【シゴトを知ろう】養殖業 編

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【シゴトを知ろう】養殖業 編

2017.01.25

提供元:マイナビ進学編集部

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【シゴトを知ろう】養殖業 編

皆さんがいつも食べているお魚の切り身や水産加工品には海で水揚げされた魚だけでなく、いけすなどで養殖された魚も使われています。マグロやブリといった魚の消費量が年々拡大する中、「養殖業」は漁獲量の増大による海洋生態系の崩壊を防ぎ、人々に魚を安定して供給するという役割を担っています。今回は水産物の輸出入業や加工業といった事業に加え、「養殖業」を展開する「マルハニチロ株式会社」(以下、マルハニチロ)に注目。同社の「増養殖事業部・養殖課」に属する荒木 誉之さんに、「養殖業」のお話を伺いました。

この記事をまとめると

  • 養殖場での作業から買い付けまで、業務は幅広い
  • 「生餌の買い付け」は規模の大きな仕事の一つ
  • 自然相手の仕事なため、時には大きな被害を被ることも

膨大なデータを元に、餌の買い付け先を決定する

いけすから水揚げしたクロマグロ。これから各地に向け出荷されます。

いけすから水揚げしたクロマグロ。これから各地に向け出荷されます。

Q1.まず、お仕事の内容と、1日のおおまかなスケジュールを教えてください。

弊社では佐賀県・大分県・宮崎県・鹿児島県・和歌山県・三重県といった西日本の地域を中心に養殖場を設置しているのですが、それら養殖場の管理補佐と魚に与える餌の管理が僕の主な仕事です。具体的には養殖業に使用する網やいけす・船といった資材の購入管理や、魚に与える生餌(冷凍魚)の調達などを行なっています。時には養殖場に出向き、実際の現場作業にあたることも。現場では魚を水揚げするために網を引いたり、いけすにいる魚の摂餌状況の確認等を行っています。

<本社勤務時の一日のスケジュール>
8:00 カフェにて読書。自分の見識を広げられる貴重な時間と考え、普段から積極的に読書しています
8:30 出社、メールチェック、その日の業務の整理
9:00 電話にて、生餌を取り扱う業者と商談
10:00 後輩への指導
後輩の業務進捗状況の確認や、新業務引き継ぎを行う。また、現場出張の計画をサポート
11:00 電話にて、物流担当者と入庫に関する打合せ
12:00 昼食
13:00 養殖場の品質管理に関する資料確認・作成 問題点があれば社内外の品質管理専門家に問い合わせ・打合せを行い、品質改善に向けた提案を行えるようにする。
15:00 システム関係商談 養殖の業績や飼育実績などを一括で管理するシステムに関する商談。本社や現場、販売担当の声をもとに、システムをより使いやすいものへと改善するため打合せを重ねる
17:00 生餌業務の整理と計画 生餌の買付け方針について再整理
18:00 明日以降の予定の確認を行い、業務終了


Q2.どのようなときにやりがいを感じることが多いでしょう?

「マルハニチロ」には、若手の社員に大きな仕事を積極的に任せる風潮があるため、現在入社3年目ではありますが、業者からの生餌の買い付けという、弊社においては規模の大きな仕事を任せてもらっています。全国の浜における水揚げ量や魚の輸出状況・競合他社の動きによって各業者の生餌の価格が変動するので、幅広く情報収集しながらどこの業者から生餌を買うか決定するのですが、その判断一つ一つが部署の利益に直結します。

プレッシャーも感じますが、大きな仕事を任されていることへの喜びはそれ以上に強いです。また幼少期から魚が好きだったので、現場での作業にもやりがいを感じています。潮風にあたりながら生きた魚と向かい合う時間は、僕にとっては特別な時間とも言えます。


Q3.お仕事をするなかで、どんなことが大変だと感じられますか?

「養殖業」は自然を相手にした仕事でもあるため、人間の手ではコントロールしきれない部分が多いです。例えば台風が直撃したり赤潮(*)が発生したりすると、魚たちに甚大な被害が及ぶこともあります。去年ある養殖場を大型の台風が直撃したのですが、事前に対策していたにも関わらず魚が大量に死んでしまいました。台風が去った後、修復作業などを手伝うため現場に出向いたのですが、死んだ魚を取り上げるうちにやりきれない気持ちでいっぱいになったのを覚えています。

*プランクトンの異常増殖により海や川・運河・湖沼等が変色する現象のこと。 漁業、特に養殖現場では特に大きな被害が出る。

漠然と「海の生き物に関わる仕事に就きたい」と考えていた

Q4.どのようなきっかけで、現在のお仕事に就きましたか?

