【シゴトを知ろう】天文台の職員

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【シゴトを知ろう】天文台の職員

2016.12.20

提供元:マイナビ進学編集部

【シゴトを知ろう】天文台の職員

未だに解明されていない謎が多く、神秘にあふれている「宇宙」。授業などで、宇宙の話題を見聞きしたとき、「謎を解き明かしてみたい!」と感じたことのある人もいるのではないでしょうか。

天体の研究・観測を行う施設を「天文台」と呼び、天文台の職員は、研究者・技術職員・事務職員の3つに分かれています。今回は、宇宙の謎の究明をしている「研究者」の方にインタビューをしました。お話を伺ったのは、東京都三鷹市にある、国立天文台 チリ観測所 特任准教授の永井 洋先生です。

この記事をまとめると

  • 南米チリにある「アルマ望遠鏡」のユーザーサポートを行っている
  • 研究において、物理・数学は日常的に使う
  • この仕事は、研究が楽しいと感じられる心、もしくは忍耐力が必要

「ブラックホール」の謎を解き明かすための研究をしている

Q1. 仕事の概要を教えて下さい
 
「国立天文台」は、宇宙の研究をしている専門機関です。望遠鏡を作って天体を観測する、あるいは、コンピューターでの数値実験を行う、そういったさまざまなアプローチで研究を進めています。その中でも私は、南米チリの標高5,000mほどの場所にある「アルマ望遠鏡」を利用した、「ブラックホール」の研究に携わっています。

ブラックホールは、非常に重力が強くて、いろいろなものを吸い込むことで有名ですが、逆に、一部のものは外側に噴き出すんですね。しかも、全体的にバーッと噴き出すのではなく、細く絞られた流れで噴き出します。この現象を、「ジェット」と呼んでいます。ジェット現象は、光の速度に近いくらいのスピードで運動し、かつ銀河1つ分の大きさを、優に超えるような距離にまで到達します。具体的にいうと、長いもので100万光年にまで到達するんです。私は、この一風変わった現象を解明するために、研究を行っています。

他にも、アルマ望遠鏡の「ユーザーサポート」も大事な仕事です。世界中の大学の研究者の方に、アルマ望遠鏡の貸し出しをして、使い方をお教えしたり、質問にお答えしたりしています。

 
Q2. 仕事の楽しさ・やりがいは何ですか?
 
「突然、とある天体が急激に明るくなった」というように、予想外の現象が発生することがあります。すると学者の間では、我先にその現象について解明しようとして、競争が起こるんです。そういうバトルの中で、自分が先手を打って謎を解くことができると、楽しいものです。また、ダイナミックに変化している天体や、壮大な宇宙の現象を明らかにすることができるのもおもしろいところですね。
 
 
Q3. 仕事で大変なこと・辛いと感じることはありますか?
 
アルマ望遠鏡は、国際的なプロジェクトです。だから仕事においては、英語を使って外国人と議論をしなければいけません。でも議論をしていると、こちらがヒアリングしたことを咀嚼(そしゃく)している間に、相手は何倍もの早いスピードで話を進めていきます。英語力の違いを痛感させられる瞬間です。また、学会(※)といった場所では、外国人のプレゼンテーション能力やアピール力に圧倒されてしまうこともあります。

※学会……学問や研究に従事している人が、研究の結果を発表する場所。

幼少のころから、宇宙や星が好きだった

国立天文台 チリ観測所 特任准教授の永井 洋先生

国立天文台 チリ観測所 特任准教授の永井 洋先生

Q4. どのようなきっかけ・経緯で天文台の職員に就きましたか?
 
私は幼少のころから宇宙や星が好きで、小学5年生の時、両親にねだって天体望遠鏡を買ってもらいました。その天体望遠鏡で実際に星を観るようになったことが、今の仕事に就くきっかけになったと思います。

研究者になるには、大学院に5年間通って、博士号を取る必要があります。私も大学院で天文科学を専攻し、卒業後に国立天文台の研究員となりました。
 
 
Q5. 大学では何を学びましたか?
 
大学は、理学部・物理学科に進みました。天文学は、物理なくしては語ることができません。現在も研究において、物理・数学は日常的に使っています。
 
 
Q6. 高校生のとき抱いていた夢が、現在の仕事につながっていると感じることはありますか?
 
高校生の段階では、はっきりと「研究者になろう」と決めていたわけではありません。ただ、頭の片隅には「宇宙に関する研究をしてみたい」という考えがありました。だから、大学でも物理学科を選んだのだと思います。

この仕事に向いているのは、未知なるものの解明に努力を惜しまない人

Q7. どういう人が天文台の職員に向いていると思いますか?
 
自然現象の背後にある謎や、未知なるものの解明に努力を惜しまない人は向いています。長い時間をかけて、ずっと勉強を続けていかなければいけない仕事ですので、研究が楽しいと感じられる心、もしくは忍耐力が必要になってきます。

また、外国人と仕事をしなければいけないので、文化や考え方が違う人たちと働くことに抵抗を感じないかどうかも大事です。柔軟性やコミュニケーション能力も求められる仕事です。
 
 
Q8. 高校生に向けたメッセージをお願いします
 
天文学者を目指すのであれば、物理と数学は一生懸命勉強をしてください。また、この仕事は、自分の研究の結果を「論文」でまとめて発表することで、はじめて成果としてみなされます。ですので、英語で自分の考えをまとめる練習をしておくといいでしょう。

今、私はコミュニケーションやプレゼンテーションで苦労をしているので、若いうちから意識して、それらの経験を積んでおくのもいいのではないかと思います。あと、プレゼンテーションには、意外と「美的センス」も問われます。論理性だけではなく、資料の見た目の美しさも大事なんです。これは、あくまで副次的な要素ではありますが、今からセンスを磨いておくのもよいかもしれませんね。
 
 

この記事を読んでいる高校生の中にも、自分が知らないこと・分からないことに対して、徹底的に調べたり、考え通したりすることが好きな人がいると思います。そんなあなたは、研究者に向いているかもしれません。興味のある人は、天文学の研究者になって、壮大な宇宙の謎を解き明かしてみてはいかがでしょう。
 
 
【profile】国立天文台 チリ観測所 特任准教授 永井 洋
http://alma-intweb.mtk.nao.ac.jp/~nagai/
【取材協力】自然科学研究機構 国立天文台
http://www.nao.ac.jp/

この記事のテーマ
自動車・航空・船舶・鉄道・宇宙」を解説

陸・海・空の交通や物流に関わるスキルを学びます。自動車、飛行機、船舶、鉄道車両などの整備・保守や設計・開発、製造ラインや安全の管理、乗客サービスなど、身につけるべき知識や技術は職業によってさまざまで、特定の資格が求められる職業も多数あります。宇宙については、気象観測や通信を支える衛星に関わる仕事の技術などを学びます。

「自動車・航空・船舶・鉄道・宇宙」について詳しく見る

この記事で取り上げた
「天文台の職員」
はこんな仕事です

天文台とは、天体の研究、観測を行う施設。日本では世界最先端の観察所といわれる国立天文台が有名だ。天文台の職員は研究者・技術職員・事務職員の3つに分かれており、研究者は基本的には公募だが、博士号の所持者が対象であることが多く、大学の教授や准教授などが就くのが一般的。技術者と事務職は公務員がその業務にあたることになっており、公務員試験合格者の中で、天文台への勤務を志望した人から選ばれる。

「天文台の職員」について詳しく見る