【シゴトを知ろう】レーシングチームのメカニック 編

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【シゴトを知ろう】レーシングチームのメカニック 編

2017.01.05

提供元:マイナビ進学編集部

【シゴトを知ろう】レーシングチームのメカニック 編

一見華やかに見えるモータースポーツの世界。しかしその裏側には、日々スピードの限界を追及し、より速いマシン作りに取り組んでいる職人たちがいます。その中でも、マシンの製作や整備、調整を行うメカニックという仕事は、ドライバーやレースの安全を確保するという重責も担う存在。
今回は、日本国内のモーターレースで人気の『SUPER GT』シリーズに参戦するMOLAレーシングチームでメカニックを担当している河原和也さんにお話を伺いました。

この記事をまとめると

  • 一番速い車を作る楽しみとドライバーの命を預かる責任感がある仕事
  • 本物のレーシングカーを作りたい! プラモデル作りが好きだった少年が夢をかなえる
  • 若手不足のモータースポーツ業界。飛び込むなら今が狙い目!

目標はどこよりも速いマシンを作ること!

Q1. 仕事概要と一日のスケジュールを教えて下さい

大会に向けてレーシングカーをゼロから作り出し、コースにマシンを走らせるのがメカニックの仕事です。現在は、『SUPER GT』シリーズのGT500クラスのレーシングカーを担当していますが、緊急要請によっては他チームのマシンを作ることもあります。
時には、ドライバーからの要請で車高やタイヤ回り、座席シートなどの微細な調整も手掛けます。何といってもこの仕事の大きな目標は、レースで優勝するマシンを仕上げることなんです。

基本的には、大会前にレーシングカーを事務所で組み立てるのですが、そのときのスケジュールは9時出社の18時定時退社です。
ただ異色なのが、もう一つの仕事場としてサーキットという現場があること。例えばレースがある日のスケジュールは、次のレースに向けての撤収作業を22時頃までに終わらせて帰宅するといった流れですね。
深夜にまで及ぶ過酷な仕事というイメージがメカニックという職業にはありますが、今の時代、そういう状況はごくまれですね。ただ、レースでは何が起こるから分かりませんから、場合によっては徹夜することもあります。

<レース開催日の一日のスケジュール>
7:30 サーキット場入り、セッティング
9:00 練習走行
11:00 セッティング、ランチ
14:00 決勝
16:00 決勝終了後レーシングマシン解体作業
22:00 撤収完了、帰宅


Q2. 仕事の楽しさ・やりがいは何ですか?

メカニックの仕事って、レースで結果を出せるレーシングカーをいかにして作るかってことなんです。「足回りは大丈夫か?」「ハンドルのマッチングはうまくハマっているか?」と注意しながら完璧に近いレーシングカーを作り上げても、「些細なトラブルで優勝を逃してしまうんじゃないか?」など、心配し始めたらきりがありません。

でもこの仕事のやりがいって、楽しめているかどうかだと思うんです。そういったハラハラ感も含めてものづくりをいかに楽しめるか、この点が全てです!
「今日のレースはハプニングで負けたけど、次のレースは絶対勝てるレーシングカーを作るぞ!」という意気込みさえあれば、自分なりの楽しみややりがいを自然と見つけられますね。


Q3. 仕事で大変なこと・辛いと感じることはありますか?

一番辛い記憶は、許されない失敗があった時ですね。それは富士スピードウェイ(静岡県)でのレース中に起こったアクシデントで、レーシングカーのブレーキが利かずクラッシュリタイアしたという苦い記憶です。
奇跡的にドライバーの命に別条はなく軽傷で済んだんですが、時間が経てば経つほどメカニックとしての責任感が重くのし掛かり、とても辛かったです。それと同時に、ドライバーの命がこの腕にかかっているんだと、この仕事に対してものすごく怖くなりましたね……。

日頃から思っているんですが、レーシングメカニックという仕事は失敗が許されない、本当に大変な仕事です。でも、限界スレスレにチャレンジするからこそ、他の仕事にはない楽しみがあるのかなと。まさに職人気質の魂が息づく仕事だと思いますよ。

何が起こるか分からない。教科書通りにはいかないのがサーキットの現場

車を組み立てるときはワクワクすると話す河原さん

車を組み立てるときはワクワクすると話す河原さん

Q4. どのようなきっかけ・経緯でこの仕事に就きましたか?

父親がモータースポーツ好きで幼い頃からサーキット場に連れて行かれたので、いつしかレーシングカーを好きなっていましたね。さらに小学生の時には、プラモデル作りのような「凝った図画工作」が大好きになり、気付けばレーシングカーのプラモデルを作っては楽しむ毎日を送っていました。

そういった環境が、今の仕事に向かうようになったきっかけでしょうか。
当然私の心は、「いつか本物のレーシングカーを作りたい」という想いでいっぱいになり、モータースポーツの専門学校を目指しました。そこで知り合った恩師のつてで、MOLAレーシングチームにメカニックとして就職しました。


Q5. 専門学校では何を学びましたか?

