世代や職業を超えていろいろな人とかかわりを持ち情報を得ることは、きっと将来自分の仕事に役立つことだと思います。


人間が生きていく上で欠かせない「食べる」という行為。丈夫な体を作り、健康を維持していくためには栄養への関心は欠かせないものです。福祉施設における管理栄養士という仕事は、自分自身、そして他者の健康に貢献し、食べることへの喜びを感じてもらえる、実にやりがいのある職業ではないでしょうか。


【profile】吉良真弓
SOMPOケアネクスト株式会社 栄養サービス部 栄養管理課
http://www.sompocare-next.jp/

この記事のテーマ
福祉・介護」を解説

現場で福祉を担う介護福祉士などのスペシャリストや、福祉サービスの企画・提案ができる人材を育成します。通常の生活を営むことが困難な人の生活を助けるための専門知識、技術を身につけ、職種により就業に必要な資格取得を目指します。高齢化が進む中、精神的なケアや寝たきりを防ぐための運動指導など、必要な専門知識や技術も幅広くなっています。

「福祉・介護」について詳しく見る

この記事で取り上げた
「福祉施設栄養士」
はこんな仕事です

都道府県知事交付の「栄養士」免許を用いて、福祉施設で栄養管理や栄養指導にあたる仕事。施設の利用者である乳幼児、高齢者、障がい者に必要な栄養素を満たした献立を作成する。一人ひとりの摂食・嚥下能力に応じて食形態をキザミ食やミキサー食、流動食にしたり、糖尿病や高血圧、腎臓病などの疾患に合わせてエネルギーや塩分、カリウムを制限したりすることも必須。味はもちろん、香りと彩り、季節感と郷土色にも配慮した豊かな食を通じて利用者の五感を刺激し、意欲や自立を促して生活の質を高める手助けをする。

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