【シゴトを知ろう】裁判官 編

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【シゴトを知ろう】裁判官 編

2017.01.24

提供元:マイナビ進学編集部

【シゴトを知ろう】裁判官 編

厳しく冷たい、雲の上の存在。裁判官にはそんなイメージがつきまといがちです。しかし今回インタビューに答えてくださった裁判官の村井さんは知性に輝く瞳を持ち、気さくに話してくださるとても魅力的な方でした。そんな村井さんに裁判官の仕事についていろいろと伺いました。

この記事をまとめると

  • 裁判の種類は多岐にわたり、毎回案件に関する資料の読み込みが欠かせない
  • 未来への第一歩となる判決が理想
  • 誰もが小さな法律家

法廷に出る以外にも多くの仕事が待っている

厳粛なムードが漂う法廷

厳粛なムードが漂う法廷

Q1. 仕事概要と一日のスケジュールを教えて下さい
 
硬い表現をしますと「法に則り、国民の権利を守り、生活の平穏と安全を保つ」のが仕事です。一口に裁判と言っても、民事事件・刑事事件・家事事件・少年事件など多岐にわたります。また個人同士の紛争だけでなく企業同士の紛争もあり、裁判の内容によって進め方やかかる期間も違います。担当する案件は裁判官自身が選べるわけではないので、似た事件ばかり担当することはありません。新しい案件の度に期日(裁判所と当事者が同席する機会のこと。公開の法廷や非公開の手続室で行われます)までに提出された資料をじっくり読み込むなど、法廷以外でもさまざまな業務があります。

<ある一日のスケジュール>
9:00 出勤
10:00 期日(その後)裁判官室に戻って記録の検討作業など
12:15 昼食(裁判所の外に行くこともあります)
13:30 期日(その後)合議(数人の裁判官で一つの事件を担当する場合にもたれる話し合いの場)
17:00 終業(状況によって事務作業を続けたり、起案(判決などを書くこと)をする)

 
Q2. 仕事の楽しさ・やりがいは何ですか?
 
法律と良心にしたがって公平な立場から紛争の解決に関わり、 ベストな解決を探しています。結果的に当事者(原告側と被告側)の双方が未来に進める判決に辿り着けると、やっていてよかったと感じます。個人的には、民事事件ではできれば「和解」(判決ではなく話合いによる解決)が良い解決だと思っていますが、そうでなくても当事者の双方が納得した解決ができた時は原告側も被告側も真っ直ぐに前を見る良い表情を浮かべているのが読み取れます。とても嬉しい瞬間ですね。人の人生や企業の将来に大きな影響を与える決断をすることは、社会で重要な役割を担っていると感じますし、やりがいの一つですね。


Q3. 仕事で大変なこと・辛いと感じることはありますか?
 
裁判官としては当然ですが、最終的に「決めなくてはならない」という責務には慎重になります。事件の当事者になった個人・企業などが、双方ともに起きた事件を乗り越え次の一歩を踏み出せる判決や解決をしたいと思いますし、裁判の結果が世の中にも大きな影響を及ぼすこともあります。つらい、というのとは少し違いますが、重責は常に感じています。

裁判官になるまでの長い道のり

法服に身を包んだ村井さん。

法服に身を包んだ村井さん。

Q4. どのようなきっかけ・経緯で裁判官という仕事に就きましたか?
 
高校の時の進路選択で、私は理系寄りでも文系寄りでもなく……というか、どちらにも少しずつ苦手科目があったので(笑)。どっちに行ったらいいのか迷いました。周囲には“何か資格を持ったほうがいい”と勧められていました。悩んだ結果、人と関わることが好きなことや人の悩みやもめごとを解決する手助けができればという思いから、漠然と法曹関係の仕事につながる法学部に進路を決めました。その頃は具体的に裁判官を目指していたわけではありませんでしたが、それがスタートだったと思います。司法修習(研修のこと)のときに初めて裁判官の実際の仕事を見て、どちらか一方の話だけでなく双方の話を聴いて公平中立な立場から紛争解決に関わるという仕事に魅力を感じ、裁判官を志望しました。
  

Q5. 大学・専門などでは何を学びましたか?
 