高校卒業後、専門学校のモータースポーツ・メカニック養成コースに進学しました。講師陣はレース現場でバリバリに活躍した有名人で、一般的な自動車工学の学校よりも、モータースポーツならではの興味深い内容を教えてもらえました。ボディの単純な組み立て方でも、より素早くより繊細にということが求められることも学べたと思います。

講師の方々が常に口にしていた「サーキットの現場は教科書通りではない!」。今、この言葉が染みますね。レーシングカーって本当に繊細なんですよ。特にサーキット場という環境下では何が起こるか分からない。どれだけ柔軟に対応して作れるか、教科書だけでは語れないのがメカニックの仕事だと思います。
何かを学んだというより、メカニックの格言を知ったというのが本音でしょうか。でも、専門学校に行ったおかげで現場通の講師から今の会社を紹介してもらえて、今の自分がいるんですけどね(笑)。


Q6. 高校生のとき抱いていた夢が、現在の仕事につながっていると感じることはありますか?

高校生の時は将来の夢は漠然としていて、好きなモータースポーツの業界に「少しでも携われればいいかなぁ〜」ぐらいにしか思っていませんでした。「レーシングカーを作りたい!」そんな夢をくっきりと描くようになったのは専門学校生になった頃からでしょうか。
ただ、「ネクタイをする営業的な仕事よりも、物を作る技術畑の仕事がしたい!」とは思っていました。この想いが、今の仕事につながっていったんだと思います。

求む! 大胆さと繊細さを兼ね備えた未来の職人たち

Q7. どういう人がレーシングチームのメカニックに向いていると思いますか?

限られた時間の中でマシンの調整を大胆に変更したり、時にはドライバーからの要望にコンマミリ単位で応えたりする冷静さや繊細さが求められます。体力勝負のイメージがありますが、レーシングカーをゼロから作り上げるには、微細な局部にまで丹念なこだわりを持てる人が向いていると思いますね。

言い換えれば、ものづくりの原点じゃないですけど職人気質の志が必要不可欠な気がします。実際、この業界の人たちはものづくりへの探求心がとても強くて、仕事への「こだわり」と「プライド」を持った人が多いですね。


Q8. 高校生に向けたメッセージをお願いします

モータースポーツが大好きな高校生のみならず、ものづくりが好きな高校生のみなさん! 一度、レーシングメカニックという世界をのぞいてみてください。今までのメカニックのイメージを変えてしまうほどの楽しみがこの仕事にはあります。

テレビなどでは派手で若々しいイメージを伝えていますが、実際はこの世界も若い世代が少なくなっているんです。以前はモータースポーツ業界といえば敷居が高く、知り合いを頼ってしか入れないのが現状でした。
しかし、最近は若手の人材不足によって以前よりも間口が広がっている傾向があるので、今がチャンスかもしれません! 自動車王国の日本で、モータースポーツの職人気質を一緒に育てましょう!


華やかなモータースポーツ業界の舞台裏で活躍しているメカニックの河原さん。車作りの原点は、幼い頃のプラモデル作りにあったようです。
自分の手でものを作り上げることが好きだったり、こだわりや向上心を持ってものづくりをすることを楽しめる人は、メカニックという仕事に向いているかもしれませんね。


【profile】株式会社モーラ 技術部 河原和也

この記事のテーマ
自動車・航空・船舶・鉄道・宇宙」を解説

陸・海・空の交通や物流に関わるスキルを学びます。自動車、飛行機、船舶、鉄道車両などの整備・保守や設計・開発、製造ラインや安全の管理、乗客サービスなど、身につけるべき知識や技術は職業によってさまざまで、特定の資格が求められる職業も多数あります。宇宙については、気象観測や通信を支える衛星に関わる仕事の技術などを学びます。

「自動車・航空・船舶・鉄道・宇宙」について詳しく見る

この記事で取り上げた
「レーシングチームのメカニック」
はこんな仕事です

レースに出場するマシンを整備・調整し、ベストコンディションにする仕事。マシンの状態をドライバーに伝えてアドバイスしたり、ピットへ戻ってきたマシンのタイヤ交換や給油も行う。ドライバーが優秀でもマシンが不調では勝つことができないため、0.1秒を競うカーレースにおいて非常に重要な役割を持つ。また、入賞実績を持つことが技術の高さの証明となる。自動車の構造を理解し、整備に関する技術が不可欠。レーシングカーは、特殊なパーツを使用しているため、それらの専門知識も必要だ。

「レーシングチームのメカニック」について詳しく見る