小さな頃から魚が好きで、川で捕まえた魚を家に持ち帰って飼育していました。水に棲む生き物に対する興味が強かったため、高校・大学でも生物に関連する科目を重点的に学びましたね。学生時代から将来は海の生き物に関われる仕事に就きたいと考えていたので、「マルハニチロ」への就職が決まった時は本当にうれしかったです。また当時から第一希望にしていた部署にも配属していただけたので、大きなやりがいを持って仕事しています。


Q5.大学に進学する際、どのような学部を選択しましたか?また、なぜその学部を選択しましたか?

大学は理学部に進学し、魚の生理機能などについて学びました。それまでに学んだことを生かしつつ実社会に活かせる研究をしたいと思うようになり、その後進んだ大学院では「エビの養殖」をテーマにした研究をしていました。


Q6.これまでに経験したどんなことが、現在のお仕事につながっていると思いますか?

昔から周囲の人を巻き込みながら何かをするのが得意なタイプでした。例えば中学校の頃、僕が暮らしていた地域に「熱帯魚ブーム」を起こしたことがあります(笑)。それまで地域内で僕以外に熱帯魚を飼っている人はほぼいなかったのですが、周囲に熱帯魚の魅力について地道に触れまわるうちに、地域の友人の多くが熱帯魚を飼うようになりました。

“変化を起こすため、周囲に対して地道な働きかけをする”という行動パターンは社会人になってからも残っています。例えば最近では生餌の買い付け先を拡大することに成功しました。これまでマルハニチロでは生餌に関しては国内の業者に依存していたのですが、海外の業者からも買い付けることで安定的な餌の調達やコストの削減などが期待できると考え、日頃から何気ないコミュニケーションを通じて上司にその考えを伝えていました。それと同時に幅広く情報収集し、そしてしかるべきタイミングでプレゼンテーションしたところその考えが採用されたんです。日頃の積み重ねが、大きな変革につながることを実感したエピソードでもあります。


Q7.どのような人が養殖業に向いていると思いますか?

本社勤務の人に関しては各種データ集計や分析・商談などが業務の中で大きなウエイトを占めるので、“数字に強い人”が向いていると思います。また膨大な情報を元にして最適な方法を導きだすことも必要なので、データ分析能力も求められます。加えて出張や現場勤務も多いので、体力もあるといいでしょう。


Q8.最後にこれを読んでいる高校生に向けて、メッセージをお願いします。

今のうちから「将来就きたい仕事」や「なりたい人物像」について、しっかりと考えてほしいと思います。現段階で明確な答えは見つからなかったとしても、漠然とした意思を持っていることである時ピンとくる職業などに出会えるはずです。また勉強や部活を日々こなすのは大変なことだと思いますが、それらは自分自身を成長させるためには必要なもの。投げ出さずに一生懸命に取り組んでほしいです。


幼少期から抱いていた魚への興味が、「マルハニチロ」に就職したきっかけだと話す荒木さん。「魚が好き」という思いを大切にしつつ将来について考えたからこそ、現在のやりがいあるお仕事に就くことができたのでしょう。時に自然に翻弄され、時に体力面での厳しさを感じることはありつつも、日々生き生きとやりがいを持ってお仕事をされているようでした。自然や生き物が好きという人は、養殖業をはじめとする漁業の世界についても調べてみるといいかもしれません。


【Profile】
マルハニチロ株式会社  増養殖事業部 養殖課  荒木 誉之

この記事のテーマ
動物・植物」を解説

ペットなど動物や観賞用の植物に関わり暮らしに潤いを提供する分野、食の供給や環境保全を担う農業・林業・水産業などの分野があります。動物や植物の生態や生育に関する専門知識を身につけ、飼育や栽培など希望する職種に必要な技術を磨きます。盲導犬や警察犬、競走馬、サーカスの猛獣などの調教・訓練や水族館や動物園で働く選択肢もあります。

「動物・植物」について詳しく見る

この記事で取り上げた
「養殖業」
はこんな仕事です

主に食用の魚・のり・貝などを人工的に育てて販売する仕事。魚の場合は、海や川に生け簀(いけす)と呼ばれる区画を設けて、ブリ、ハマチ、カンパチなどの稚魚を放し、専用に開発されたエサを与えて育てる。のりの場合はカキなどの貝殻を利用し、種を付けて栽培する。いずれの場合も、水質や水温の管理がとても重要で、病気の個体を発見して改善を図るなど品質管理には細心の注意を払っている。育てた魚、のりは各地域の漁業協同組合や浜仲買商と呼ばれる業者を通じて卸売市場へと出荷される。

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