【シゴトを知ろう】アプリケーションデザイナー ~番外編~
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スマホやタブレットをより便利に使えるように、アプリを企画、デザインするアプリケーションデザイナー。開発する上でユーザーの声は非常に重要になってきますが、時には感想を見るのが怖いこともあるそう。今回は株式会社ルーキングの宇田川顕さんにアプリ制作のウラ話を伺いました。
この記事をまとめると
- シンプルに伝えたいところをアピールするのが「ミニマルデザイン」
- モバイルやOSは日々進化していくが、古い端末のことを考えるのも重要
- アプリも接客業などと一緒で、顧客満足度が重要
ユーザーが迷わないルートを作るのをすごく心掛けている
――ユーザーからの感想を見るのが怖いことはありますか?
めちゃめちゃありますよ(笑)。自分なりに意図を持って形になってる物に対して、公開後にユーザーから全く逆の意見をいただくこともあります。
あれもこれもと詰め込みすぎて実際に見せたいものが分からなくならないよう、シンプルなデザインで本当に伝えたいところをアピールするデザインのことを「ミニマルデザイン」と言います。スマホアプリの場合は家電と違って説明書がないので、ユーザーが迷わず、できるだけ使いやすく感じられるものを作ることを心掛けています。
――最近は年配の方もスマホを使ってますが、アプリを作る上で気をつけていることはありますか?
アプリを作る時、まずどの世代を対象にするかを考え、対象の方が使いやすいように企画します。例えば、配色にしても若い人には明るい色合いがいいけど、年配の人には落ち着いた色合いがいいとか、よく使うボタンは大きくするなど、すごく考えますね。
勉強会にも積極的に参加して、技術を学んだりしている
――どんどん進化していくモバイルやOSにも対応する必要がありますよね?
モバイルはある期間で仕様が大きく変わるんですが、そこで新しい操作法が増えると大変ですね。アプリの表現方法が増えて、便利になっていくのですが、古い端末を利用している人には使えない機能だったりします。その場合は、今どれくらいのユーザーがその端末を使っているのか調査し、その調査結果に応じてどの機能を採用するかなどの検討を行いアプリを開発しています。
――同業者同士での技術交流などもあるんですよね?
見ず知らずのプログラマーやデザイナーが集まって、1時間でアプリを作ったりする「ハッカソン」というイベントがあります。
僕も以前はよく勉強会に参加して技術を学んだり、ウチの開発チームがいっぱいだった時に手伝ってもらえる人を探したりしていました。
ユーザーはどう使ってるかを想像し、考えられる人が向いている
――日進月歩の世界ですし、ユーザーの目もどんどん肥えていますが、そこも楽しめる人は向いてそうですね。
例えばアプリゲームをやっていて、「使いづらい!」とただイライラするのではなく、「こういう使い方ができたらいいのに」「自分ならこういう機能をプラスするんだけどな」という視点や思考がある人は向いてますよね。結局、アプリも接客業の顧客満足度などと一緒で、バージョンアップされたらより早く使いやすくなっていなければ、ユーザーは満足してくれません。自分が作った物がリリースされたらそれで終わりではなくて、「ユーザーはどう使っているんだろう?」と想像することができて、「だったらあれもやりたい」と考えられる人が向いてるでしょうね。
宇田川さんのお話から、アプリの使用方法からボタン一つに至るまで、想像以上に利用者に配慮し、気遣いがされていることが分かりました。また使いづらいアプリにイライラするだけでなく、「自分ならこうする」という視点が大事だというお話も勉強になりました。
【profile】株式会社ルーキング 宇田川顕
「ルーキング」オフィシャルサイト http://www.rooking.co.jp
この記事のテーマ
「コンピュータ・Web・ゲーム」を解説
デジタル情報をつなぐシステム構築をはじめ、Webやゲーム、アニメーション、映画など、メディアやコンテンツを創り出す仕事です。コンピュータの設計・開発などを学ぶ情報処理系、アニメ・ゲームなどの制作を学ぶコンテンツ系の学問があります。ビジネスの現場で使われるアプリケーションスキルを身につける授業も役立ちます。
この記事で取り上げた
「アプリケーションデザイナー」
はこんな仕事です
スマートフォンやタブレットコンピューターのアプリケーションをデザインする仕事。プログラミング能力を生かし、ディレクターやエンジニアと協力しながらアプリケーションを設計・構築していく。アプリケーションの種類はさまざまで、その中には同じ機能を持つものも数多くある。多くのユーザーから選ばれるアプリケーションを作り出すには、デザイン性だけでなく使いやすさも考慮しなくてはならない。マーケティングにも関心を持ちつつ仕事に取り組むことが大切だ。
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