法学部で4年間学び、大学卒業後は法科大学院(法曹に必要な学識などを学ぶ専門職大学院。ロースクールとも呼ばれる)で2年間学びました。その後司法試験に受かってから約10カ月間、司法修習生として地方に行って研修をしました。私が裁判官として正式に勤務し始めたのは26歳の時です。ちなみに裁判官と検察官になるには、司法修習中に希望を出す必要があります。
 

Q6. 高校生のとき抱いていた夢が、現在の仕事につながっていると感じることはありますか?
 
人の悩みやもめごとを解決する手助けがでれきばという思いや資格のある仕事に就こうとの考えは、今につながっているなと思います。法学部を志望すると決めてから、世の中の出来事を広く見る目を養いたいと思い新聞を読み込んだり、テレビのニュースをいくつも見たりして“いろんな考え方・物事のとらえ方がある”と改めて感じました。これは現在の基礎にもなっていると思います。

自分以外の世界観、価値観などに広く興味を持ってほしい

終始、真っ直ぐな瞳で語ってくださいました。

終始、真っ直ぐな瞳で語ってくださいました。

Q7. どういう人が裁判官に向いていると思いますか?
 
まずは人の話をよく聴き“真剣に悩める人”。何が問題の焦点になっているのか、それを心から真剣に考えられる人は法曹関係に向いていると思います。あとはコツコツと地道に努力できる資質。でも同時に人とよく話し合い、物事の本質を引き出していくコミュニケーション能力もあったほうがいいですね。それらを駆使して案件全体を多角的にとらえ、公平中立な判断をするのが裁判官です。
 

Q8. 高校生に向けたメッセージをお願いします
 
高校生のみなさんは裁判官の仕事のイメージを持ちにくいかもしれませんが、もめている両者の話をよく聴き、法律というルールを使って公平中立な立場から解決するという仕事です。例えば部活動の部員同士でトラブルがあったとき、部長さんはどうしますか? 双方の意見をよく聴き、ルールや過去の事例を基になるべく中立的に、皆が納得して再び部活動に励めるように考えることはないでしょうか。

根底に流れる願いは裁判官も同じです。自分の感覚や考えだけでなく、ルールに基づきいろんな観点から物事を見ようとした時、あなたは小さな法律家なのです。ポイントは「未来に向けての解決法とは何か」。これは私たち専門家でさえ毎日考え、迷い、探していることです。「法律」と聞くと固いイメージもありますが、実は日常生活に多くの法律が関わっているので、触れてみるとおもしろいと思います。裁判官の仕事は人の人生を左右するので責任は大きいですが、やりがいも感じられます。是非一度裁判の傍聴に来てもらって、裁判所や裁判官を身近に感じてもらえたらと思います。

いつかこの記事を読んだ方と「未来に向けての解決法」を一緒に考えることができたら、とても嬉しいことです。
 

国民の権利を守る仕事をする姿は凛として爽やか。さまざまな考えを尽くし、多角的に物事の本質を見ようという、真摯な思いが村井さんから伝わってきました。「事件やトラブルを引きずるのではなく、きちんと終結させることで未来へ向かっての第一歩を踏み出してほしい」という言葉は、裁判所が持つ本当の意義を示しているように思います。
 
 
【profile】東京地方裁判所 裁判官 村井美喜子

この記事のテーマ
公務員・政治・法律」を解説

公務員採用試験などの対策や司法書士など法律関係の資格取得のための学びが中心で、官公庁や行政機関の採用試験科目を段階的に学び、各種試験の合格を目指します。将来は公務員として行政に携わるほか、政治活動を支える政党職員などの仕事が考えられます。弁護士や検察官など法曹の道へ進みたい場合は、大学や法科大学院への進学が必須です。

「公務員・政治・法律」について詳しく見る

この記事で取り上げた
「裁判官」
はこんな仕事です

裁判所で司法権を行使する職業。刑事・民事訴訟を受け、法廷では原告と被告双方の言い分や証拠を精査し、法律に従って公正な判決を下す。裁判官、検察官、弁護士をめざす人は「司法試験」に合格後、司法修習を1年間にわたって受ける。その中でも裁判官になるのは狭き門。判決が社会へ及ぼす影響力は大きく、成績優秀、頭脳明晰、公明正大な人が裁判官への道を歩む。判事補として約10年間働いた後、判事となる。裁判官は地方(簡易)・家庭・高等・最高裁判所の各事件を担当している。

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