【シゴトを知ろう】バルーンアーティスト ~番外編~
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バルーンアーティスト、パフォーマーとして活躍している神宮エミさん。バルーンショーでは、子どもだけでなく周りの大人も一緒に盛り上がることも多いといいます。
その独創的な作品の数々は、どのようにして生み出されているのでしょうか。作品づくりのアイディア、ショーやコンテストなどの裏話を伺いました。
この記事をまとめると
- バルーンの技術は独学でも習得できる
- 作品のアイディアは身近なものから
- 幅広い仕事のためには横のつながりも大切
独学で磨いたバルーン技術
――バルーンの技術はどうやって習得したのですか?
ほぼ独学です。始めて間もない頃にごく初歩的な作り方だけは習いましたが、それ以降は他の人の作品を参考にしながら試行錯誤して作っていきました。今となっては周りからも「型にはまらないp0p0らしさがいい」と言ってもらえるので、独学だったのはかえって良かったのかもしれません。
――作品づくりのインスピレーションはどこから?
街やネットでかわいいものを探すのが好きで、そういう写真やイラストなどがアイデアのもとになっています。InstagramやPinterestをチェックすることも多いですね。ドレス作りの際には、シーズンコレクションや昔のオートクチュールなども参考にします。私の場合はまずドレスの色を決めて、それから形を考えていくんです。実は絵があまり得意ではないので、デザイン画は描かずに頭の中でイメージを固めて作っています。
周りの人みんなが楽しめるバルーンショー
――バルーンショーを盛り上げるためにどんな工夫をしていますか?
私のショーは観客参加型。お子さん達に風船を身につけてもらって、一緒にパレードをすることもあります。そうすると、子どもや親御さん達はもちろん、そこを通りがかった人もみんな笑顔になってくれるんです。ショーではいつも、「その場にいる全員に風船でハッピーになってもらいたい」と思っています。
――ショーの準備は大変なのでは?
たとえば30分のショーなら、風船の仕込みには3~4時間くらいかけます。小さい子どもが集中してショーを見てくれる時間って意外と短いんです。いかに途中で飽きさせずにテンポ良く楽しめるか、ということを重視しているので、どうしても事前の仕込みには時間がかかってしまいます。
――コンテストとショーでは、作品づくりに違いはありますか?
コンテストでは大会ごとにテーマがあって、それを自分なりに解釈しながら作品をつくっていきます。見てくださるのも知識が豊富な方ばかりなので、より「技術的に新しいこと、面白いことをしよう」と考えますね。
活動の場を広げるには横のつながりも必要
――ほかのバルーンアーティストと接する機会は多いですか?
コンテストの中にはチームでないと出場できないものもありますし、装飾などで私1人ではできない仕事をご依頼いただくことも。ですから、横のつながりは非常に大切な仕事だと思います。コンテストでは大会のほかにワークショップも開催されていて、そういう場でアーティスト同士知り合うことが多いです。
――表現の幅を広げるための技もいろいろあるのでしょうか?
バルーンの技術に関してはたくさんあります。たとえば、風船を2枚重ねて色をつくったり、膨らませずに針金を使って形を整えたり。あとは、風船の中にボンドを入れてから膨らませると長持ちするなんて技もあるんですよ。
――今後の展望を聞かせてください
ある施設の広告で私の作ったバルーンドレスを取り入れていただいた時、駅中の液晶ビジョンや掲示板などがその広告で埋め尽くされました。周りからも多くの反響をいただき、私もとても感動しました。これからも、たくさんの人の心に響く、記憶に残る作品をつくっていきたいと思います。
普段の生活の中でも、かわいいものを見るとすぐに「バルーンでつくったらどうなるだろう」と考えてしまう、という神宮さん。新しい作品のインスピレーションを得るためには、常に広くアンテナを張っておくことが大切なのですね。周りの人を笑顔にし、そこから自分も感動をもらえること。それが、バルーンアーティストという仕事の楽しさなのではないでしょうか。
【profile】バルーンアーティスト 神宮エミ
HP:http://www.p0p0-balloon.com
【撮影協力】MASCOT
HP:http://mascot.webcrow.jp
この記事のテーマ
「音楽・イベント」を解説
エンターテイメントを作り出すため、職種に応じた専門知識や技術を学び、作品制作や企画立案のスキル、表現力を磨きます。音楽制作では、作詞・作曲・編曲などの楽曲づくりのほか、レコーディングやライブでの音響機器の操作を学びます。舞台制作では、演劇やダンスなどの演出のほか、舞台装置の使い方を学びます。楽器の製作・修理もこの分野です。
この記事で取り上げた
「バルーンアーティスト」
はこんな仕事です
さまざまな色や形、材質の風船を用い、店頭やパーティー、ウエディング会場などの空間を演出したり、イベントで作品を作るパフォーマンスを見せて楽しませたり、ギフト用アレンジメントを作ったりする仕事。必須の資格はないが、デコレーター未経験でも17歳から受験可能な「Bpro検定」(Japan Balloon Artists Network主催)取得者には、装飾の仕事が優先的にあっせんされる。諸条件を整え「バルーン業務安全管理エキスパート」や「CBA/世界公認バルーンアーティスト資格」を取得すると有利。